隅田川にかかる永代橋のたもとに、画数57(!)の難しすぎる漢字で話題の「ビャンビャン麺」をいただける西安料理店「秦唐記(しんとうき)永代総本店」がオープン。TV番組でもよく取り上げられる大注目の麺料理を、実食画像付きで詳しくご紹介します。
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ビャンビャン麺って何?
ビャンビャン麺とは、四川省・重慶市に隣接する陝西省(せんせいしょう)で一般的に食べられている、幅広の麺のことです(現地では「ビアンビアンミエン」と発音)。ビャンビャン、という音の由来は麺を伸ばす時に出る音、販売時に台を叩く拍子木の音、平たいという意味の「扁扁」がなまったものなど諸説あり、はっきりとは分かっていません。
ビャンビャン麺は、小麦粉に水と食塩を加えてこねて生地を作り、茹でる直前に両手で左右に伸ばして2~3cmの幅に仕上げます。うどんのように一定の幅で切って成形するのではなく、生地を伸ばす力加減一つで麺の太さが決まるため、職人の技が決め手となります。上手な職人が打つと、1本の麺の長さはなんと3m近くになるそう!
絵描き歌ならぬ「字書き詩」が存在するほどの難しい漢字
しかし何といっても特筆すべきなのは、その難しすぎる「ビャン」の漢字です。当然普通のPCでは変換できないので、上↑の画像でその難解さを確かめてください。総画数57の漢字は地元民でも覚えきれないため、陝西省には書き順を示した短い詩があるほど!その一つの日本語訳が、以下のものです。(※右に「刂」ではなく「丁」と書く異体字の場合)
「字書き詩」があってもまったく書ける気がしませんが(笑)、次項以下では、そんなビャンビャン麺をいただける西安料理店「秦唐記永代総本店」をご紹介します!
最寄り駅は東京メトロ・都営大江戸線「門前仲町駅」
2020年8月に東京都江東区にオープンした「秦唐記(しんとうき)永代総本店」は、東京メトロ・都営大江戸線「門前仲町駅」が最寄り駅です。門前仲町駅は永代通りと清澄通りの交差点に位置し、地上に出たら永代通りを茅場町駅方面に向かって歩いていきましょう。10分弱歩くと、下の画像↓の永代橋が目前に迫る風景が見えてきます。
赤い矢印のある細い道を右手に折れると、すぐに「秦唐記永代総本店」があります。永代橋のギリギリ手前なので分かりやすく、初めてでも迷うことはないでしょう。
TV出演経験も豊富!「秦唐記永代総本店」
大きく墨書きされた「秦唐記」の看板が目印の、「秦唐記永代総本店」。永代橋を渡ってすぐの中央区新川にも系列店があり、以前はそちらが「秦唐記新川本店」とされていましたが、2020年8月以降は永代店が「総本店」となりました。位置的にも近くまぎらわしいので、ご注意ください。
店頭には直近のTV番組出演情報が掲示されており、ビャンビャン麺ブームの過熱ぶりをうかがわせます。『タモリ俱楽部』『嵐にしやがれ』などの人気番組が多いので、TVで知ったという方も多いのではないでしょうか。ちなみに、店内のモニターでは過去に出演したTV番組の録画を繰り返し流していますので、食事中に閲覧することができます。
ビャンビャン麺職人の等身大顔出しパネルも置かれていて、フォトスポットとして最適。ぜひ本場の麺職人になったつもりで、記念撮影をしてみてください。
「ビャンビャン麺」とは料理名ではなく、麺の種類!
店内は「新川店」よりもゆったりした空間で、静かで広々。席についてメニューを見ると、まず「ビャンビャン麺」という料理がないことに驚きます。そう、ビャンビャン麺とはあくまでも“麺の種類”のことで、「担々麺」「チャーシュー麺」のような料理名のことではないのです。
迷ったら、定番の「ヨウポー麺」がおすすめ
「ビャンビャン麺」というメニューがあると思っていた初心者の方は戸惑ってしまうかもしれませんが、セレクトに迷ったらまずは定番の「ヨウポー麺」(850円)をおすすめします。これは地元・陝西省の一般的な食べ方で、「ビャンビャン麺といったらこれ!」といった調理法です。
「秦唐記」では、好みに合わせて麺の太さを選ぶことができます。スタンダードはもちろんビャンビャン麺ですが、さらに幅が広いベルト麺と呼ばれるユニークな麺もありますので、色々試してみるのも楽しそうです。
ヨウポー麺とは茹でたての麺の上に、刻んだネギ、モヤシなどの野菜と角切りの豚肉、唐辛子をトッピングし、熱々の油を回しかけたもの。全体的に酸っぱいタレで味付けされており、辛さは好みで選ぶことが可能。提供されたらすぐに、全体をよくかき混ぜます。時間を置くと麺がくっついて混ぜにくくなってしまうので、手早くいただくのがコツです。
口に含むと、まずその麺の弾力に驚かされます。ほうとうのようなふわふわとした食感とは全く異なり、もっちりシコシコの歯ごたえがたまりません。唐辛子がダイレクトにトッピングされているので一見辛そうですが、実際はそうでもありません。後からじわじわくるスパイシーさと油の香り&タレの酸味が相まって、つい箸が進んでしまう深い味わい!
お酢やパクチー、茹で汁を使って“味変(あじへん)”も可能
味に変化をつけたい時は、テーブルに備え付けの「お酢」か「黒酢」をお好みで加えてみることで、最後まで飽きずにいただくことができます。また、トッピングの「香菜(パクチー)」(100円)を追加するのもおすすめ。ワンコインで山盛りの“追いパクチー”が叶います!
さらに汁なし麺を頼むともれなく「麺の茹で汁」が無料で提供されますので、こちらも合間の箸休めにはぴったり。味がなにも付いていない蕎麦湯のようなもので、油っこくなった口中をさっぱりさせてくれます。