JR山手線の駅で、新宿の隣に位置する「新大久保」。2002年の日韓ワールドカップや、ヨン様などの韓流ブームで賑わった、コリアンタウンとして有名な街です。現在でも、コリアンタウンとしての色は濃いですが、徐々に韓国以外の文化も受け入れられ、多文化が共存する街となってきています。新大久保は今後、より多文化社会になっていくであろう、未来の日本を先取りしているような街なのです。新大久保の今を、ユニークな街並みやお店を通して探ってみましょう!
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【1】新大久保に根付くコリアンタウン
新大久保に対する一般的なイメージは、「休日は若い女性で賑わうコリアンタウン」でしょうか? 筆者もそうだと思います。
韓流アイドルは若年層のファン(特に女性が多いイメージ)にいまだ人気です。新大久保には、有名アイドルのグッズを販売するお店だけではなく、気軽に韓流アイドルに会いに行ける劇場もあります。AKBとちょっと似ていますね。時には、アイドル自ら新大久保駅近くで宣伝していることもあります。
アイドルだけでなく、人気のある韓国コスメのお店も多いです。こちらも、女性で賑わっています。スーツケースを転がしながら散策する方もいて、もはや観光地ですね! もちろん女性だけでなく、多数ある韓国料理レストランには、男性客も多く入っています。
コリアンタウンのメインロードである大久保通りにつながる道は多数あり、コリアンなお店がいくつも並んでいます。その中の一つに「イケメンロード」と呼ばれている道があり、若い韓国人男性が客引きをしている姿が見られます。主に若いお兄さんがレストランやお店の客引きをしている、コリアンタウンらしい雰囲気を出している細い道です。
キリスト教徒が多い韓国人がよく訪れているであろう、大きな日本ルーテル福音教会もあり、韓国人もたくさん住んでいるのだろうな、と実感がわきます。
- 日本福音ルーテル東京教会
- 新宿 / 教会
- 住所:東京都新宿区大久保1−14−14地図で見る
- Web:https://www.facebook.com/日本福音ルーテル東京教会-204660896212...
【2】中国人向けの大きな免税店
上記のように、新大久保駅前から伸びる大久保通りは、コリアンタウンと呼ぶにふさわしいですが、そこからちょっと外れると、どんどん非コリアン化が進んでいるのがわかります。
大久保通りから、新宿よりの大きな通りである職安通りに出ると、新大久保の国際化・多国籍化を至る所で感じます。この職安通りも、数多くの韓国料理屋があったり、南大門市場という韓国の雰囲気漂うスーパーや、韓国資本の銀行があったりします。
しかし、数年前に、長年親しまれてきた、韓国のCDなど様々な韓国の物品を扱う大きなお店が撤退してしまいました。その近くに新たにできたのが、大きな免税店。中国人観光客のツアーバスが何台も到来し、「爆買い」スポットとなっています。
実際に中に入ってみたのですが、商品や内装の雰囲気などは、銀座の免税店と似たようなものでした。銀座などでの混雑を避けるため、この新大久保に免税店ができたのでしょうか。
もちろん、訪日外国人だけでなく、私たち日本人が訪れてみても面白いスポットです!訪日観光客に向けて、どんな商品やお土産が売れているのかを見てみると、日本という国が自国をどのように売り込んでいるかがわかりますし、日本という国を客観視してみる良い機会になりますよ。
また、その近くのドンキホーテでは、韓国語ではなく、中国語の表示や中国語のアナウンスが目立っており、中国系の方が多く住んでいることが伺えます。特に中国語を勉強している方にとっては、きっと面白いはず!
