モルドバ

【トランスニストリア(沿ドニエストル)】東欧の川沿いに佇む静かな未承認国家

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:191ヶ国

2023年6月27日更新

7,986view

お気に入り

この記事の目次表示

Tiraspol Dubossary Diocese

金色のドームと緑の屋根を持つ正統派大聖堂です。

  • 写真:toshel

外観のエレガントさがひときわ目を惹きます。内部はイコンで埋め尽くされており、厳かな雰囲気が印象的です。

  • 写真:toshel
Tiraspol Dubossary Diocese
モルドバ / 社寺・教会
住所:Tiraspol Dubossary Diocese地図で見る

Monument of Suvorov

300年近く前、ロシア軍隊を率い数々の戦争を勝利へと導いたヒーロー、アレキサンダー・スボロフの銅像がありました。ここティラスポリも彼が創設したため、未だに影響力があります。この街の観光案内図でも、外せないスポットの一つとして大きく取り上げられています。

  • 写真:toshel
Monument to Suvorov
モルドバ / その他スポット
住所:Monument to Suvorov地図で見る

Complex Memorial

ここには、モルドバとのトランスニストリア戦争による犠牲者の慰霊碑があります。戦車も置いてあり、その主砲はモルドバの方へ向いています。

  • 写真:toshel
Complexual Memorial
モルドバ / その他スポット
住所:Complexual Memorial tiraspori地図で見る

Saint George Chapel

その横には「Saint George Chapel」という細長い形の教会がそびえています。まるで、これらの慰霊碑を見守るように建てられていますよ。

  • 写真:toshel
聖ジョージ教会(トランスニストリア)
モルドバ / 社寺・教会 / 教会
住所:Saint George Chapel tiraspori地図で見る

Kirov Park

以下の写真は、こちらの公園の入り口にあるゲートです。連なる鐘が可愛いですね。頭の金ピカは、さすが事実上ロシア配下にある街の建物です。

  • 写真:toshel

デザインのユニークなゲートです。

  • 写真:toshel
Kirov Park
モルドバ / 公園・動植物園 / 公園
住所:Presentation of the child jesus church tiraspoli地図で見る

Presentation of the child Jesus church

Kirov Parkの中心に立つ教会です。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

外観は可愛らしい印象ですので、内部もさぞかしユニークなのだろうと思いましたが、工事中で入れませんでした。聞いたところによると、もう5年も工事中なのだとか……(2018/9現在)

Presentation of the child jesus church
モルドバ / 社寺・教会 / 教会
住所:Presentation of the child jesus church tiraspoli地図で見る

ティラスポリの観光客向けインフォメーション

日本では、トランスニストリアのガイドブックもなく情報が極めて少ないですが、街中にはトラベルインフォメーションがあり、ティラスポリの観光地図も無料で配布しています。

  • 写真:toshel

英語を話す案内の人から詳しい観光情報を聞くことができるうえ、トランスニストリアの珍しいお土産物も売っていますので、是非立ち寄ってみてください。

  • 写真:toshel
ティラスポリ インフォメーション
モルドバ / 観光案内所・ビジターセンター
住所:tiraspoli information center地図で見る

通貨は独自のルーブル紙幣

モルドバ共和国に属しながら、事実上独立しているトランスニストリアは、独自の通貨を使用しています。筆者が街中で買い物をしようとしても、モルドバ通貨であるレウはほとんど使えませんでした。また、クレジットカードを使用できる店も限られますので、現金が必要な方は、列車やバスの終着駅、もしくは、ティラスポリ街中の両替所にて換金しましょう。

  • 写真:toshel

珍しいのは、トランスニストリア独自発行のルーブル硬貨です。

プラスチックでできており、まるでオモチャのようです。

※ティラスポリからキシナウ行きのバスは、車内にてモルドバレイで支払うことができます。

最後に

トランスニストリアは観光資源に乏しい面もありますが、現在でも世界的に問題になっているロシアによる他国の自治州併合(例えばクリミアなど)をリアルに感じられる国でもあります。

旧ソビエト連邦から独立し、ロシアを見据えて軍事強化する国もあれば、ロシアによる併合を熱望してあからさまにアピールし、自ら属する国と戦争にまで発展する自治州もあります。特にここトランスニストリアは、現ロシアの経済的な支援なしには国家として成り立たないということを、実際に訪問することで、複雑な市民感情とともに知ることもできます。

また、モルドバ共和国に属しながら、事実上ロシア配下にあるトランスニストリアは、資本主義の常識が通じない場面もあります。未承認国家のため日本の大使館がなく、モルドバ共和国の主権も及んでいませんので、万が一何かあった時に助けてくれる公的機関はありません。

治安は極めて良いうえ、住民は至って大人しく親切な人々ですが、訪問される方は、特異な動きは極力避け、特にロシア警察にはお気をつけくださいね!

モルドバの旅行予約はこちら


モルドバのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

モルドバのホテルを探す

モルドバの航空券を探す

モルドバのWi-Fiレンタルを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

この記事を書いたトラベルライター

地球旅~現在191ヵ国~
行ったことのない国を中心にひとり旅しています。他国の歴史、文化、宗教、遺跡、そしてそこに住む人々の考え方に興味があります。

車の運転が好きなので、海外ではドライブ旅を楽しんでます。普段は会社員です。

【ホンジュラス】世界屈指の犯罪都市テグシガルパ

世界の治安が悪い国ランキングなどを見ると、毎年必ず上位になってしまうホンジュラス。しかし、手つかずの美しい自然が多く、世界遺産に登録されたマヤ文明のコパン遺跡を...


【レバノン】ベイルート・ビブロス・バールベックの見どころ

遠い昔、世界の中心が地中海にあった時代、レバノンは東西貿易の交差点となる重要な位置にあり、繁栄の極みにありました。古くから数多くの王様や将軍が、この土地を挙って...


カリブの島はどこがいい?陽気レゲエでちょっぴり危険な「バルバドス」どこまでも静かな「アンティグア」

カリブ海には、大小様々な島がおよそ700あります。そのほとんどは欧米各国の領土で、独立国はわずか13カ国のみ。今回は、その中より対極にある2つの小さな島国をご紹...

【サウジアラビア】ついに観光ビザ解禁!閉ざされていた王国の珍しい文化と各都市の見どころ

観光での入国が困難だったサウジアラビアが、2019年9月27日に突然、ツーリストビザの発給開始を発表しました。今回は、サウジアラビアに古くからある慣習と文化、そ...

【ベネズエラ】世界の危険都市上位?首都カラカス

世界屈指の産油国にしてハイパーインフレーションに陥った南米の国ベネズエラ。かつて、スペイン植民地から独立へと導いた英雄「シモン・ボリバル」の生まれ育った街でもあ...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります