埼玉県に伝わる郷土料理をくわしく解説!埼玉県へ旅行に行ったら一度は食べてみたい、名物の食べ物・料理をまとめてご紹介します。旅行ツウのトラベルライターおすすめのお店情報もお見逃しなく!
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【1】おっきりこみ
- 出典:www.photo-ac.comおっきりこみ
埼玉県北部の秩父地方の郷土料理です。幅広の手打ちうどんを、大根やにんじん、ごぼう、ネギなど、主に冬野菜と一緒に煮込んだもので、「おっきりこみ」とは具を刻んで入れるという意味。つゆは味噌ベースのものと醤油ベースのものがあります。
普通のうどんとの大きな違いは、麺を別茹でしないこと。生のまま具材と一緒に茹でます。また麺に塩を加えていないのも特徴です。
おっきりこみのおすすめ店:長瀞屋(長瀞町)
- 出典:tripnote.jp
秩父鉄道「長瀞駅」から徒歩1分、長瀞駅前のメインストリートにあります。ソースカツ重がとくに人気だそうですが、ご当地グルメである「みそ豚丼」や「おっきりこみ」も頂くことができます。長瀞屋の「おっきりこみ」は、毎朝仕込む自家製のおっきりこみ麺を使用。麺の風味と、うまみが染み込んだスープを生かすために、煮込みすぎないのが特徴です。
- 長瀞屋
- 埼玉 / 郷土料理 / ご当地グルメ・名物料理 / うどん / 和食
- 住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞531地図で見る
- 電話:0494-66-0266
- Web:https://www.nagatoroya.com/
【2】煮ぼうとう
埼玉県深谷市の郷土料理「煮ぼうとう」。幅の広い麺を生のまま煮込むもので、特産である深谷ねぎと、主に地元で収穫された根菜類をたっぷりと使います。【1】で紹介した「おっきりこみ」とほぼ同じもので、「おっきりこみ」には味噌ベースのつゆが存在しますが、「煮ぼうとう」は醤油で味付けします。そのため、醤油ベースのおっきりこみを「煮ぼうとう」と呼ぶ場合もあります。
深谷市出身の偉人である渋沢栄一も好んで食べた郷土料理だそうで、深谷市を訪れたらぜひいただきたい料理です。深谷市で「煮ぼうとう」が食べられるお店はこちらで確認することができます。
煮ぼうとうのおすすめ店:麺屋忠兵衛 煮ぼうとう店(深谷市)
- 出典:tripnote.jp煮ぼうとう(とろろご飯セット・税込1,100円)
渋沢栄一の生家「中の家」の隣にあります。渋沢栄一記念館からは徒歩10分ほど。渋沢栄一が新一万円札の肖像に決まったことをキッカケにオープンしました。古民家を改装した店内には、渋沢直筆の書も展示されています。
メニューは「煮ぼうとう」と「煮ぼうとう・とろろご飯セット」のみ。「煮ぼうとう」には、深谷ネギをはじめ、にんじんや三つ葉など、地元の野菜がたっぷり入っており、コシのある麺の食感とつゆのうまみを楽しめます。
- 麺屋忠兵衛 煮ぼうとう店
- 埼玉 / ご当地グルメ・名物料理 / 郷土料理
- 住所:埼玉県深谷市血洗島247-1地図で見る
- 電話:048-598-2410
- Web:https://www.shinyoshi.co.jp/menya.html
【3】わらじカツ丼
埼玉県の秩父地方を代表するご当地グルメです。秩父地方のなかでも小鹿野町が発祥で、大正5年に創業した「安田屋」が元祖。わらじカツ丼の有名店であり人気店のため行列ができます。
わらじカツ丼とは、ごはんの上に、履き物のわらじのような大きくて薄めのロースとんかつが乗ったもの。履物のわらじ一足を表すように2枚乗っています。そして、とんかつには甘辛いタレがからめられています。正しい食べ方は、まず上のカツを丼のフタに乗せて、2枚目のカツから食べはじめるとのこと。
わらじカツ丼のおすすめ店:三峰神社正参道の茶店 大島屋(秩父市)
- 出典:tripnote.jp
三峯神社正参道にある「大島屋」は、わらじかつ丼が広まるきっかけになったお店です。西武鉄道のCMでロケ地となり、『秩父さんぽ旅2014秋冬編』では吉高由里子さんが、そして『ちちんぶいぶい2017年秋冬編』では土屋太鳳さんが、「大島屋」でわらじかつ丼をバクリ!丼からはみ出すほどの大きいカツがインパクト大です。
- 三峰神社正参道の茶店 大島屋
- 埼玉 / 和食 / ご当地グルメ・名物料理 / わらじカツ丼
- 住所:埼玉県秩父市三峰297-2地図で見る
- 電話:0494-55-0039
- Web:https://www.ohshimaya.net/
【4】豚みそ丼
- 出典:www.photo-ac.com豚みそ丼
今では秩父地方の名物として有名な「豚みそ丼」ですが、発祥は「豚みそ丼本舗 野さか」。秩父名物の「豚肉味噌漬」を応用して、新たな料理が生み出せないかと試行錯誤し、3年半の月日を経て生まれました。
いわゆる“豚丼”と間違われやすいですが、豚みそ丼は豚肉味噌漬を焼き上げてご飯にのせた丼で、豚丼とはまったく別物。各店舗によって独自の味噌ダレで提供しています。
豚みそ丼のおすすめ店:豚みそ丼本舗 野さか(秩父市)
- 出典:tripnote.jp並丼(バラ&ロース)900円
西武鉄道「西武秩父駅」より徒歩3分の場所にある「豚みそ丼」の発祥店。2008年7月8日に豚みそ丼専門店としてリニューアルオープンしました。
2014年の第1回全国丼グランプリ・豚丼部門において、「豚みそ丼本舗 野さか」は金賞を獲得!ロース丼、バラ丼の2種類あり、自家製の味噌ダレに漬け込んだ豚肉を、炭火で焼いた香ばしさがたまりません。見た目ほど味が濃くないのが特徴で、お米も厳選した品種を使っています。
お昼時には行列ができるので、並びたくない場合は時間をずらして訪れるのがおすすめ。ただし売り切れ次第終了なのでご注意を。
- 豚みそ丼本舗 野さか
- 埼玉 / 和食 / ご当地グルメ・名物料理 / ツーリング
- 住所:埼玉県秩父市野坂1-13-11地図で見る
- 電話:0494-22-0322
- Web:http://www.butamisodon.jp/
【5】くるみそば
清流に恵まれた秩父地方には、お蕎麦屋さんが多くあります。秩父地方のお蕎麦屋さんへ入ると、よく見かけるメニューが「くるみそば」。主に地元産のくるみを割ってすり潰したものと、そばつゆを混ぜたものに、秩父のコシのあるそばをつけていただきます。
つゆの見た目はごまダレに似ていますが、ごまダレに比べてさらっとしており甘みがあります。お店によっては、くるみを粗めにすり潰していたり、すりごまと混ぜるなど様々。
ちなみに発祥と言われるのが、秩父市相生町にある「やなぎや」です。秩父に多くあるお蕎麦屋さんの中でも老舗中の老舗です。
くるみそばのおすすめ店:そばの杜(秩父市)
- 出典:tripnote.jp
秩父鉄道「秩父駅」から徒歩5分、秩父ふるさと館の2階にあるお蕎麦屋さん。広々とした店内では、蕎麦だけでなく、ご当地グルメの「豚みそ丼」や、冬季限定で郷土料理の「おっきりこみ」も味わえます。
「そばの杜」のくるみそばは、自分でくるみをすり鉢ですり潰すタイプです。手間はかかっても、自分ですり潰したくるみとそばつゆを混ぜたくるみ汁は絶品です。
- そばの杜
- 埼玉 / 和食 / ランチ / そば / 郷土料理 / ご当地グルメ・名物料理
- 住所:埼玉県秩父市本町3-1 ふるさと館 2F地図で見る
- Web:http://www.sobanomori.net
【6】冷汁うどん
大宮、川越、加須あたりで、夏の家庭料理として食されているうどん。埼玉県中部の川島町地域では「すったて」とも呼ばれているもので、食欲がない夏でも、農作業の合間に手軽に栄養を取れる料理として広まったとされています。
ごまや味噌、大葉、砂糖をすり鉢ですり潰し、冷水やだし汁を入れ伸ばしたつゆに、うどんをつけて食べます。ミョウガやきゅうりを入れる場合もあります。2010年に開催された「第6回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で優勝してから、提供するお店が増えました。
【7】かわじま呉汁
【6】で紹介した郷土料理「冷汁うどん」。川島町では「すったて」と呼びますが、夏の郷土料理が「すったて」なら、冬の郷土料理が「呉汁」です。
川島町では田んぼの畔に大豆を一緒に栽培していました。この大豆は「たのくろ豆」と呼ばれ、肉や魚が貴重だった時代の重要なたんぱく源でした。この大豆をすり鉢ですり潰したもの(呉)を汁仕立てにしたものが呉汁です。たっぷりの野菜と「芋がら」も加えて煮込んだ汁物で、うどんを加えれば「呉汁うどん」になります。
呉汁は作るのが手間なため、家庭でも作られることが少なくなりました。しかし郷土料理である「呉汁」がなくなってしまわないように、商工会では「かわじま呉汁」として普及活動をしています。川島町にある加盟店では、だいたい5月〜9月頃まで呉汁をいただくことができるので、この時期に訪れた際には味わってみてはいかがでしょうか?「かわじま呉汁」がいただけるお店はこちらで確認できます。