国の一部が地中海を臨むチュニジアは、アフリカ大陸にありながらもヨーロッパの雰囲気を強く持っています。その理由にはフランスの支配下にあったことと、遥か昔にローマ帝国によって支配されていた時代があったことが挙げられます。現在でもローマ時代に造られた施設が遺跡となって残っています。今回はその中でもローマ時代の雰囲気が漂う4つの世界遺産をご紹介します。
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【1】カルタゴ遺跡
カルタゴは紀元前9世紀~8世紀頃に築かれた都市国家で、貿易で栄えるもローマによって滅ぼされます。ローマ軍によってカルタゴの街は破壊されましたが、その後のローマ時代に建設された公共浴場、円形劇場、闘技場、貯水池などが遺跡として残り、カルタゴ遺跡として世界遺産に登録されました。
映画『テルマエ・ロマエ』の中に出てきて、知っている人も多くなった?ローマ時代の公共浴場・アントニヌスの大浴場。
こちらはカルタゴ遺跡の円形闘技場。次にご紹介するエル・ジェムの闘技場と比べると随分小さいですが、下に降りて地下通路の中に入ることもできます。
アクセスはチュニジアの首都チュニスの中心部からTGM(電車)で約30分。入場チケットは10ディナール(約380円)で、1枚でカルタゴ遺跡内の10カ所の遺跡に入場できます。チケットは各遺跡の入り口で購入できます。
遺跡の一つ一つは離れており、1日で歩いて全て回るのは難しいため、タクシーやツアーを利用すると効率よく回ることができます。
【2】エル・ジェムの円形闘技場
エル・ジェムの円形闘技場はチュニジア南東部にある街エル・ジェムに残されている円形闘技場。ローマに支配されていた3世紀頃に建設されました。
イタリア・ローマにあるコロッセオと比較すると規模は小さいものの、3階建ての観客席は3万5,000人を収容でき、保存状態も良く見応えは抜群です。
闘いの順番を待つ剣闘士や猛獣の控えの間がある地下通路も見学することができます。
アクセスはチュニスから約140キロ南に位置するスースから電車で約1時間。ルアージュ(乗合バン)でも行くことができます。入場料は10ディナール(約370円)、撮影料は1ディナール(約37円)です。
- エル・ジェムの円形闘技場
- チュニジア / 遺跡・史跡
- 住所:El Jem, チュニジア地図で見る
【3】ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡
ケルクアンはチュニジア北東部にあるボン岬の近くにあったカルタゴの都市。ローマに敗れたあと、カルタゴの多くの都市が徹底的に破壊されましたが、ケルクアンはほとんど破壊をされず残り、貴重な遺跡となっています。町の周辺にある墓地とともに世界遺産に登録されました。
人の形をしたタニトと呼ばれるマーク。カルタゴ、フェニキア人の豊穣の神様を表しています。
遺跡に併設されている博物館にも入場できます。
アクセスはチュニスからルアージュでケリビアまで行き(約2時間)、そこからタクシーで約20分。入場料は7ディナール(約260円)です。ケリビアは海がとっても綺麗なので、海水浴や綺麗な景色を楽しみたい方は早い時間に訪れることをおすすめします。
- ケルクアンの古代カルタゴの町とその墓地遺跡
- チュニジア / 遺跡・史跡
- 住所:Kerkouane、Kelibia 8090、チュニジア地図で見る
【4】ドゥッガ/トゥッガ
ドゥッガはチュニジア北部にあるアフリカ最大規模のローマ帝国の都市遺跡であり、当時は1万人ほどの人々が住んでいたそうです。チュニジアにある遺跡の中で最も保存状態が良く、圧巻のスケールと景色です。標高600mの小高い丘の上にあり、ローマ時代に建設された野外劇場や神殿、公共浴場など、点在するたくさんの遺跡を見ることができます。
3,500人を収容できる古代劇場。修復されているのは2割程度らしく、ほぼ原型をとどめている驚きの遺跡です。
キャピトルと呼ばれる神殿。そびえ立つ柱の高さは8mもあり、その迫力に圧倒されます。
アクセスはチュニスからルアージュでテブルスークまで行き(約2時間)、さらにルアージュまたはタクシーで約15分。この辺りは交通手段がなかなか見つからないため、降車の際には、観光が終わる時間に迎えに来てもらうようにお願いしましょう。入場料は7ディナール(約260円)、撮影料は1ディナール(約37円)です。