この記事の目次表示
【3】駒込富士神社(文京区本駒込)
「駒込富士神社」は富士塚をご神体とした神社で、天正元年(1573年)が始まりとされています。富士山に見立てた小さな山の上に拝殿があります。
こちらも十条冨士神社と同様、富士山の山開きに合わせて毎年6月30日~7月2日に大祭が行われます。筆者は2018年の大祭の日に訪れましたが、神社の境内にはぎっしりと露店が立ち並び、たくさんの子どもたちで賑わっていました。
昔懐かしい射的を楽しむ子もいて、なんだかタイムスリップしたみたい♪
参道を奥まで進むと、拝殿へと続く急な階段が・・。
大祭の期間中、境内では「神竜」と呼ばれる縁起物「麦わら蛇」が授与されます。「神竜」というのは、蛇の形に編んだ麦わらと小枝から作られたもので、火を吹き、天空を飛ぶ竜に見立てています。
もともと駒込富士神社の裏に住む喜八という農夫が、麦わらで編んだ蛇を境内の市で売ったのが始まりなんだそう。この麦わら蛇を置いていた家は疫病を逃れたことから評判となり、毎年大祭の縁起物として売られるようになりました。現在は、疫病や水あたり除けのお守りとして知られています。
またこちらの「麦らくがん」も、大祭のときにしか買うことのできない駒込富士神社の名物なので、ぜひ手に入れてみては?
【4】浅草富士浅間神社(台東区浅草)
富士信仰が盛んだった江戸時代、実際に富士山詣りに行くことができない人々は、富士山山開きの6月1日(現在は7月1日)に全国各地にある浅間神社に参詣しました。「浅草富士浅間神社」はそうした浅間神社のひとつとして創建されました。当初は現在の蔵前にありましたが、その後現在の地に移されたといいます。もともとこの場所が富士山に似た小高い丘であったとされることから、2016年には境内に「浅草富士」と呼ばれる富士塚がつくられました。
筆者が訪れた時には、境内に茅輪(ちのわ)くぐりというものが設置されていました。この茅輪をくぐることで、自分の身体についた穢れを祓うことができるんだそうです。
毎年7月1日には例大祭が行われ、その縁日として、5月・6月の最終土日に植木市が開かれています。「お富士さんの植木市」と呼ばれ、夏の風物詩としてなんと400年も続けられているんだとか!
中にはこんなかわいらしい盆栽たちもありました♪
- 浅草富士浅間神社
- 浅草・上野・谷根千 / 神社 / パワースポット
- 住所:東京都台東区浅草5-3-2地図で見る
- 電話:03-3844-1575(浅草神社)
- Web:https://www.asakusajinja.jp/sengenjinja/
この記事を書いたライターから一言
東京はいつも時代の先をいくイメージが強い場所。でもじつは今でも、都内のあちらこちらに江戸時代の庶民文化の名残りが残っているんです。富士塚信仰もその一つ。地元でずっと守られながら今も人々に親しまれているのが素敵だなと感じます。ちょっと切り口を変えたこんな東京の旅、いかがですか?(にじねこMii)