この記事の目次表示
【3】東京都庭園美術館
目黒・白金エリアにある、通称「庭園美術館」は、もともと皇族・朝香宮一家の邸宅だった場所です。フランスのインテリアデザイナー、アンリ・ラパンが内装デザインを手がけ、アール・デコ様式がふんだんに取り入れられた瀟洒な建物になっています。
現在は赤坂が日本の迎賓館として有名ですが、その前はここが迎賓館として使われていました。公邸として使われていた時代もあり、国の指定文化財にもなっています。
2014年のリニューアルオープン以来、様々なアートの展示が行われています。古典芸術ではなく現代アートやファションなどの作家が多く、伝統ある建物とのギャップがとても新鮮で素敵な展示なのが特徴的です。
下の写真は2階にある殿下・姫殿下の居室でのコンテンポラリーアートの展示。この不思議な組み合わせによる印象的な空間が、この庭園美術館の展示の見どころです。
1階奥には和の様式を取り入れた部屋もあり、床の間と出窓風のスペースは日本人には親しみ深い空間です。以前行われた企画展では、繊細な切子作品が展示されていました。なんとこれ、100円ショップなどでよく見かける吸盤から作られているんです!
内装はすべて、数年前までの大がかりな改修工事によって復元された姿。客間の隣にある香水炉はパーツ一つ一つを解体してメンテナンスしたり、ラパンこだわりの各部屋の壁紙も現存に倣って復元したり、できるだけ当時の姿に近い形になるように、そして当時に近い技法を分析して復元されています。科学技術の進化と芸術は、こんなところでも結びついているんです。
数十年前の美しい内装を実際に内部に入って見ると、過去と今が地続きなのだということが実感できます。この素敵な庭園美術館の見方もまた変わってくるのではないでしょうか。
2018年4月現在は、修復工事が完了したのを記念し「アール・デコ・リヴァイバル!」と題した企画展が行われています(2018年6月12日まで)。普段は公開されていない、3階のウィンターガーデンも見ることができます。冬でも庭を楽しめる温室、ということで名付けられたのだそう。
はるか昔ではなく、戦前戦後頃という少し前の時代。皇族や吉田茂氏などに代々使われてきた痕跡を感じる空間で見る芸術というのは、貴重なものです。少し前の時代に思いを馳せ、歴史を感じながら、アートを堪能してみてはいかがでしょうか。
- 東京都庭園美術館
- 品川・目黒・大井町 / 庭園 / 美術館
- 住所:東京都港区白金台5丁目21−9地図で見る
- 電話:03-3443-0201(代表)
- Web:http://www.teien-art-museum.ne.jp/
【4】デザインハブ
六本木の東京ミッドタウン内にあるギャラリー。様々なデザイン系の企画展が行われ、人間の知覚と関連したものが多いのが特徴です。下の写真は、遠くから見ると写真のようだけれど、よく見ると文房具屋で見かける丸いシールによるドット絵になっているもの。これだけでもデザインとして成立しているからすごい!
こちらは2014年から毎年行われる「おいしい東北パッケージデザイン展」。東北地方の食品メーカーのパッケージデザインのリニューアルの公募展の展示で、最優秀賞は実際に実用化されています。
大学と連携していることもあり、単なるデザインではない学術的な要素も感じられるデザインギャラリー。デザインというと少し敷居が高いかもしれませんが、こんなデザイン分野もあるんです。アカデミックで感性と知性が増すような六本木の過ごし方はおすすめです。
- 東京ミッドタウン・デザインハブ
- 六本木・麻布・赤坂 / ギャラリー
- 住所:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F地図で見る
- Web:http://designhub.jp
まとめ
これらは、私たちが知らない過去の偉業や今につながる進歩について、ワクワクとともに伝えてくれるスポットです。ロマン溢れる知的スポットで、アカデミックで感性を磨けるような休日を過ごしてみてはいかがでしょうか。
【関連記事1】東京で感性を磨こう①!アカデミックなお出かけスポット5選
【関連記事2】東京で感性を磨こう②!気軽に行けるデザインギャラリー5選