日本の四国ほどしかない小さな国スロベニア。国土のちょうど真ん中ほどに位置する首都のリュブリャナからは、全国どこへでも気軽に移動できてしまうのが嬉しいポイントです。スロベニアに来た多くの方々が観光するであろうブレッド湖やボーヒン湖も例外でなく、リュブリャナとはわずか2時間半ほどのドライブ道で結ばれています。リュブリャナと湖の中間にあり、観光途中に休憩するなら是非ここで、という町がシュコーフィア・ロカ。中世という時代の指紋があちこちに散りばめられた、のんびりするのに最適な町です。
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10世紀以来の中世の町
シュコーフィア・ロカは、スロベニアでも有数の古い町で、その起源は10世紀に遡ることができるといいます。13世紀には既に高台にお城を頂き、城壁に囲まれた町となっていたそうです。
今も、当時と変わらず涼しげに流れる川を渡って、町に入ります。
16世紀を迎えたある日、突然町を襲った大地震により多くが破壊されてしまいましたが、お城も町もまもなく再建されました。今ではご覧のとおりの眺めで、当時の雰囲気を偲ばせてくれます。
中世の時代の指紋を探してそぞろ歩き
自分だけのお気に入りの風景をコレクションしてみよう
旧市街に入ると、こんな町並みが待っています。新しい建物も古いものも共存していますね。とてもこじんまりとしているので、地図を気にしないぶらぶら歩きがお勧めです。
一つひとつのファサードを注意してみてみましょう。古い建物の中には、こんな壁画が残っているものもあります。
その昔刻まれた紋章が、そのままになっている建物も。
こんな脇道を見つけたら、ぜひ迷い込んでみてください。奥に中世以来の中庭が広がっていることもありますよ。
こうして、あっちこっち「自分だけのお気に入り」を拾い歩いてカメラのシャッターを切っているうち、気が付けば2、3時間が経ってしまっているはずです。
住民たちの丁寧な暮らしぶり
今の人口は約1万人ほどといいますが、町は本当に静かで観光客らしい人さえほとんどいません。でも、街角で見かけたこんな扉には、住人の丁寧な暮らしぶりを伺うことができます。
きっと、遊び心のセンスのある方が住んでいるんでしょうね。
町外れの高台から一際高く見えるのは、町でただひとつの教会の塔です。
教会の周辺は、まるで時が止まってしまったかのような静けさです。敬虔なカトリック教徒も多いスロベニアでは、熱心にお祈りを捧げる人たちの姿を目にすることもあるでしょう。
レトロなレストランやカフェで一休み
筆者は、ボーヒン湖からリュブリャナに向かう途中、ランチを食べる場所を探しあぐねた末、ラッキーにもこの隠された宝石に出会うことができました。
期待通り、町中にはたくさんのレストランやカフェがありました。例えば、こんな看板が目印です。
こんなにレトロなグラスにサービスしてくれる場所もあります。サービスものんびりしていますが、待つ時間を楽しむのも一興。あえて無計画を楽しむのがいい感じのシュコーフィア・ロカで、みなさんも気ままに一服されてはいかがでしょうか。
おわりに
地図を持たず迷い歩く。時間を気にせず中世の指紋を捜し歩く。
おそらく、シュコーフィア・ロカを訪れる人の誰もがそんな風にして過ごし、そして、きっと誰もが、それがこの町を楽しむ一番の方法だったと気づいて帰ってゆくのではないでしょうか。
リュブリャナからわずか20キロほどの距離ですので、少し足を伸ばして、地図や時間に縛られない気ままなひと時を過ごされたい方にお勧めです。
- シュコーフィア・ロカ
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- 住所:Škofja Loka,Slovenia地図で見る