島根
島根観光
全国から信仰を集める出雲大社や、世界遺産・石見銀山が有名

【島根】これを食べておけば後悔しない!松江でおすすめの郷土料理7選&「宍道湖七珍」解説

取材・写真・文:

茨城在住
訪問エリア:45都道府県

2019年2月26日更新

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【5】めのは飯

出雲地方特産の「板わかめ」を火であぶり、ご飯にかけたものです。パリパリっとした食感がクセになり、まるで天然のふりかけのよう。海水の塩を吸って、ほどよい塩分も含むため、ご飯がとにかく進みます。

島根在住の方にとって、ふりかけご飯と言えば、「めのは飯(めのはめし)」だそう。ワカメはお味噌汁にしたり、酢ものにしたり、生の状態で使うイメージがありますが、あえて火であぶり、パリパリにして頂くこともできるのですね。

  • 写真:Sosyu Kikuchiめのは飯

松江市やお隣の出雲市では、「板わかめ」がお手頃価格で購入できます。特に新芽わかめは柔らかく新鮮で、漁師さんもイチオシなのだとか。ぜひお試しください。

  • 写真:Sosyu Kikuchiお土産の板わかめ(500円~1000円程度で購入できる)
  • 写真:Sosyu Kikuchi自宅であぶって食べても美味

ワカメは魚と一緒に食べたい

ワカメは、魚に含まれる魚油と相性がよい食品です。それぞれ血中の中性脂肪を低下させる効果があるとされていますが、二つを組み合わせて摂取すると、効果が強くなります。肥満予防や血液サラサラが叶う組合せです。

水溶性食物繊維アルギン酸)も豊富です。お通じがよくなったり、整腸作用があるので、体全体の代謝アップに繋がります。

  • ワカメ

【6】松江おでん

松江はおでんのお店が豊富に集まっています。アゴ出汁ベースの本格つゆに、お野菜がたっぷり煮込まれたヘルシーなお料理です。ほとんどダシの味ですので、塩味は控えめで、食べやすさバツグンです。沖縄のおでんと同じく、葉物野菜も使われるのが特徴です。筆者が頂いたものには、春菊が入っていました。

  • 写真:Sosyu Kikuchi松江おでん

おでんの定番商品、大根、木綿豆腐、しらたき、キスのつみれ、きんちゃく等も、もちろん美味です。きんちゃくの中身は、シメジ、エノキ、タコなど具だくさんで、ふわっふわな厚揚げに包まれています。

  • 写真:Sosyu Kikuchiきんちゃくの中身

松江おどん

松江には「おどん」と呼ばれる食べ物があります。おでん×うどん=「おどん」です。これは松江発祥の創作料理で、おでんの下におうどんが入った麺料理です。

おどん」のお店は、松江商工会議所青年部のサイトがよくまとまっているので、そちらを参考にしてみて下さい。

【7】出雲そば

7代目松江藩主、松平治郷(まつだいらはるさと)が特に好んだという出雲そば。そばの皮を甘皮ごと贅沢にひいており、麺の色が濃く、香り高いのが特徴です。歯ごたえがあります。出雲そばのなかでも有名なのは、「釜揚げそば」と「割子そば」の二種類です。

釜揚げそば

釜揚げそば」をご説明します。まず、おそばを入れたどんぶりに、そば湯を注ぎます。その後、味を自分で調整しながら、そばつゆと薬味を入れていき、アツアツのまま頂きます。

割子そば

続いて「割子そば」をご説明します。丸い漆器が数段に重ねられ、そのなかに少量ずつおそばが入れられています。段ごとに薬味が異なります。つゆは、濃いめで、段を新たにするごとに自分で好きな量を足していきます。

筆者が頂いたのは、「五色割子そば」で、5段になっていました。一段ずつ違う薬味が入っているので、わくわくしながら、お食事を楽しむことができます。

  • 写真:Sosyu Kikuchi割子そば(一段目/葉わさび)
  • 写真:Sosyu Kikuchi割子そば(二段目/なめこ)
  • 写真:Sosyu Kikuchi割子そば(三段目/とろろ)
  • 写真:Sosyu Kikuchi割子そば(四段目/うずら)
  • 写真:Sosyu Kikuchi割子そば(五段目/おろし)

【参考】宍道湖七珍(しんじこしっちん)とは

七つの食材

松江には「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」と呼ばれる、七つの食材があります。上記でご紹介した【1】~【4】の食材である、

  • シジミ
  • スズキ
  • ウナギ
  • モロゲエビ

も含まれます。さらにその他に、

  • シラウオ
  • コイ
  • アマサギ

が加わって、「宍道湖七珍」とされています。地元の方は、頭文字をとって、「スモウアシコシ」と覚えるのだとか。これらは宍道湖という生物多様性の場を代表する、七つの食材です。

