シドニー
シドニー観光
シティもビーチも楽しめる南半球最大の都市

建築好きのための穴場観光イベント「シドニー・オープン」

取材・写真・文:

オーストラリア在住
訪問エリア:28ヶ国

2018年9月27日更新

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写真:Mayumi Iwasaki

毎年11月にシドニーで開催されているSYDNEY OPEN(シドニー・オープン)は、歴史的建築物からオフィスビルまで普段一般公開されていない建物を巡ることができるイベント。シドニーで大人の社会科見学を体験してみませんか?

この記事の目次表示

Sydney Open(シドニー・オープン)とは?

シドニーがあるニュー・サウス・ウェールズ(NSW)州の歴史的遺産の管理と維持を行っている「Sydney Living Museum(シドニー・リビング・ミュージアム)」が毎年開催している「シドニー・オープン」は、シティ近郊にある普段は見ることができない歴史的建築物や近代的なオフィスビルの内部に、一般人でも足を踏み入れることができるイベントです。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

2018年は11/3(土)〜4(日)の2日間開催される予定です。2017年のイベントの1日目は予め応募した人だけが参加できるツアー形式のもので、Queen Victoria Buildingのドーム屋根の部分に登れたり、St. James駅の未完成の地下トンネルを散策したり、Central駅の時計台が見られたり、などかなりレアな体験ができてしまうものでした。

1日目の参加チケットは2018年9月27日現在発売中ですが、すぐに完売してしまうので、気になる方は是非ホームページをチェックしてみてください。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

2日目はフリーパスを購入して、リストに入っている建物を好きなだけ見学することができるオープンアクセス形式のもので、チケットは前日までネットにて申し込み可能です。こちらでは美術館や博物館、教会やNSW州議事堂、旧造幣局などに入場可能ですが、面白いのは、普段は絶対に入ることのできないオフィスビルの見学ができるところにあります。

観光スポットより楽しめる42箇所の建物

今回は、2017年の11/5(日)に行われたイベント2日目の様子を少しご紹介します。まずは公式ホームページでチケットの予約をしましょう。カード決済が可能なので、日本からも簡単に予約できます。チケットの値段は、大人1人$49.00(約3,990円)です。

2017年の2日目は全部で45もの施設がイベントに協賛していて、開催時間の10:00〜16:00までの6時間の間は回りたい放題でした(2018年は42箇所が見学可能です)。

  • 写真:Mayumi Iwasaki人気の「50 Martin Place」などは30分ほど並びました。

とはいえ、施設内を見学する時間や移動する時間や休憩時間を考慮すると、恐らく10施設も回ることができないでしょう。当日は行きたいと思う施設をピックアップして、予めマップを見てルートを検討して挑みましょう!

Hyde Park Barracks Museum(ハイド・パーク・バラックス博物館)

  • 写真:Mayumi Iwasaki

まずはエントリー・ポイントとして指定されていたハイド・パークのすぐ隣にあるHyde Park Barracks Museum(ハイド・パーク・バラックス博物館)に向かいました。ここでチケットを購入した際に送られてきたQRコードを見せてエントリーし、入館パスになるピンクのリストタグをゲット。これを腕に巻きつければ入館証代わりになり、参加施設をフリーで入場することができます。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

「バラックス博物館」は元々イギリスからの囚人収容所として建てられたもので、その後に移民収容施設、女性保護施設と姿を変え、現在ではオーストラリア開拓時代の歴史が展示してある博物館になっています。以前ご紹介したコカトゥー島や他の施設と合わせて「オーストラリアの囚人遺跡群」として世界文化遺産にも登録されています。

  • 写真:Mayumi Iwasaki
ハイド・パーク・バラックス博物館
シドニー / 博物館・美術館 / 博物館
住所:Queens Square, Macquarie St, Sydney NSW 2000地図で見る
電話:02-8239-2311
Web:https://sydneylivingmuseums.com.au/hyde-park-barra...

PTW Architects(PTWアーキテクツ)

  • 写真:Mayumi Iwasakiロイヤル・ボタニック・ガーデン脇にそびえ立つ不思議な形のビル「Aurora Place」

「PTW Architects」は北京オリンピックの水泳スタジアムや、以前ご紹介した緑の壁が印象的なビル「Central Park Mall(セントラル・パーク・モール)」を共同設計した設計事務所です。

そのオフィスが、銀座エルメスも設計した世界的建築家レンゾ・ピアノによって2017年にデザインされた複合ビル「Aurora Place」の11Fにあり、イベント時にはオフィス内を見学することができました。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

エレベーターが開くと1フロア丸々事務所のスペースになっており、デスクやミーティング・スペース、サンルームや広めのキッチンまであります。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

広々として開放感あるモダンなオフィスに、Central Park Mallや以前のプロジェクトの図面や模型などが飾られていました。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

以前設計事務所に勤務していた筆者としては他社のオフィスがかなり気になるところですが、設計事務所に興味がない方でもオーストラリアのオフィスを見学する機会はなかなかないと思うので、2018年も機会があれば是非訪れてみてはいかがでしょうか?

PTWアーキテクツ
シドニー / その他スポット
住所:Level 11, 88 Phillip Street, Sydney, NSW 2000地図で見る

50 Martin Place(50マーティン・プレイス)

  • 写真:Mayumi Iwasaki赤い大理石が印象的な外観の「50 Martin Place」

1928年に建てられた50 Martin Place(50 マーティン・プレイス)は、映画『マトリックス』の撮影も行われた、Martin Placeの目貫通りにあるランドマーク的なビルです。2017年のイベントでは、建設から87年後の2015年にリノベーションされたMacquarie Bank(マッコーリー銀行)の本社を見学することができました。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

天井の高い1Fは、マッコーリー銀行のエントランス・ロビーとコモンウェルス銀行の窓口とで空間を共有しています。イオニア式の柱とデコラティブな梁や照明がとても素敵で、エントランスホールに足を踏み入れただけで既にうっとりしてしまいます。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

ホールにはガラス・チューブのような2機のエレベーターがあり、古典主義と近代が融合していてとてもシュールな感じです。このエレベーターで上階まで一気に上がります。

  • 写真:Mayumi Iwasakiガラスで覆われたアトリウムは、屋上部分まで12フロア分の巨大な吹き抜けです。

上階のオフィススペースに行くとガラッと雰囲気が変わり、エレベーターを降りると縦に続くダイナミックな吹き抜けにまず驚きます。ガラスとスチールで構成された超近代的な空間は、まるで宇宙基地のような独特の雰囲気です。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

屋上にある屋根にはガラスのドームが掛かり、吹き抜けに自然光が注ぎ込んでいます。オレンジの鉄骨階段がアクセントになっていますね。下までの高低差約30m以上なので、さすがに見下ろすと足がすくんでしまいます。くれぐれもカメラを落とさないように気をつけてください。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

1Fの歴史的な遺産を活用したプランと、上階の最新の技術を使用して全く新らしい用途へと変化させるプランという、古いものと新しいものの緩やかな融合を楽しめるとても面白い建物です。

50マーティン・プレイス
シドニー / 建造物
住所:50 Martin Pl, Sydney NSW 2000地図で見る

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この記事を書いたトラベルライター

シドニー在住 / 建築好きフォトグラファー&ライター
東京生まれ、子供時代をメキシコやイギリスで過ごした後、現在は都市と自然が隣接するマルチカルチュラルな街、オーストラリア・シドニー在住。
元「建築士&インテリアデザイナー」で、現在は「フォトグラファー&ライター」のmayumiです。

旅が大好きで、訪れた国は北米やアジア、ヨーロッパなど合わせて28ヶ国60都市以上。

専門のインテリアや建築、アートなど、デザインインスピレーションを刺激するものを始め、在住者だからこそお伝えできるシドニーのライフスタイル、美味しいもの、素敵なお店やフォトジェニックな風景などをご紹介します。
https://sydneytales.com/

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