ブルネイ・ダルサラームの国営航空会社であるロイヤルブルネイ航空。日本人にはあまり馴染みのない国、航空会社かもしれませんが、東南アジアやオーストラリアといった国への乗り継ぎで使うにも最適です。実際に利用した筆者におすすめポイントをご紹介します!
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ロイヤルブルネイ航空とは?
ボルネオ島の北にあり、三方をマレーシアに囲まれているブルネイ・ダルサラーム(ブルネイ)。ブルネイの国営航空会社であるロイヤルブルネイ航空は、2024年で創立50周年の歴史があり、ブルネイ唯一の航空会社です。アジア、オセアニア、中東、遠くはイギリス・ロンドンまで複数の就航路線があり、日本へは成田空港との間で週4往復の直行定期便が就航しています。(2025年3月現在)
首都のバンダル・スリ・ブガワンにある空港がブルネイ唯一の空港であるため、全ての路線が国際線というのも特徴の一つです。ブルネイへの利用者ももちろんいますが、ブルネイを経由して別の国へ行く乗り換えで利用する方々の需要があります。
筆者激推し!いいことづくしの理由
馴染みのない航空会社だけに他社に比べれば情報が少ないロイヤルブルネイ航空ですが、実際に利用してみるといいことづくしでした。実際の利用者した筆者から見たおすすめポイントをお伝えします!
オススメポイント① 燃油サーチャージなし!
原油産油国であることから燃油サーチャージがかからないため、航空券は比較的良心的な価格で購入できます。もちろん繁忙期にはそれなりの値段になりますが、LCCではないにも関わらずこの料金なら全く問題ないと思います。
ロイヤルブルネイ航空と某LCC航空会社を、ある時点で日本から同じ行先にして比べてみたところ、料金はほぼ同じくらいかむしろ安かったです。ロイヤルブルネイ航空は基本的なサービスが含まれているのに対し、LCCを利用すると機内食やエンタメ、毛布、荷物など多くのサービスについて追加オプション料金を払わなければいけません。これを踏まえると時期によって多少高くても断然コスパがいいと言えます。
オススメポイント② 機内食やエンタメもあるフルサービスキャリア
ロイヤルブルネイ航空はフルサービスキャリアです。LCCではないため機内食、映画などのエンターテインメント、毛布などもちゃんと提供されます。数は限られますが日本語字幕の映画や音楽もありました。
ブルネイは厳格なイスラム教徒の国であることから全ての機内食はハラールミールで、アルコールの提供がなくソフトドリンクのみになります。多くのフルサービスキャリアで行われている事前予約で特別機内食に無料変更も可能です。
オススメポイント③ 預け荷物は25kgまで無料
エコノミークラスで一番安いRB Saverという航空券プランでも、なんと預け荷物が25kgまで無料範囲内です。RB valueやRB flexiというエコノミークラスの上位プランやビジネスクラスに至っては、30kgまでその範囲が拡大します。他社のフルサービスキャリアの航空会社でも無料で預けられるのは23kgまでなどが多いですので、移住だったり長期旅行で荷物が多い方は課金せずとも済む場合も多そうです。
オススメポイント④ ワールドトラベルアワードも受賞!定評あるホスピタリティ
権威あるワールドトラベルアワードで、5年連続World's Leading Cabin Crewを受賞しており、ホスピタリティにも定評があります。JALやANAなどの日系航空会社も度々ワールドトラベルアワードの各賞を受賞していますので、お墨付きとも言えるのではないでしょうか。
オススメポイント⑤ 比較的新しい機材で古さや汚い印象はない
国王も利用される国営の航空会社であること、原油産油国であることから、ケチケチした印象もなく、機材もエアバス社のA320neoやボーイング社の787‐8など比較的新しい機材が使われています。決して古い感じはなく整備や清掃がしっかりされているように感じました。全てとは言いませんが、海外の航空会社やLCCなどの機材は、明らかに機内設備が古かったり、壊れていたり、掃除が行き届いていないと感じることも多いです。
ただし、いわゆる国際線のイメージする座席の3-3-3のボーイング787‐8ような大きな機材は、人気路線や長距離路線等に限られ、日本路線はほとんどの場合、3-3の座席の機材が使われているようです。エコノミーでも少し狭さを感じたり、ビジネスクラスは必ずしもフルフラットシートということではありません。
