イラン
イラン観光
宮殿や古代遺跡、美しい装飾のモスクが点在

地上の小宇宙 ~イランのイスラムモスクを見上げ様々な宇宙を感じる~

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:191ヶ国

2016年11月2日更新

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写真:toshel

「石を投げればモスクに当たる」と思われるほど、イランの街には大小様々なイスラム建築が多く点在しています。それぞれが非常に個性的で、そのドームや壁に施された装飾を見上げていると、宇宙へ吸い込まれるような不思議な感覚さえします。今回は、この美しい幾何学模様のアラベスクやカリグラフィーを有したイランのイスラム建築美を皆様にお届けしたいと思います。

この記事の目次表示

優美なイスラム建築デザイン

礼拝の場として重要なモスク

一日五回の礼拝時間、モスクからアザーンが流れ始めると、どこからともなく人々はそこへ集まりお祈りを捧げます。

  • 写真:toshelMashhad:Imam Raza

普段は陽気なイランの人々も礼拝の時間だけはとても静か。アザーンだけが大きく鳴り響き、厳かな雰囲気とともに神聖な空気をもたらします。

  • 写真:toshelShiraz:Shah Cheragh

礼拝が終わると、ある人はそのまま瞑想を続け、ある人は静かに、またある人は友人と語りながら去っていく。

  • 写真:toshelEsfahan:Masjed-e Jame

日本人にとって、あまり馴染みのないそれらの習慣はどこか神秘的。その神秘性をさらに強く感じさせるのに、この美しいイスラム建築は大いにそれを担っているのではないかと思われます。

  • 写真:toshelMashhad:Imam Raza

とにかく美しい芸術としてのモスク

悠然と佇むモスク。その姿は建物から醸し出される何かの意思を感じ、異教徒の目にもその芸術性を感じずにはいられません。

  • 写真:toshelEsfahan:Masjed-e Sheikh Lotf-ol-lah

イランのイスラム建築の歴史は古く、その間に外的な影響を相当受けてきたためか、どのモスクもとても個性的なデザインです。

  • 写真:toshelMashhad:Molahydr Mosque
  • 写真:toshelMashhad:Imam Raza

多様な魅力に溢れる独創的なイランのイスラム建築に、思わず溜息がもれてしまいます。

小宇宙を感じさせる緻密で美しい壁装飾

その美しい個性をさらに際立たせるのが、計算しつくされたこの美しい壁面やドームのアラベスクとカリグラフィー!

  • 写真:toshelShiraz:Nasir al-Mulk Mosque
  • 写真:toshelShiraz:Nasir al-Mulk Mosque

どのモスクもブルーを基調にデザインされており、一歩そこに足を踏み入れるとあまりの美しさに鳥肌が立つほどの感動を覚えます。その静かで不思議な空間に、異世界へ紛れ込んでしまったような気分にさえなります。

  • 写真:toshelShiraz:Nasir al-Mulk Mosque
  • 写真:toshelShiraz:Nasir al-Mulk Mosque


どうやって彫ったのか?どう組み合わせたのか?どれくらいの時間がかかるのだろうか?緻密で色鮮やかな装飾に圧巻です。

  • 写真:toshelShiraz:Shah Cheragh

こちらはドームの天井です。この小宇宙に吸い込まれそうに感じませんか?

  • 写真:toshelShiraz:Nasir al-Mulk Mosque

思わず口を開けて見入ってしまいます。

  • 写真:toshelEsfahan:Masjed-e Emam

これらのほとんどがハンドメイド。素晴らしいデザインですよね。こちらに挙げた写真はほんの一例で、まだまだ美しいイスラム建築がイランには多く点在しています。
   

イランでモスクを見学する方法

女性は服装に注意!

イランモスクの見学は、観光客そして異教徒でも咎められることはございません。上記で紹介したモスク始め、大小様々どのようなモスクでも「遠い国からよく来てくれた」と歓迎に逢うでしょう。

ただしイランではイスラムの教えは厳格です。女性の服装はモスク内に限らず、人前に出る際に、

  • 体の線および肌の出ないもの
  • 髪の毛を見えないように隠すこと

を守らなければなりません。

イランへ入国した瞬間にそれは始まりますので、予めゆったりした服をお召しになり、大判のスカーフ(帽子では役不足となります)をお手持ちされることをお勧めいたします。男性は特に決まりはないようですが、モスクを訪れる際は長袖と長ズボンの方が良さそうです。

非常に少ないですが入場料の必要なモスクがあります。有料の場合は日本円にしておよそ300~700円くらいとなります。

  • 写真:toshelShiraz:Nasir al-Mulk Mosque

また、モスクによっては女性と男性の入り口が別の場合があります。これは服装チェックの厳しいモスクに多く、女性はチャドール(頭から身体をすっぽり覆うマントのようなもの)を無料で貸与されますので、それを被ります。着用方法が分からなくても手伝ってもらえますのでご安心を!

さあ!いざ小宇宙へ!!

  • 写真:toshelEsfahan:Masjed-e Jame

親切で陽気なイラン人

私たち日本人の中には、どうしても「イラン」と聞くと一歩引いてしまう方もいらっしゃるかも知れません。しかし実はイラン人の皆様、とても親切で陽気な人が多いのです。歩いていると道をすれ違う地元の人々から、

「Welcome to Iran!!!」

と、たびたび手を振られます。
モスクの中庭芝生の上で、持ち寄ったお弁当を広げてピクニックしている家族の方々に、

「一緒にいかがですか!!」

と声をかけられます。

私たちの想像より遥かに治安のよいイラン。歴史深いここイランの街でモスクを巡り、歩き疲れたらモスク内のペルシャ絨毯に靴を脱いで座り一休み。見上げればそこには美しいアラベスク。静かな空間にて暑さや疲れが癒えたらまた次のモスクへ。そうやってイスラム建築を巡りながら日々の疲れをリセットされるのもよいかも知れませんね!

  • 写真:toshelShiraz:Shah Cheragh
Imam Raza
イラン / モスク
住所:Razavi Khorasan Province, Mashhad, Holy Shrine地図で見る
シャー・チェラーグ廟
イラン / モスク
住所:District 8, Shiraz, Fars Province,Iran地図で見る
金曜のモスク(マスジェデ・ジャーメ)
イラン / モスク
住所:Masjede Jame, Isfahan Province, Isfahan, Majlesi St,Iran地図で見る
マスジェデ・ナスィーロル・モスク
イラン / モスク
住所:Fars Province, Shiraz, Lotf Ali Khan Zand St,Iran地図で見る

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この記事を書いたトラベルライター

地球旅~現在191ヵ国~
行ったことのない国を中心にひとり旅しています。他国の歴史、文化、宗教、遺跡、そしてそこに住む人々の考え方に興味があります。

車の運転が好きなので、海外ではドライブ旅を楽しんでます。普段は会社員です。

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