【3】イスラム横丁
こちらは新大久保駅周辺の、コリアンタウン外れ。通称「イスラム横丁」と呼ばれる小さな通りです。ここには、ネパール居酒屋やインドネシア料理屋、モスクが入ったビルや、ハラル食品を販売する店が固まっています。イスラムの雰囲気を感じられるストリートです。
日本ではなかなか、ハラール食品を扱ったり、スパイスをたくさん取り揃えているお店が見つかりません。その点、このイスラム横丁は貴重です。イスラム教徒の方にとって、ハラール食品を扱っているお店はなくてはならない存在ですからね。
国際送金の看板も、ここではよく見かけます。
もちろん、ここはれっきとした日本の街角なので、日本人も自由に買い物ができます(笑)。特にインドから中東にかけての、カレーなどのレトルト食品や、中東で日常的に食される豆類、タイ料理・インド料理などにぴったりな、細長いバスマティライスなどが、小洒落た輸入品スーパーなどよりお安く買えます。
エスニック料理好き、文字通り日々の食卓にスパイスを加えたいという方、見逃さない手はありません。
【4】日本で最大規模のタイスーパー「アジアスーパーストアー」
「アジアスーパーストアー」は数年前、職安通りにできました。ファミリーマートの上にあり、入り口の階段を上っていくと、タイの歌謡曲番組を放送するディスプレイがお出迎え。
タイの食材や雑誌などが豊富に取り揃えてあります。ワンフロアではありますが、タイ食材を専門に取り扱うお店としては、日本で最大規模。珍しいタイ食品や、ラオスの製品も手に入ります。通販サイトも運営しているため、店頭にない商品も輸入することが可能です。日本人にはタイ料理好きな方も多いので、現地の懐かしい味をここで探してみては??
ちなみに、歌舞伎町の方に歩いて行くと、郵便局があるビルの上の方に、タイ語検定協会があります。少なくはないタイ人が、このあたりにお住まいなのでしょう。
- アジアスーパーストアー
- 新宿 / スーパー・コンビニ
- 住所:Tokyo, Shinjuku, Okubo, 1 Chome−8−2 シャルール新宿地図で見る
- 電話:03-3208-9200
- Web:https://www.asia-superstore.com/
【5】しんじゅく多文化共生プラザ
新大久保のある新宿区は、このような多文化共生社会に向けた取り組みを積極的に行っています。そのシンボルとも言えるのが、「しんじゅく多文化共生プラザ」です。西武新宿駅南口からすぐ、大久保病院横、ハイジアというビルの11階にあります。
ここでは、日本語が不自由な方たちに向けてボランティアの日本語教室を開催したり、ビザやその他日本で暮らすうえで直面する法律の相談を受けたり、異文化交流がなされたりしています。一般の日本人の方も、異文化交流会などの各種イベントに参加したり、掲示板を使って、言語交換パートナーを探すこともできます!
こちらには筆者もよくお世話になったのですが、多文化共生社会を目指す上で、このような施設の存在の必要性を、強く感じます。異国で頼る人がいない人々が頼る場所として、行政がなせることはたくさんあります。相談に来て問題が解決した人々の笑顔を見ると、ここでの活動の意義を強く認識しますね。
しんじゅく多文化共生プラザは、机と椅子のある公共スペースです。特に用がなくても、カフェ代を節約したい時や、観光に疲れた時の休憩所としても役立つ穴場スポットです。ぜひ気軽に、足を運んでみてください!
- しんじゅく多文化共生プラザ
- 新宿 / その他スポット
- 住所:東京都新宿区歌舞伎町2丁目44−1地図で見る
- 電話:03-5291-5171
- Web:http://www.city.shinjuku.lg.jp/tabunka/file03_0000...
終わりに
こういった、新大久保のようなエスニックタウンの存在を知ることが、あなたの多文化共生に対する興味関心の一歩につながれば、とても嬉しいです!それが、エスニックタウンを紹介することの意義だなあ、と筆者は思います。
エスニックタウンを実際に歩き、彼らの料理を味わったり、彼らと言葉を交わしてみてください!あなたの人生の幅が広がるかも。
- 新大久保コリアンタウン
- 新宿 / 町・ストリート / 食べ歩き
- 住所:東京都新宿区百人町地図で見る