2024年にボーイング787-9型機を4機発注したとの報道がありましたし、利用が見込まれる年末年始には日本路線でも大きな機材が導入されていました。日本路線は人気でもありますので、今後常時配置の機材が大きくなる可能性もあります。
オススメポイント⑥ 乗り換えがスムーズなブルネイ唯一の空港
小さな国土であるが故に首都にある空港がブルネイ唯一の空港です。つまり全ての飛行機が国際線になります。国内線への乗り換えということがないため、ブルネイへ入国するか国際線乗り継ぎの2択しかありません。導線も入り組んでいないため、スムーズな乗り継ぎが可能ですし、基本的にロイヤルブルネイ航空を利用した乗り継ぎは、ある程度乗り換えを意識したタイムテーブルが組まれているようで、無茶苦茶な乗り継ぎ時間などはないように思いました。
また、ブルネイに乗り入れしている航空会社も限られることから混雑とは無縁の空港ですので、定時出発はもちろん、定時前に搭乗完了になるほど余裕があります。実際、1時間半程度の乗り継ぎ時間でもかなり余裕をもって乗り継げました。一般的に最低でも2時間の乗り継ぎ時間が推奨されている所が多いと思いますので、スムーズであるが故ではないでしょうか。
オススメポイント⑦ 最終目的地によってはむしろ時短の神路線
日本からの直行便がなく必ず乗り継ぎが必要な場所、例えばマレーシアのコタキナバルは首都クアラルンプールのあるマレー半島を経由してボルネオ島のコタキナバルへ移動するより、同じボルネオ島内にあるブルネイで乗り継いだほうが何と2時間も短縮できるのです。
出典:www.photo-ac.comアジア、オセアニア地域の地図
また、オーストラリア・メルボルンも料金が高い直行便やオーストラリア国内での乗り換えを選択せずに、シンガポール、マレーシアなど東南アジア諸国での乗り継ぎを選択した場合と比べて、ブルネイを経由したほうが実際の飛行時間だけでも2時間~2時間半も短いですし、乗り換え待ちの時間も考慮すると場合によっては5時間以上も短い時間で目的地に到着できます。移動時間はなるべく短いに越したことはありません。
オススメポイント⑧ 遅延が少ない
前述の混雑とは無縁の国際空港に加え、日本線は週に4回と少し余裕のあるスケジュールであることも影響しているからか遅延も少ないようです。もちろん気候の影響を受ける場合もありますが、無理なスケジュール等で遅延が常習化しているような航空会社に比べれば安全性も高いと言えそうです。
オススメポイント⑨ トランジットでブルネイも堪能!1回で複数の国を楽しめる
東南アジアやオセアニアを中心に、ブルネイを経由して別の国へ行く乗り換えで利用する方々に需要があります。最終目的地がブルネイではない場合、トランジットの時間がそれなりにあるようだったら、入国してちょっぴりブルネイを味わってみるのはいかがでしょうか?
出典:www.photo-ac.com観光スポットの一つであるオールドモスク
日本人にはあまり馴染みはないかもしれませんが、ブルネイは天然資源が豊かであり、原油産油国でもあるので生活水準も高く東南アジアのドバイとも呼ばれています。東南アジア随一の治安の良い国であり、近隣のマレーシアやインドネシアとは似ている部分もありますが、全く異なる文化を持っています。
オススメポイント⑩ ビジネスクラスをお得に!入札式のアップグレード
オーバーブッキングや座席調整等の航空会社の事情に伴って無料で行われるアップグレードとは異なり、ロイヤルブルネイ航空では入札額に応じて、アップグレードのチャンスが得られる入札式のアップグレードがあります。乗り換えがある場合は一部だけ入札することもできますので、なかなかビジネスクラスに手が出せない方も少しお安くビジネスクラスに搭乗できるかもしれません。
オススメポイント⑪ 面白い独自の“お祈り”サービス
厳格なイスラム教徒の国の国営航空会社なので、離陸前に機内ではイスラム教のお祈りが流れます。イスラム教徒の国が多い中東系の他の航空会社だとしても、筆者はこのようなサービスをやっている航空会社に搭乗したことも聞いたこともありませんでした。安全の空の旅を祈願してくれているようですし、他ではないとてもユニークな体験ができます。信仰されている方にとっては大事な時間かと思いますので、尊重しつつ搭乗してみてはいかがでしょうか。
・安い航空券で行きたい!
・LCCは嫌だ!
・日系航空会社でなくても全く問題なし
・乗り継ぎで多少時間かかってもOK!
・必ず乗り継ぎが必要なコタキナバルが最終目的地
・乗り継ぎで他の国も合わせて楽しみたい!
・レアでニッチなブルネイ気になる!是非行ってみたい!
