東京
東京観光
世界から注目が集まるアジアを代表する大都市

【東京】都内で富士山を参拝しよう~富士塚のある神社4選

取材・写真・文:

千葉在住
訪問エリア:31都道府県

2019年10月16日更新

20,945view

お気に入り

富士山は昔から人々の信仰を集めてきた神聖な山。江戸時代には富士山に登って参拝する「富士詣で(ふじもうで)」が流行し、関東各地には富士山を模した「富士塚」がつくられました。上まで登ると富士山登拝と同じご利益が得られるといわれた「富士塚」は、今でも都内各所の神社に残っています。中には山開きの時期に合わせて、毎年盛大にお祭りを行うところもあるんです。

この記事の目次表示

富士詣でが江戸時代に大流行!

昔から噴火を繰り返してきた富士山は、古くから人々に畏れられ、ご神体として崇められてきました。富士山麓に建てられた浅間(せんげん又はあさま)神社は、噴火を鎮めるために富士山を神として祀ったものです。中でも静岡県富士宮市にある「富士山本宮浅間大社」は、全国に約1,300か所ある浅間神社の総本宮とされ、富士山の山頂に奥宮があります。

室町時代には、富士山が持つ霊力・神力を得ようとする多くの修験者たちが富士山の頂上を目指し、やがて少しずつ信仰登山が広がっていきました。

富士山の姿は江戸からもきれいに見えたため、人々にとっては身近で憧れの山でもありました。ただ、富士山参拝には莫大な費用と時間がかかるので、誰もが行けるというわけではありません。江戸からの富士山登拝には、どんなに短くても8日間かかったといいます。そのため、富士山信仰のための組織「富士講」がつくられました。お金を集めて代表者が富士山に登拝するという仕組みができたのです。

また、富士詣でにはという要素もあったため、「富士講」は江戸時代大流行し、人々にとって身近な信仰となりました。

「富士塚」ってどんなもの?

そんな中、関東を中心につくられたのが「富士塚」です。「富士塚」とは富士講の人たちが富士山を模してつくった塚のこと。当時、富士山は女人禁制だったこともあり、女性やお年寄りなど、富士山に登拝することができない人たちが手軽にお参りできるようにとつくられました。

「富士塚」を参詣すると、富士山登拝と同じご利益が得られるとされ、いわば身近にある聖地として江戸の人々に親しまれたのです。現在も都内各地の神社に富士塚が残っています。

【1】十条冨士神社(北区十条)

  • 写真:自由旅クリエイターにじねこMii入口や登山道の階段には、たくさんの幟がはためいていました

江戸時代中期の明和3年(1766年)頃に古墳とされる塚を利用して築かれた「十条冨士塚」が、そのまま神社になっています。いわゆる神社の社殿はなく、冨士塚の山頂にある小さな石祠に登拝するスタイルで、1991年に北区の有形民俗文化財に指定されました。

毎年6月30日と7月1日には富士山の山開きに合わせて大祭が行われます。地元の人には「お冨士さん」と呼ばれ、大事に守られてきたお祭りなのです。筆者は2018年の大祭の日に訪れたのですが、冨士塚を参拝しようとたくさんの人たちが道路まで列をつくっていました。

  • 写真:自由旅クリエイターにじねこMii

神社の参拝入口を入るとテントが張られ、魔よけの麦わら蛇(むぎわらじゃ)や護摩木(ごまぎ)が頒布されています。せっかくなので、筆者は「開運招福」の護摩木に願い事を書いてみました!

  • 写真:自由旅クリエイターにじねこMii

両脇にたくさんの幟(のぼり)がたてられた急な階段を上り、冨士塚を参拝します。山頂の石祠脇の炉の中では、先ほど願い事を書いた護摩木のお炊き上げが行われていました。その煙と一緒に火の神が天に昇り、護摩木に込められた願いが届けられるのだそうですよ。日常ではちょっとできない体験!

毎年大祭の日には十条冨士神社そばの道沿いにたくさんの露店が並び、大勢の参拝客で賑わいます。この年はちょうど土日と重なったこともあり、身動きできないくらいの人、人、人で溢れかえっていました。

  • 写真:自由旅クリエイターにじねこMii
十条冨士神社
赤羽・王子 / 神社
住所:東京都北区中十条2-14-18地図で見る

【2】鳩森八幡神社(渋谷区千駄ヶ谷)

  • 写真:自由旅クリエイターにじねこMii

千駄ヶ谷にある「鳩森八幡神社」の境内には円墳状に盛り土をした「千駄ヶ谷の富士塚」があります。とてもりっぱな富士塚で、頂上近くには富士山の溶岩が配置されています。

この富士塚は寛政元年(1789年)につくられたといわれ、山頂には奥宮、富士塚の麓には里宮(浅間社)が配されるなど、富士山の特徴が再現されているんです。まさに富士山に登ったような気分。1981年には都指定有形民俗文化財に指定されました。

