駅前に高層マンションが建設され、再開発が進む国分寺駅周辺。しかし、街の中へ足を踏み入れると、そこには豊かな緑が残り、湧き水がこんこんと流れる小川にはホタルが生息しています。あちこちで見かける畑では、武蔵野の土壌で育つ野菜「こくベジ」や果物が育ち、良質な素材と様々なアイデアで生まれる国分寺ブランドがたくさんプロデュースされています。この記事では、そんな国分寺の魅力に触れるおすすめの散策スポットをご紹介します!
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国分寺は、どんな街?
国分寺駅まで、都心から電車でわずか30分弱で行ける!
国分寺市は東京都の中央部に位置し、中心となる駅はJR中央線にある国分寺駅です。国分寺駅は特快などの特急列車の停車駅でもあり、また西武新宿線などとつなぐ西武国分寺線や西武多摩湖線が乗り入れるため、学生や通勤客などが行き交う賑やかな駅です。
国分寺駅は、JR中央線の特快を利用すれば、東京駅から約36分、新宿駅から約22分の場所にあります。最近は駅直結の高層マンションが建つなど再開発も進み、国分寺は今も根強い人気を誇る場所です。
聖武天皇の国分寺建立の詔で建てられた、「国分寺」が名前の由来!
国分寺建立の詔とは、天平13年(741年)に鎮護国家を願った聖武天皇が諸国に国分寺の建立を命じた詔です。その頃は「武蔵国」という国にあり、その国府があった現在の東京都府中市に近かったこと、また国分寺崖線とその湧水群が豊富にあった事から、武蔵国は現在の国分寺市にあたる一帯に国分寺を建立しました。
国分寺市の名前は、古代に国分寺が建立された事に由来しています。建てられた僧寺や尼寺の土台や瓦などが発掘されており、これらの遺跡は国史跡や市重要有形文化財に指定され、古代の東京の姿を残す重要な場として保存・公開されています。
「古代の東京にタイムスリップ!武蔵国分寺の歴史を訪れる散策スポット12選!」では、歴史散策スポットとして遺跡や資料館などを紹介しています。ぜひこちらも覗いてみてください!」
国分寺の源!国分寺崖線と湧水群について
武蔵野台地には、武蔵野段丘と立川段丘の2つの河岸段丘があるのですが、これらは遠い昔に多摩川の流れによって削られてできました。ハケ(崖線)とも呼ぶ、標高差が約15mほどで遠目に見ると崖のように見えるこの段差は国分寺崖線と呼ばれ、現在崖上に建つ家やマンションは、とても見晴らしの良い立地になっています。
こうした段丘崖の下には湧水が出ていることが多くみられるそうです。そのため、国分寺市内には湧水群やその清流があちらこちらに見られ、それらは付近の自然環境と共に大切に保存・管理されています。
東京・国分寺を散策しよう!
そんな国分寺駅周辺には、国分寺に残る自然や国分寺崖線の特徴的な地形を見て楽しむ、体で感じる、そして食して堪能することができる散策スポットがたくさんあります。そんな散策スポットの中から、おすすめの場所をご紹介します!
1. 武蔵野の山野草と湧水の庭「殿ヶ谷戸庭園」
JR中央線国分寺駅の南口から、徒歩で5分。殿ヶ谷戸庭園(とのがやとていえん)は都立文化財9庭園の一つで、国指定名勝に指定されています。元々は個人で所有していた別荘で、所有者によって主屋の建て替えや、紅葉亭の新築、回遊式庭園などが造られました。
昭和40年代に周辺の開発計画が行われると、庭園を守るために住民運動が起こったことが発端になり、昭和49年(1974年)に都が買収し、有料庭園として開園しました。平成23年(2011年)に国の文化財に指定され、規模は小さいながらも武蔵野の野草や湧水を見ることができる庭園には、現在も年間を通して多くの人が訪れます。
竹林「竹の小径」
孟宗竹(もうそうちく)という種類の大きな竹が並ぶ竹林で、その脇を通る散策路を歩けば、日本の昔話に迷い込んだかのようです。孟宗竹は都内に現存する日本庭園には珍しいとのことで、園内でも人気のスポットの一つです。
萩のトンネルと藤棚
秋の七草の一つでもある萩(はぎ)が散策路を覆うトンネルになっています。紫色の小さな花を咲かせる萩は、9月中旬頃に見ごろを迎えるようです。また、その先には見事な藤の古木が覆う藤棚があり、その下にはベンチが置かれて休憩スペースにもなっています。藤が見ごろを迎える5月の連休頃には、たくさんの人が訪れるスポットです。
紅葉亭と鹿おどし
紅葉亭は数寄屋造り風の茶室で、目下には崖から流れ落ちる湧水や池、鬱蒼と繁るモミジなどの樹木を臨むことができます。茶会や句会などにも利用されており、紅葉の季節には大変美しい情景を見ることができるスポットです。
紅葉亭の脇には、井戸水を引いてつくられた鹿(しし)おどしがあります。僧都(そうず)とも呼ばれる鹿おどしは、竹筒に水が溜まると重みで傾き、水が流れ出て元に戻ると「カコーン」という音がなる仕掛けで、日本映画やドラマなどでも良く見かけます。本来はイノシシや鹿を追い払うためにつくられる仕掛けだった事が、鹿おどしと呼ばれる由来です。その風情ある音が響く近辺や紅葉亭は、園内でも風情を感じる和みスポットです。
- 紅葉亭
- 立川・八王子・日野 / 紅葉
- 住所:東京都国分寺市南町二丁目2丁目16地図で見る
- Web:https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index036....
次郎弁天池
国分寺崖線が通る園内の湧水スポットです。次郎弁天池はハケ(崖線)から湧き出る地下水を引いて造られた池で、周囲にはモミジなどの樹木が繁り、清々しいスポットです。
本館
昭和9年に建てられた洋館で、館内では庭園の歴史などを紹介しています。日本間と洋間が融合した内装で、椅子に座って洋館の雰囲気をゆっくりと楽しめる、素敵な休憩スポットでもあります。
- 殿ヶ谷戸庭園(随宜園)
- 立川・八王子・日野 / 紅葉 / 庭園 / 穴場観光スポット
- 住所:東京都国分寺市南町二丁目地図で見る
- 電話:042-324-7991
- Web:https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index036....