カリブ海に浮かぶ大小の島々たち。その数7,000とも言われ、地図の上をフロリダ半島から南米のベネズエラまで連なる様子は、ひとつひとつまるでネックレスの宝石の粒のよう。美しい珊瑚礁の海、年間を通して暖かな気候、イージーゴーイングで陽気なローカルたち・・・。これらの島々が古今東西の旅人たちを癒してきたことは、想像に難くないのではないでしょうか。今回はそんな島々の中から、ジャマイカ領に属する無人島ライム・キーをご紹介します。
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理想のカリブを追いかけて
ライム・キーは、カリブ海にあるジャマイカの首都・キングストンの沖合いにあります。
歩いて一周するのに15分ほどしかかからない、それはそれはちっぽけな無人島ですが、ひょっとしたら天国に一番近い場所かもしれない、と錯覚するような魅力があります。
真っ青な海と空、白い砂浜
その魅力は、まずは真っ青な空と海。そして白い砂浜でしょう。
- 出典:www.flickr.comby Thomas Guillem; CC BY-NC 2.0
リズミカルに打ち寄せる波はこの上も無く穏やかで、浜辺に座って目を瞑っていると、その優しさに思わず涙がこぼれてきそうです。
ゆっくりと島を一周してみましょう。ローカルにも人気があるので、陽気なジャマイカンの日常に触れる機会もあるかもしれません。
- 出典:www.flickr.comby Thomas Guillem; CC BY-NC 2.0
でも、ライム・キーがスペシャルなのは、これだけが理由ではないんです。
「静寂」という贅沢。ザリガニの足音にすら驚かされて
どんなに美しいビーチも、人混みが台無しにしてしまうこともあります。ライムキーでは、そんな心配はご無用。
それどころか、オフシーズンの平日なら島に誰ひとりいないなんてこともあります。
11月の平日に訪れた筆者の場合はまさにこのケースで、数時間も誰からも邪魔されず、憧れのカリブ海を独り占めすることができました。
聞こえてくるのは打ち寄せる波の音ばかりという静寂を、ただ味わってみましょう。
砂浜に寝転んで目を閉じていると、突然、耳元でカサコソと何かが動く気配が。
ハッとして目を開けると、それはヤドカリたちが砂浜に遊ぶ音だったりします。
自分が普段どれだけの騒音の中で生活しているのか、そして静寂というものが如何に心地好い贅沢な時間だったのか、気づけるのではないでしょうか。
憧れのカリブ海を独り占め
貝殻や流木を拾いながら黙々と歩いているうち、日常の煩雑は遥か彼方、すっかり寛いで素直な気持ちになっている自分を見つけて、驚くかもしれません。
お気に入りの場所を見つけたら、そこに佇んでただただ海を感じてみてください。そして、海に入ってみたくなったら、是非心のままに大胆に行動してみましょう。
- 出典:commons.wikimedia.orgby Gerry Manacsa; CC Attribution-Share Alike 2.0 Generic license
水着の持ち合わせがあればベストですが、無くてもほとんど人が居ないし、たとえ少し洋服がぬれても直ぐに乾いてしまうので大丈夫。
常夏の海に包まれれば、ずっとずっとそうしていたくなってしまう心地好さが、肌から伝わってきます。
シュノーケリングにチャレンジするのもいいですね。
咲き誇る花々たちに魅せられて
島に咲き誇る、元気な南国の花々たち。
定番のハイビスカスの花弁は、まるで蜜を塗ったかのように瑞々しく、太陽の光を浴びてきらきらと輝いています。
白い花は光り輝く陽光の元、一層清楚さが映えて見えます。
南国ならではの鮮やかな朱色は、目に焼き付くような印象。
ヤシの木さえ、花々が彩ってとっても華やかです!
筆者が島内部を歩いていたとき、木の枝を分けて進んだ目の前が、突然パタパタパタッ!という音とともに真っ白になりました。
それは、何十羽という一面の白い蝶々の群れでした。
蝶の天国のようなこの空間は、甘い花の薫りでいっぱい。秘密の花園を歩くお姫様のような気分をしばし堪能したものです。
地上の楽園を確信!心も蕩ける日没
ライム・キーは朝ももちろんいいのですが、おすすめは何といっても日没です。
言葉が出てこないほどの美しさ。見ていると、理由無く涙がこぼれそうになるほどの感動を覚えます。
私たちは皆、一生のうちで何度か「いっそ時が止まってしまえば」と願うほどの多幸感を味わう瞬間があります。
太陽がゆっくりとライム・キーの地平線の向こうに沈んでゆくまでの愛おしさは、筆者にとって間違いなくそんな時間のひとつでした。
アクセスは海賊伝説の港から
ライム・キーに行くには、ジャマイカの首都・キングストンにある港「ポート・ロイヤル」までタクシーなどでアクセスし、そこからボートをチャーターするのが便利です。
「ポート・ロイヤル」は、古の時代には、カリブの海賊たちの歓楽街のあったところ。17世紀終盤に突如として起こった大地震で、一夜のうちにほとんどが海に沈んでしまったといいます。
人々は、海賊に対する神様の罰だと噂しあったとか。
今では鄙びた感じの村になっていて、かつての面影はほとんど残っていません。
筆者が乗ったボートの船頭さんは、「この辺の海底には海賊の財宝や船が眠っているから、ついこの間もアメリカ合衆国から探索班や取材が来たところさ」と、遠い時代を見るような目で話してくれました。
気持ちの良い風を浴びながら15分も行けば、真っ青な海の中に白く光り輝くライム・キーが見えてきますよ!
ボートのチャーターに際して
乗る前に値段を交渉しますが、相場はある程度決まっているのであまり心配しなくても大丈夫。往復でだいたい1,000~1,500ジャマイカドルなので、日本円にするとざっくりと1,000円ほど。
ジャマイカの公用語は英語ですが、現地の人同士が話すパトワ語と呼ばれるジャマイカ英語は、アメリカ人など英語のネイティブでもほとんど理解できません。船頭さんたちは、観光客相手には標準英語を話す努力をしてくれることが多いので、安心して。
ボートの船頭さんには、お迎えの時間を伝えておけば帰りも安心です。2~3時間くらいの滞在を申し込む人が多いようです。
下の写真のボートは、筆者を迎えに来たところ。
少し武骨で、信用出来そうな船頭さん。約束時間かっきりに迎えに来てくれました。
筆者が夕陽にすっかり見とれているのに気づいて、海原の中、一番夕陽が綺麗に見える位置で、数分間も船を泊めてくれました。
水や食料品は必ず持参して
島には、海と砂浜以外本当に何もありません。
暑い国ですから、非常に喉が乾きます。飲料水は必需品です。食べ物もお好みで持っていかれるといいかもしれません。水着、タオルなどもあった方がいいでしょう。
ゴミは持ち帰って。トイレもないので、出発前に済ませておくといいでしょう。
- ライム・キー
- ジャマイカ / その他スポット
- 住所:Lime Cay,Kingston, Jamaica地図で見る
- Web:http://www.visitjamaica.com/lime-cay