シラウオは、漁期が11月15日~5月31日とされ、澄まし汁や天ぷらとして食すようです。コイは、冬季(特に2月頃)のものが良いとされます。甘辛く煮た「鯉こく」として食されることが多いです。

アマサギとは出雲地方の呼び名で、ワカサギのことを指します。漁期は、10月15日~3月31日とされていますが、近年では水温上昇の影響で、捕れる量が激減しているそうです。宍道湖はワカサギが捕れる南限として、知られています。

宍道湖が大切にされる理由

宍道湖は、山から流れくる淡水と、海から流れくる海水が混じり合った、貴重な湿地です。たくさんの生き物たちが生息できるような、従来の環境を守りつつ、人々の食も潤してくれる、絶妙な湖です。

淡水化事業計画が、持ち上がった時代もあります。湖を淡水化すると海水が入ってこなくなり、シジミをはじめ、これまで生息していた生き物が住めなくなり、生態系が崩れる恐れがありました。住民の賢明な呼びかけのもと、事業計画は白紙になりました。これを機に、宍道湖で捕れる「貴重な食材」を提唱していこう、という流れで七珍ができたとされています。

  • 写真:Sosyu Kikuchi宍道湖の日の入り

現在、宍道湖とお隣の中海(なかうみ)は、ラムサール条約にて基準を満たした「ラムサール条約湿地」として、認定されています。ラムサール条約とは、1972年イランのラムサールで採択された、湿地に関する国際条約のことで、正式名称「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と言います。

宍道湖と中海(なかうみ)は、2005年に登録されました。保全・再生、ワイズユース(賢明な利用)、交流・学習、の3点が条約の基盤となる考え方です。宍道湖の持続可能な漁業法などは、ワイズユースにあたるそうです。

【1】~【5】が食べられるお店「川京」

川京(かわきょう)」は、松江の郷土料理がふんだんに頂ける、アットホームなお店です。座席数も少なく、人気店のため、事前に予約をしてからの訪問がおすすめです。お酒類も豊富です。

  • 写真:Sosyu Kikuchi「川京」の看板
  • 写真:Sosyu Kikuchi家族経営のあたたかいお店
川京
島根 / 郷土料理 / ご当地グルメ・名物料理
住所:島根県松江市末次本町65地図で見る
電話:0852-22-1312

【6】が食べられるお店「やまいち」

松江のおでんといえば、「やまいち」です。元気がよくて、味のある女性陣が見事な接客をして下さいます。店内はお座敷とカウンター席がありますが、こちらも人気店のため、事前予約のうえ、訪問しましょう。

  • 写真:Sosyu Kikuchi「やまいち」の看板
  • 写真:Sosyu Kikuchi小鉢料理も手作りで野菜たっぷり
やまいち
島根 / 和食 / ご当地グルメ・名物料理 / おでん
住所:島根県松江市東本町4-1地図で見る
電話:0852-23-0223

【7】が食べられるお店「八雲庵」

八雲庵(やくもあん)」は、広い敷地を贅沢に使ったお蕎麦屋さんです。日本庭園も美しく、お散歩をするだけでも気持ちがよいくらいです。ランチ時は混雑しますが、座席数も多めですので、回転は早いです。お蕎麦とうどんのメニューがあります。

  • 写真:Sosyu Kikuchi「八雲庵」の敷地内にあるオブジェ
  • 写真:Sosyu Kikuchi庭園が広い

上記のお店詳細(店内の様子金額等)については、以下の記事で詳しくご紹介しておりますので、合わせてチェックしてみて下さい。

関連記事:【島根】1日で全部回れる!松江市のおすすめ観光スポット15選&ざっくりタイムスケジュール

そば処 八雲庵
島根 / 和食 / そば / ご当地グルメ・名物料理 / ランチ
住所:島根県松江市塩見縄手308地図で見る
電話:0852-22-2400
Web:http://www.yakumoan.jp/

【おまけ】島根県と茨城県の繋がり

島根県からは離れますが、茨城県の珍味も以下の記事でご紹介中です。島根県には宍道湖が、茨城県には霞ケ浦という湖があります。地域が異なっても、「湖が近い」という共通点があると、食文化が似てくることがわかります。

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この記事を書いたトラベルライター

大自然に魅せられて
江ノ島出身、現在は霞ヶ浦湖畔で暮らしています。自然に触れる旅が好きで、これまで国内45県、海外13か国を訪問。地域に根付く食と文化を探るのも楽しみの一つです。

▶よくある執筆ネタ
・湧き水、ネイチャースポット
・焼き芋、食文化、町の飲食店

▶Awards
・H30.10 環境保全茨城県民会議主催「いばらき自然環境フォトコンテスト」部門賞
・H31.01 羽田空港主催「私の旅する日本語2018」大塚製薬賞
・R01.08 tripnote主催「トラベルライターアワード2019上半期」審査員特別賞
・R03.08 tripnote主催「トラベルライターアワード2021上半期」SNSシェアトップ賞

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