また、鳩森八幡神社を参拝した際におすすめなのがこの鳩みくじ!可愛すぎて、なんだか癒されませんか?大吉じゃなくても、ついつい大事にとっておいちゃいそう♡

  • 出典:twitter.com鳩みくじ、優しい色合いが可愛らしい♡ 初穂料 ¥100
  • 写真:自由旅クリエイターにじねこMii
鳩森八幡神社
新宿 / 神社 / デート
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷一丁目1番24号地図で見る
電話:03-3401-1284
Web:http://www.hatonomori-shrine.or.jp/

次のページを読む

東京の旅行予約はこちら


東京のパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

東京のホテルを探す

東京の航空券を探す

東京の現地アクティビティを探す

東京のレンタカーを探す

東京の高速バスを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


悪いことが続くときはお祓いへ!東京のおすすめ厄除け神社・お寺6選

都内では浅草寺に次ぐ歴史を持つ古刹「深大寺」や、関東厄除け三大師のひとつ「西新井大師」、不動明王の厄除けパワーを感じる「高幡不動尊(金剛寺)」など、厄払いにご利...


東京のおすすめ神社・パワースポット39選!御朱印情報も

縁結びや金運、健康運、学業運など、ご利益もさまざまな東京の神社・パワースポットをご紹介!御朱印情報も解説していますので、御朱印を集めている方はぜひチェックしてみ...

【2023年版】全国の人気神社・お寺TOP52!旅行好きが訪れた寺社ランキング

2023年の1年間にトリップノートのトラベラー会員が登録した「行ったスポット」のデータを元に、トラベラーのみなさんが実際に訪れた国内の寺社ランキング【2023年...

【東京都内】仕事運・金運アップのご利益がある神社12選!

永田町に佇む仕事運や出世運のご利益がある日枝神社や、金運アップの最強お守り”一陽来復御守”が人気の穴八幡宮、”出世の階段”で有名な愛宕神社など、東京都内にある仕...

【東京】歴史ある坂の町・神楽坂を散策しよう!6つの楽しみ方

おしゃれな雑貨店や飲食店が多く立ち並ぶ花街、東京・神楽坂。かつては武家屋敷が多くあった町で徳川家ゆかりの寺院や神社があるほか、和洋中問わず、絶品グルメが食べられ...

この記事を書いたトラベルライター

元バックパッカー、今はママライター。たくさんの楽しいを見つけたい!
ひとり旅好き。独身時代ニュージーランドでのワーキングホリデーを経て、ヨーロッパを半年間放浪しました。帰国後は住み込みの派遣で国内を転々とし、現在は2人の子の母。レンタサイクル、ローカル線や青春18きっぷを使って近場で自由に楽しむ旅が好きです。

◇◇トラベルライターアワード2021上半期 受賞◇◇



【好きなもの、興味のあるもの】
🌸世界各国の料理
🌸おいしいご当地グルメ
🌸江戸の庶民文化

ブログも日々更新中。

記事の執筆依頼お受けします。
https://cmiyumiyu.hateblo.jp

【青春18きっぷ】初心者にもおすすめ!首都圏発の日帰り旅できっぷをムダなく使いきる方法

全国のJR線普通列車で使える「青春18きっぷ」。ハードな長距離旅のイメージですが、実は日帰りの近場旅にもぴったりのきっぷなんです。本記事では、青春18きっぷをも...


【伊豆】絶品!「下田バーガー」と石廊崎のオドロキの場所にある「石室神社」

伊豆半島の中でも、南伊豆は明るく美しい海が印象的なエリア。そんな中、今回ご紹介するのは、下田に行ったらぜひ一度は食べておきたいボリューム満点の絶品「下田バーガー...


出身者がリアルに買って帰る自宅用の山形のお菓子7選

旅行にでかけると、お土産を何にしようか頭を悩ますことって結構ありますよね。しかもお土産選びで時間をとりすぎて、旅を楽しむ時間がなくなっては元も子もありません。そ...

【東京】チンチン電車で満喫♪一日乗車券でめぐる「都電荒川線」下町旅

「都電荒川線」は東京に残る唯一の都電。一日乗車券を使ってレトロな一両編成の路面電車に揺られながら、東京の下町をのんびりとめぐる旅はいかがですか?

繁忙期にも使える!JR東日本「えきねっとトクだ値」~早めの予約で新幹線や特急をお得に

旅行を計画する際に悩むことの一つが交通手段。ツアー参加、あるいは宿+新幹線などのお得なセットプランならそんな心配は不要ですが、中には宿泊先と交通機関のきっぷを別...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります