中央アジアを東西に大きくまたがるカザフスタンがロシアから独立したのはたった25年前(西暦1991年)のこと。その後、アルマトイから遷都され首都となったアスタナは、当時の人口が30万人にも満たない地方の小さな中核都市に過ぎませんでした。この何もない広大な原野への遷都で都市計画を担ったのは、かの有名な日本人建築士!想像の先を行く壮大な都市計画をもとに未来都市が誕生しました。今現在(西暦2016年)もなお建設ラッシュ中のアスタナをご紹介します。
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広大な原野の先に現れる未来都市
アスタナ空港から中心部へ向かう車窓の景色にまず目を奪われる
広大な面積を有するカザフスタンは鉱物や天然資源に恵まれ、独立直後から著しい発展を遂げています。それを象徴するかのように、首都アスタナの建設ラッシュは留まるところを知りません。拡張のスピードもさながら、その建築物一つ一つのユニークさはちょっと他では見られない、まさに未来派指向の奇怪さ(?)で、初めて訪れる人の度胆を抜いています。
空港から市内へ向かう際の風景に人工的な建物は見当たらず、広い道路とそれを照らす照明以外は手つかずの原野。しかし、市内に近づくにつれ未来都市は徐々に姿を現します。
どこを歩いても不思議な建物ばかり
何もない原野に都市が構想されただけあり、区画整備はきっちり。
歩道も車道も広く取られ、高いビルが連なっていても圧迫感がありません。そして、これらの高層建築物は日本で見られるような所謂四角いビルがない!思わずカメラを向けてしまう不思議な形のビルばかり。
観光メインの新市街通りはまるで別の星
都市の南側に東西へ走るNurzhol Blvd通りは、まさに未来都市。直線3kmほど続く遊歩道沿いには、奇抜な建築物が立ち並びます。歩きながら見てみましょう!
まずはKhan Shatyrを出発!
この不思議な円錐形の建物の中は意外にもショッピングモール!
- カーンシャティリーエンターテイメントセンター
- カザフスタン / ショッピングモール・デパート
- 住所:Turan Avenue 37, Astana 010000地図で見る
- Web:http://khanshatyr.com/en/khanshatyr/
そして東を見るとビルの狭間にちょうど収まるBayterek Tower。こちらはアスタナのシンボルとして建てられ、カザフスタンの紙幣にも採用されています。遥か彼方に見えますね。
進んで振り返ると先ほどのKhan Shatyr。
右側に見えてくるのはNur Astana Mosque。青空に白いモスクが映えます。
ビルばかりではありません。公園の広場には様々なモニュメントがあります。
- ヌル・アスタナ・モスク
- カザフスタン / 社寺・教会
- 住所:Qabanbay Batyr Ave 36, Astana 010000地図で見る
お子様連れの方やランチタイムの会社員が、思い思いに訪れてお弁当を広げたりアイスを食べたりしています。
Byterek Towerからは大統領官邸を目指します
あっちの建物、こっちのモスクと写真を撮りながら歩いていると、結構な時間が経ってしまいます。やっとByterek Towerに着きました。上部のドームは展望台になっておりアスタナの街を一望できます。
まだまだ進みます。綺麗に植えられた花壇のその先に見えるのは大統領官邸。
相変わらず不思議な形をした壮大な建築群に感心しながら歩き進み、
大統領官邸に着きました。
その先はイシム川です。川の向こうにも奇怪な建物が見えます。
橋を渡ると美しい純白のモスクがお目見え
橋を渡ってみます。橋を渡る前に見えていたピラミッドは、Palace of Peace and Reconciliationというカルチャーセンター。
その左側にはHazret Sultan Mosqueという美しいモスクがあります。
だいぶ歩きましたので、中で少し休憩させてもらいます。
- ハズレット・スルタン・モスク
- カザフスタン / 社寺・教会
- 住所:Tauelsizdik Ave 48, Astana 010000地図で見る
アスタナ中心部の、このたった3kmだけでも十分に未来都市を感じることができました。
まだほかにもご紹介しきれない未来系建築物があり、一日ではとても回れません。しかも道のりはまだ半ば。アスタナの都市計画は2030年まで続きます。そのころ、どのような都市になっているのか、とても興味深いです。
この未来都市の設計はあの日本人建築士!
ところで、ご覧いただいたこの未来都市アスタナの都市設計を一手に担ったのは日本人建築士だということをご存知ですか?
そう!これらの設計は日本を代表する建築士、故黒川紀章さんなのです。日本では東京六本木の国立新美術館や愛知県の豊田スタジアム、海外ではアムステルダムのゴッホ美術館やクアラルンプール国際空港など幅広く手掛けられている巨匠。アスタナを訪れ、改めて黒川紀章さんの偉大さを感じさせられました。
実はすごいパワースポット!!
日本でよく目にする「パワースポット」の紹介記事を読み、そこへ行ってはみたものの、「よく分からない」とか「それほどパワーを感じることがなかった」という経験はございませんか?
私もその一人で、これは人によって感受性が違うからなのか、そもそもそのようなパワーなどないのか?と諦めていましたが、アスタナに降り立った時、生まれて初めて大地から沸き立つ何かのパワーを感じ、得も言われぬ恐怖と興奮を覚えて身震いました。これがもしかして世にいうパワースポット?スポットというと局所的で、この例には当てはまらないようにも思うのですが、広大な大地から湧き上がる強大なエネルギーを感じたことは確かです。
カザフスタンへの道
アスタナへの行き方と気候
日本からアスタナへの直行便は現在のところなく、アジアやロシアを経由していきます。夏の日中はカラッと暑いですが朝晩は冷えますので、遅いお出かけの際は何か羽織るものをお持ちになると良いと思います。また、世界で最も冬の寒さが厳しい首都といわれるとおり、冬は最低気温が-50℃近くまで下がることもあるようですので、防寒対策は慎重になさってくださいね!
2017年末まで、日本国籍者はビザなし滞在が可能に!
アスタナでは2017年6月10日(土)~9月10日(日)までの間、未来のエネルギーをテーマにEXPOを開催予定です。
これに伴い、これまで有料だったカザフスタンビザは、限定措置として2017年12月31日までの15日間以内の滞在に限り、日本国籍者はフリーとなります!日本からも筑波、愛知、大阪、沖縄がそれぞれの未来をテーマに出展するようですので、これを機会に未来都市へ訪ねてみるのも良いかも知れませんね!