トンガ

【トンガ王国】青空全開ポリネシアのバカンス

取材・写真・文:

東京在住
訪問エリア:191ヶ国

2023年6月27日更新

402view

お気に入り

写真:toshel

南太平洋に浮かぶ島「トンガ」は、由緒正しき王制の続くポリネシア唯一の王国です。観光地としてはあまりメジャーではありませんが、ラグビーW杯2019ではトンガ出身の選手が日本代表メンバーとして存在感を発揮しました。トンガ王国は意外に行きやすく、しかも観光客が少ないためのんびりバカンスにも最適です。今回は、トンガ王国の首都ヌクアロファの見どころをご紹介します。

この記事の目次表示

南太平洋ポリネシアに浮かぶ島トンガ王国

トンガ王国は、南太平洋ポリネシアに浮かぶ172の島群からなる王国です。場所は、オーストラリア大陸の東3,000Kmほどの距離に位置します。「トンガ」は、現地の言葉でそのままの「南」という意味です。

総人口10万人のうち、75%は首都ヌクアロファのあるトンガタプ島に住んでいます。広さは、東京23区を合わせた面積より少し大きい程度で、その他の島はそれより小さく、ほとんどが無人島です。

ポリネシア人に覚える親近感

トンガ人を含むポリネシア人の先祖は、紀元前2500年ごろの台湾や東南アジア(南方系古モンゴロイド)が起源とされています。彼らはフィリピンやニューギニアへ南下してメラネシアン(アボリジニ:アフリカ起源のオーストラリアやニュージーランド先住民)と混血し、さらに南へ向かいます。

  • 写真:toshel

複数の大陸系人種の混ざり合った子孫であるポリネシアンは、どこかエイジアンの優しさや思いやりを感じます。これは、日本人の起源とされる同じモンゴロイドの「DNA」が、そう感じさせるのかも知れません。

王制を貫いたポリネシア唯一の国

ポリネシアンがトンガへ到達したのは、紀元前950年ごろといわれています。それからおよそ2000年にわたって農耕文化が根付いたのち、西暦950年ごろ初代王(トゥイ・トンガ)が誕生します。王位は親から子へ世襲で引き継がれ、ポリネシアの国々の中では現代においても王制の存続している唯一の国です。

  • 写真:toshel

トンガ人の特長に打って付けなスポーツ

街を歩いていると、トンガ王国の人々はとても大きな体をしていると感じます。特に驚くのは女性の体形で、平均身長は170㎝もあるのだとか。男性はそれよりも背が高く、体格もガッチリしており、その特長を活かしたスポーツであるラグビーが盛んです。

まだ記憶に新しい大変な盛り上がりを見せた日本開催W杯2019では、日本代表チーム31名のメンバーのうち5名がトンガ王国出身者でしたね!

トンガ王国の首都ヌクアロファ観光

トンガ王国の首都ヌクアロファは、一国の首都としては小ぢんまりとしており、中心部は1時間もあれば歩いて観て回れます。

ロイヤル・パレス

こちらは、首都ヌクアロファの中心部に位置する王様の公邸(宮殿)です。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

古くは1867年に木造の王宮がここに建てられており、老朽化のため2010年に大規模改修が行われています。一般公開はされておらず外から伺うのみですが、太平洋を望み風通しの良い穏やかな雰囲気の宮殿です。

ロイヤル・パレス
トンガ / 建造物
住所:トンガ王国 ロイヤル・パレス地図で見る

首相官邸(Prime Minister’s Office)

街の中心部にある首相官邸です。こちらの建物も屋根が朱色ですね。トンガ王国の国旗と合わせているようにも見受けられます。日本と同じように王室と政治は分かれていますが、トンガ王国では王室が政治に大きく関与します。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel
首相官邸
トンガ / 建造物
住所:Tonga ヌクアロファ地図で見る

セイント・ジョージ・パレス

2015年にオープンしたばかりの、首相官邸、財務省、外務省など、政府の主要機関の入る新しい建物です。こちらのパレスが建設される以前は、戦没記念碑のある緑の多い公園で、街の中心部に位置するため市民の憩いとなっている場所でした。

しかし、中国の助成金(一帯一路)を使って整地し、建設が始まったため市民からの反発がかなり大きかったそうです。トンガ王国は対外債務がGDP(国内総生産)の4割超と高い水準なうえ、その過半が中国からとされており、これ以上の中国の干渉を危惧した市民らが奮起し、反政府運動まで起こりました。

  • 写真:toshel
  • 写真:toshel

しかし、建ってしまえば街のシンボル。人の出入りの多い建物です。

セイント・ジョージ・パレス
トンガ / 建造物
住所:Tonga ヌクアロファ地図で見る

第二次世界大戦追悼碑(WWⅡ War Memorial Cenotaph)

1941年に始まった太平洋戦争では、トンガ王国は連合国の一員として参戦し、近隣のソロモン諸島を占領した日本と戦いました。また、第二次世界大戦ではニュージーランド、アメリカ軍の拠点となり多くの戦死者がでています。

これらの戦争は、直接の当事者ではない太平洋上の小さな島々まで影響を及ぼし、全く関係ないにも関わらず自国に犠牲者をだすなど、改めて戦争の無意味さを感じさせます。

  • 写真:toshel
第二次世界大戦追悼碑
トンガ / モニュメント
住所:ロイヤルパレス トンガ地図で見る

次のページを読む

トンガの旅行予約はこちら


トンガのパッケージツアー(新幹線・飛行機付宿泊プラン)を探す

トンガのホテルを探す

トンガの航空券を探す

トンガのWi-Fiレンタルを探す

この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

この記事を書いたトラベルライター

地球旅~現在192ヵ国~
行ったことのない国を中心にひとり旅しています。他国の歴史、文化、宗教、遺跡、そしてそこに住む人々の考え方に興味があります。

車の運転が好きなので、海外ではドライブ旅を楽しんでます。普段は会社員です。

【ホンジュラス】世界屈指の犯罪都市テグシガルパ

世界の治安が悪い国ランキングなどを見ると、毎年必ず上位になってしまうホンジュラス。しかし、手つかずの美しい自然が多く、世界遺産に登録されたマヤ文明のコパン遺跡を...


【レバノン】ベイルート・ビブロス・バールベックの見どころ

遠い昔、世界の中心が地中海にあった時代、レバノンは東西貿易の交差点となる重要な位置にあり、繁栄の極みにありました。古くから数多くの王様や将軍が、この土地を挙って...


カリブの島はどこがいい?陽気レゲエでちょっぴり危険な「バルバドス」どこまでも静かな「アンティグア」

カリブ海には、大小様々な島がおよそ700あります。そのほとんどは欧米各国の領土で、独立国はわずか13カ国のみ。今回は、その中より対極にある2つの小さな島国をご紹...

【サウジアラビア】ついに観光ビザ解禁!閉ざされていた王国の珍しい文化と各都市の見どころ

観光での入国が困難だったサウジアラビアが、2019年9月27日に突然、ツーリストビザの発給開始を発表しました。今回は、サウジアラビアに古くからある慣習と文化、そ...

【ベネズエラ】世界の危険都市上位?首都カラカス

世界屈指の産油国にしてハイパーインフレーションに陥った南米の国ベネズエラ。かつて、スペイン植民地から独立へと導いた英雄「シモン・ボリバル」の生まれ育った街でもあ...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります