東京・墨田区にある京島は、昔ながらの長屋の風景が今も残る下町です。都内とは思えない懐かしい雰囲気がその魅力。そんな京島、じつは個性豊かなカフェが点在するエリアでもあります。下町ならではの温かさと、ユニークな個性を併せ持つ3つのカフェをご紹介します。
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京島ってどんな街?
京島のある墨田区は、ご存知東京スカイツリーがあるエリア。観光客でにぎわう一方、長く受け継がれてきた伝統や文化が残された地域でもあります。そしてそんな中、京島は昔ながらの雰囲気そのままの長屋が今も多く残された街。奥へ奥へと続く路地裏の細い道は、ちょっとした探検気分を味わわせてくれます。
長屋というのはひとつの棟に複数の住戸があり、それぞれから自由に外に出入りができる造り。壁は隣と共有しています。つまり各々が独立して存在しつつも、お互いの距離感が近いという特徴があるのです。
長屋の存在が当たり前という土地柄もあってか、京島では「シェアする文化」が自然と根づき、今も人と人とのつながりが残されているといいます。そしてそんな京島が好きで、長屋をリノベーションし、カフェや工房として店を構える人たちも多いのだとか。
今回はそんな中から、ついまた足を運びたくなる個性的な3つのカフェをご紹介します。
【1】ほっと寛げるカフェスタンド「サテライトキッチン」
「サテライトキッチン」はオリジナルのハーブティーと、ハーブを使ったライトミールにこだわりのあるお店。人でにぎわう「下町人情キラキラ橘商店街」から一歩脇道に入ったところにあります。この一帯は細い路地が奥まで続き、レトロな昭和の雰囲気が味わえる場所。思わずタイムスリップしたかのような気分になっちゃうんです!
- 写真:自由旅クリエイターにじねこMii
- 出典:twitter.com
さてお店の中に入ると、壁や窓際はドライフラワーやハーバリウムで飾られ、オーナーさんがすぐそばのキッチンで料理を作っています。こじんまりとした店内ですが、空間をうまく活用していて、不思議なくらい圧迫感は感じられません。天井やテーブルの木のぬくもりもあってか、程よいアットホーム感がありほっと気持ちを癒やしてくれます。
こちらは「プレート
キッシュには季節に合わせた食材が使われており、この日は里芋と菜の花でした。里芋をキッシュに使うなんてちょっと意外ですが、その独特の粘りと食感が楽しい一品です♫
ちなみに筆者はパスタか玄米のチョイスで玄米を選んだのですが、こちらは冬季限定の玄米豆乳リゾットでした。リゾットの横に味噌が添えられており、お好みで混ぜて食べます。味噌と豆乳の組み合わせがびっくりするくらいマッチするので、ぜひ味噌なしと味噌を混ぜた味の両方を楽しんでみてくださいね!
食後は「エアロプレスハーブラテ(600円)」でホッと一息。
エスプレッソのように濃いめに抽出したハーブティーをミルクで割ったものです。中にはカモミール・ジンジャー・ラベンダーの3種類のハーブがブレンドされています。ハーブティーのリラックス効果もあってかついつい寛ぎ、店主さんとのおしゃべりにも花が咲いてしまいました。
- サテライトキッチン
- 浅草・上野・谷根千 / カフェ・喫茶店 / ランチ
- 住所:東京都墨田区京島3-48-3地図で見る
- 電話:050-3709-2013
- Web:https://www.instagram.com/stllt.herb/
【2】爬虫類はいないのになぜ?「爬虫類館分館(BUNKAN)」
一風変わった名前が印象的な「爬虫類館分館」。じつはこのお店は「シェアカフェ」、つまり日によって店長が変わるカフェなんです。ちょっと珍しいと思いませんか?
店長によってもちろんメニューの内容も違います。例えば今日は洋食のお店だけど、明日は和食のお店・・というぐあいに。マスターによれば、現在店長は20名ほどで、ふだんは別の仕事をされている方が多いとのこと。それぞれの店長の個性によって客層も変わるそうです。あえて日替わりでいろんな店長さんの味を楽しんでみる、というのもおもしろいかもしれません。
この日のメニューの中から注文したのは「スパイシーチキンカレー(850円)」。目にも鮮やかで楽しいワンプレートの一品です。
ピリッとスパイスの効いたカレーにたっぷりの野菜が添えられ、満足度大! 横に添えられていたえのきのマリネがいいアクセントになっていました。
「爬虫類館分館」は2010年にオープンしたお店。常連さんとマスターのごく自然な会話にもほっこり和みます。「シェアカフェ」の存在はすっかり定着しているようです。
ちなみに気になる「爬虫類館分館」という名前には、店長が日替わり=カメレオンのように変化する、という意味もあるんだとか・・?
- 爬虫類館分館(BUNKAN)
- 浅草・上野・谷根千 / カフェ・喫茶店 / ランチ
- 住所:東京都墨田区京島3-17-7地図で見る
- 電話:050-3496-5108
- Web:https://www.facebook.com/hacyuuuruikanbunkan
【3】路地裏にある隠れ家カフェ「オーロラキッチン」
お店の前のカラフルな看板が何とも可愛らしいお店。オーナーさんが子育て中のお母さんということもあってか、子どもたちウェルカムな雰囲気♪キッズメニューも充実しています。
こちらの「オーロラプリン(380円)」は子どもたちのことも考えて、苦いカラメルは使っていません。柔らかくて甘さ控えめの優しい味のプリンはクセになりそう!「ロイヤルミルクティー(ホット:530円)」と一緒に優雅な気分でティータイムはいかが?
お店の奥には近隣の作家さんのハンドメイド作品が置いてあり、可愛いポーチやパスケースなどが所狭しと並んでいます。ぜひお気に入りを探してみてくださいね。
また様々なワークショップも開催しているので、興味がありそうなものにチャレンジをしてみるのもおすすめです。
- オーロラキッチン
- 浅草・上野・谷根千 / カフェ・喫茶店 / プリン
- 住所:東京都墨田区京島1-49-8地図で見る
- 電話:03-6657-0132
- Web:http://aurora-kitchen.jp/
この記事を書いたトラベルライターから一言
京島はこれまで受け継がれてきたものと、個性的で斬新なものをうまく融合させることで、新しい価値を生み出している街という印象でした。今回ご紹介したどのカフェでも常連さんと居合わせたのですが、驚いたのはご年配の方も結構いらっしゃったこと。ご店主さんとお客さんの自然なやりとりに、世代を超えた人と人との結びつきを感じました。
またどのご店主さんの言葉からも共通して感じたことがあります。それはカフェのご店主さん同士も皆さん緩くつながっていて、自分のカラーをしっかりと持ちつつも、仲間としてそれぞれの個性を認め合っていることです。
年代に関係なく、お互いのよさを認めながら、程よい距離感でつながっている。そんなところが京島の魅力なのかもしれません。(にじねこMii)
*3店舗とも2020年5月7日現在、コロナウィルスの影響にて店舗は休業中です。ただし、テイクアウト・デリバリー開始予定のお店もあるので、店舗再開予定とあわせ、各自WEBにてご確認ください。