三重県の観光地といえば、いわずとしれた伊勢神宮ですね。でもその伊勢神宮から南へ降りていくことは少ないのではないでしょうか。リアス式海岸が連なる海には絶景が!歴史深い神社には巨木や巨石が。三重県のダイナミックな一面をご紹介します。
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海と山の競演が楽しめる三重県の海岸線沿い
伊勢志摩からずーっと南に降りていくラインがリアス式海岸で、美しい海岸線になります。とはいっても、海岸べりを走る広い道路は意外に少なく、山に入ったり海に出たりとけっこうめまぐるしく景色が変わります。
今回は伊勢神宮から海岸線を南下しながら立ち寄ることのできる、おすすめスポットをご紹介します。
巨木の神社「尾鷲神社」
尾鷲(おわせ)市に古くからある神社です。ご祭神はスサノオノミコト。由緒に関する記録が江戸時代の震災で失われてしまったため、正確には不明だそうですが、土地の伝承やこれまでの調査によると大宝年間(701~704)にさかのぼる創祀だとか。
こちらの神社は奇祭「ヤーヤ祭り」が有名です。武士が対決する時の掛け声「ヤーヤー我こそは」に由来する命名。数日間行われる祭りですが、メインとして有名なのがヤーヤ衆と呼ばれる20代の若者たちが「チョウサ、チョウサ」と声を挙げながらぶつかり合うというもの。2月の寒ーい時期の、熱ーいお祭りです。
尾鷲神社の大楠の木です。樹高25m樹齢は推定1,000年。三重県の指定文化財です。
根にも迫力が感じられます。真ん中には鳩がとまっていました。
奇岩が絶景すぎる鬼ヶ城
尾鷲市から熊野市に入った海岸沿いに鬼ヶ城があります。リアス式海岸の南の端に位置する、世界遺産に登録されている奇岩の絶景です。熊野灘の荒波によって海蝕された凝灰岩の岸壁が1.2㎞にわたって続いており、散策を楽しむことができます。
火山噴火の噴出物によって形成された凝灰岩の岩肌です。ボコボコとキメがあらくて不気味な雰囲気です。
奥まった場所から見る景色は凝灰岩の額縁に入っているよう。訪れた日はお天気がよかったため、特に絶景でした。
出たり引っ込んだり、平らだったり、登ったり下りたりとかなり大変な遊歩道の道のりは、片道40分です。
鬼ヶ城散策の醍醐味でもあり恐ろしいところは、柵が簡素で、しかも低いこと!場所によってはチェーンだけというところもあって、灯台ですら苦手な著者としては決死の大冒険でした。かかとの低い靴だったのでなんとかなりましたが、ヒールのサンダルを履いた女性は、這いつくばるように歩いていました。
柵の外を見下ろした様子です。熊野灘の波は荒々しい!この荒い波によって浸食されていったのがこの鬼ヶ城です。
鬼ヶ城は古くは「鬼岩屋(おにのいわや)」と呼ばれていましたが、戦国時代、この地を治めていた有馬氏がこの山頂に城を築いたことから、鬼ヶ城といわれるようになりました。
時間と体力の不足から、筆者は遊歩道途中でギブアップ。といってもほとんどの人が途中まで進んで引き返すようです。
出発地点まで戻り、鬼ヶ城センター売店で販売している「新姫サイダーフロート(300円)」で喉を潤しました。新姫とは熊野市で発見された新種の柑橘類です。
- 鬼ヶ城
- 三重 / 自然・景勝地 / 観光名所 / 桜の名所 / ハイキング / ツーリング / 奇岩
- 住所:三重県熊野市木本町1835-7地図で見る
- 電話:0597 -89-1502(鬼ヶ城センター)
- Web:http://onigajyo.mie.jp/
- 鬼ヶ城センター
- 三重 / おみやげ屋 / 観光サービス
- 住所:三重県熊野市木本町1835-7地図で見る
- 電話:0597 -89-1502
- Web:http://onigajyo.mie.jp/
巨石がご神体の花の窟神社
鬼ヶ城から少し進むと、日本最古の神社といわれる「花の窟(いわや)神社」があります。神社の所在地は三重県熊野市。熊野古道の名で有名な「熊野」は和歌山県内の一エリアだと思っている人も多いと思いますが、三重県と和歌山県にまたがった地域一帯のことを指しており、花の窟神社のある三重県熊野市も熊野エリアに含まれます。
花の窟神社は古事記で国生み神話で有名な日本を作った神様イザナミが祀られている神社です。こちらは神殿というものがなく、巨石そのものがご神体です。こちらも世界遺産!さほど広くない空間にそびえる巨石は圧巻の大きさ。見下ろされているような圧迫感も感じます。
いろんな所に巨石が。
イザナミはアマテラスやスサノオのお母さんですが、最後にカグツチという火の神様を生みます。ですが火の神様であったため大やけどをおい、それがもとでイザナミは亡くなってしまうのです。そのカグツチも近くに祀られています。
手水の龍になにか飾りが付いてると思ってカメラをむけたら、なんとサナギでした。雨水で光ってきれいです。
神社の前には道を隔ててお店があり、軽い食事やおみやげものが販売されています。こちらは熊野地方の郷土料理・めはり寿司(2個入り300円)と三重県の大内山酪農のコーヒー飲料(93円)。
- 花の窟神社
- 三重 / パワースポット / ドライブスポット / 神社
- 住所:三重県熊野市有馬町上地130地図で見る
- 電話:0597-89-0100
- Web:http://www.hananoiwaya.jp/
- お綱茶屋
- 三重 / 和食 / スイーツ / おみやげ屋 / 郷土料理 / うどん
- 住所:〒519-4325 三重県熊野市有馬町137地図で見る
- Web:http://hananoiwaya.com/otunacyaya/cyaya_index.html
ウミガメが見られる道の駅
花の窟神社からさらに南へ降り、三重県の一番はし「紀宝町」にやってきました。紀宝町はウミガメが産卵にやってくる町で、道の駅「ウミガメ公園」で、実際にウミガメを見ることができます。
飼育、研究がおこなわれている施設でウミガメが無料で見られます。
いろんなカメがいます。カメラをむけたらこっちを向いてくれました。
どのカメも動き回ってすごく元気です。
漁師さんから寄付された魚も水槽に展示されています。
道の駅なのでお店には紀宝町の特産物もいろいろと売っています。紀宝町はマイヤーレモンが特産品です。国内のマイヤーレモンの主要生産地でもあります。
- 道の駅 紀宝町ウミガメ公園
- 三重 / 道の駅・サービスエリア / ドライブスポット / 遊び場 / ツーリング / ドッグラン
- 住所:三重県南牟婁郡紀宝町 井田568−7地図で見る
- Web:https://umigamekouen.com/
ダイナミックな紀伊半島の南
関西に住んでいても、紀伊半島の三重県側にはあまり足を踏み入れることは多くありません。行ってみると実にダイナミックな自然がたくさんありました。そこに神様たちが重なって、神社もダイナミック!紀宝町の端に流れる熊野川。そこを渡ると和歌山県に入ります。熊野速玉大社はすぐそこ。また違った熊野の顔が現れます。