生と死が廻るともいわれる聖なる川、ガンジス川。そんなガンジス川が流れるインドのバラナシは、ヒンドゥー教徒にとって最大の聖地として、インド国内外から多くの教徒たちが集まります。また、ここバラナシは「THE INDIA」といったインドらしい光景に出会える場所として、世界各国から旅人たちが集まる場所でもあります。そんなバラナシで、ガンジス川に昇る美しい日の出をはじめ、毎晩行われている「プージャ」と呼ばれるヒンドゥー教徒の礼拝の儀式を見るのなら手漕ぎ舟が1番おすすめです!
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ヒンドゥー教における聖なる川「ガンガー」
ヒマラヤに源流を持ち全長約2,500kmのインド北部を流れるガンジス川は、ヒンドゥー教においてシヴァ神の頭から流れ出る川であり、「ガンガー」という女神とみなされています。
もともとは天界を流れていた聖なる川が、人々の祈りによって地上を流れるようになった、ヒンドゥー教における、まさに「聖なる川」なのです。
ヒンドゥー教最大の聖地「バラナシ」
インドの首都デリーから南東に約820kmのところに位置する「バラナシ」は、ヒンドゥー教8大聖地の1つであり、ヒンドゥー教最大の聖地として、インド国内から多くの信者や礼拝者、観光客が集まります。バラナシ市内には、大小1,500ほどものヒンドゥー教寺院があり、国内参拝者だけでも年間100万人を超えるといわれています。
なお、英語でべナレス(BENARES)、ヒンドゥー語でバラナシ(VARANASI)と表記され、より現地語に近いとして「ワーラーナシー」や「ヴァラーナスィー」などと表記されることもあります。
そんなヒンドゥー教最大の聖地である「バラナシ」を訪れたのなら、聖なる川である「ガンジス川」を巡りたいもの。そこで、おすすめなのが「手漕ぎ舟」でのガンジス川巡りなんです!
宿泊先での予約、もしくはインドで欠かせない「交渉」で決める
細い路地を抜けていくと、目の前に広がる広大なガンジス川。ガンジス川沿いに出ればいくつもの手漕ぎ舟がとめられており必ず見つけられるはずです。また川沿いを歩いていれば、「手漕ぎ舟に乗らない?」と声を掛けらることも多く、そこから始まるのが、インドでは欠かせない「交渉」です。
交渉が面倒な人やぼったくられそうで不安…という人におすすめなのが、ゲストハウスなど宿泊先で予約をすること◎ そうすれば、値段が決められているため安心です!
ちなみに筆者の場合は「交渉」を選び、夕陽が沈む頃から夜の祭典をみる時間の1時間+翌日に日の出を眺める1時間の2時間で200インドルピー(日本円で約330円)で貸しきることができました。
※当時南インド在住で、インド人への交渉に慣れています※
手漕ぎ舟で神秘的なガンジス川を巡る
訪れる時期によるものの、手漕ぎ舟でガンジス川を巡るのならおすすめなのが暑さも落ち着く「日が沈む頃~夜の祭典」にかけての時間帯。
実際には、漕ぎ手が時間配分などを考慮したお決まりのルートで巡ってくれるため、生と死が廻る聖なる川「ガンジス川」の世界観にどっぷりと浸かりましょう!
ガンジス川から眺めるバラナシの風景は、歩いて目にする光景とはまた違ったものとして目に映るはずです。狭い路地を多くの人々が行き交うバラナシの喧騒から離れて、静かで神々しくもあるガンジス川の流れに身を任せながら過ごす時間は格別です!
手漕ぎ舟で巡る夜の祭典「プージャ」
日が沈むと、毎日行われるヒンドゥー教の儀式であり祭典でもある「プージャ」を眺めに行きましょう!プージャはガンジス川のダシャーシュワメード・ガート(Dashashwamedh Ghat)で毎晩開催されています。
お香が焚かれ火が灯され、インドの伝統的な楽器が音を奏でる、まさに幻想的な光景を目の当たりにすることができます。このプージャに参加しようとインド国内からも多くの信者たちが集まるため、かなりの人でごった返しており、多くの手漕ぎ舟が集まります。
そんな人ごみのなかを手漕ぎ舟であれば比較的スムーズに移動できるのも、手漕ぎ舟のおすすめポイントです◎
- ダシャーシュワメード・ガート
- インド / 遺跡・史跡
- 住所:Dashashwamedh Ghat, Varanasi地図で見る
人生で1度は拝みたいガンジス川に昇る朝陽
手漕ぎ舟ならではの楽しみ方で、日が沈むガンジス川の美しさと夜の祭典の勢いに圧倒されたら、今度は日の出の時間帯を狙って手漕ぎ舟でガンジス川を巡ってみましょう!
ガンジス川といえばイメージされることも多い「沐浴」にも欠かせないのが、ガンジス川に昇る太陽です。ヒンドゥー教徒にとって身を清める儀式である沐浴の流れは、まずガンジス川に入り太陽に向かって聖水を手に汲むところから始まります。そして、祈りの言葉を唱えながら太陽に捧げた聖水を、自分の頭や身体にかけることで清めるのです。
ヒンドゥー教徒でなくとも、聖なる川「ガンジス川」へと真っ直ぐに昇っていく太陽に生と死の廻りを感じずにいられないのは筆者だけではないはず!この不思議な感覚こそが、バラナシやガンジス川の神秘さをさらに実感させてくれるのです。
おわりに
木で造られた昔ながらの手漕ぎ舟。細い路地が入り組むバラナシの喧騒に反して、静かな水面に響くオールのきしむ音。この昔からずっと変わっていないであろうバラナシのガンジス川でのひとコマに、自分が浮かんでいることこそが、まるで夢のような時間となって一生心に残る思い出となるのです。
それこそが、手漕ぎ舟でガンジス川を巡る醍醐味であり、絶対におすすめしたい理由なのです!