我慢できるが少し惜しい!注意ポイント
残念ながら全ての良い条件を全て満たしているわけではありません。どんな航空会社であっても個人によっては残念に思ってしまうポイントがあります。これまで挙げたおすすめポイントを踏まえれば全く問題ないと思うのですが、注意すべき点が何個かあります。この点を踏まえた上でご自身のスタイルにフィットするのか検討してみてください。
注意ポイント① アルコールの提供なし
ブルネイが厳格なイスラム教徒の国であるため、ブルネイ国内でアルコールの販売をしていません。このことから機内でもアルコールの提供がありません。飲みたい方は搭乗前に一杯しておいてくださいね。
出典:www.flickr.comロイヤルブルネイではこうしたアルコールの提供はありません
写真:dory提供されるのはソフトドリンクのみ(写真は紅茶)
注意ポイント② アライアンス非加盟、独自のマイレージサービス
航空会社のマイレージ会員が飛行機に搭乗することでマイルが付与され、貯まったマイルで航空券やお買い物に使えるマイレージサービス。世界には大きく分けて3つのアライアンスがあり、別の航空会社のマイレージ会員であっても同じアライアンス同士であればマイルを貯められます。
しかし、ロイヤルブルネイ航空はアライアンス非加盟であり、独自のマイレージサービスを持っています。このため、JAL、ANAといったアライアンスに加盟している航空会社のマイルを貯めることが出来ません。航空会社同士が独自に提携してアライアンスが違う場合でも、マイルが付与されるシステムにしているような航空会社もあり、以前はJALのマイルが貯められたようですが現在は残念ながらありません。
注意ポイント③ 直行便に比べれば乗り換えがあると時間がかかる
ブルネイ以外が最終目的地の場合、日本から他の航空会社の直行便が出ている国もたくさんありますので、他の航空会社を利用すればわざわざ乗り換えする必要もない場合もあります。おすすめポイントでも書いた特定の目的地でなければ、基本的に直行便と比べてしまえばトータル移動の時間が長くなってしまうし、乗り換えは面倒とも言えます。
しかし、長時間のフライトを1回よりも短く刻んで目的地へ向かうほうがエコノミークラス症候群を防ぎ、体の負担が少なくなるので乗り換えを好む方もいます。しかし、食事やエンタメが含まれているので、直行便でもLCCを利用するのに比べれば気が楽かもしれません。また、トランジットでブルネイに入国もできるので一度で2カ国楽しみたい方には、乗り換えも悪くないのではないでしょうか。
注意ポイント④ 短時間のトランジットは入国不可
外国人が入国時に必要なE-Arrival Cardに宿泊先を書く必要がありますが、乗り換え待ちの時は「Transit」としておけば問題ありません。しかし、4時間以内のトランジットでの入国はできなかった、とい声を聞きました。ただ、入国審査時に短時間でも出たいと交渉して入国できた方もいるようです。
旅慣れた人はちょっと出てすぐ帰ってくることもできそうですが、流石に2時間以内のトランジットで入国することは難しいかもしれません。空港付近に何かあるわけでもないので空港内に留まることになりそうですし、空港自体が広くないので入国したとしても出国審査後の制限エリアとさほど変わりはなく、面白いものがあるというわけでもありません。
長時間の乗り継ぎ待ちは少しつらいですが我慢するしかないですね。少ないながらもカフェやお土産屋さんが出国審査後エリアにありますので時間をつぶしたり、ラウンジを利用してもいいかと思います。ラウンジはビジネスクラスの利用客か、ロイヤルブルネイののマイレージクラブでゴールドステータス以上の方のみですが、空港ラウンジが使えるプライオリティパスの会員も利用できるそうです。
注意ポイント⑤ 事前の座席指定は全ての席で追加料金が発生
エコノミークラスの上位プランやビジネスクラスを除き、座席指定は追加料金が発生します。どうしても座りたい座席が決まっているような方は料金を支払う必要があります。しかし、48時間前から事前オンラインチェックインが開始されますので、その時点での座席指定に料金はかかりません。
他の航空会社でも非常口付近などゆとりがある座席は事前予約時点で課金されることがほとんどですので、座席指定については他社と変わらないと思います。ただしオンラインチェックインが始まる48時間前までは無料で指定できないので、その点についてどうとらえるか個人の考え方次第だと思います。
・乗り継ぎなんて面倒くさい!不安!
・日系航空会社のようなサービスを受けたい!
・国際線なのに3-3の小さい機材の座席で狭すぎる!
・ビジネスクラスなの日本便はフルフラットにならない座席なんて嫌!
・特定のマイルを絶対貯めたい!
・お酒が提供されないなんてダメ!
次の旅行はもう決めた?
次の旅行はロイヤルブルネイ航空を利用してお得に、便利に旅してみませんか?途中でブルネイという少しレアな国にも立ち寄って、新しい経験もしてみませんか?

- バンダルスリブガワン
- ブルネイ / 町・ストリート
- 住所:Bandar Seri Begawan地図で見る






















































