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国立霊廟(パンテオン)
コロンビアのサンタ・マルタで逝去したボリバルは、最終的にここへマリアとともに埋葬されました。厳粛な雰囲気のパンテオンは、地元の人や海外の観光客が英雄シモン・ボリバルを偲びに訪れます。
世界中に影響を及ぼしたシモン・ボリバル
死後200年近く経った今でも、シモン・ボリバルは世界中に大きな影響を与え続けており、様々な国・州・都市・街・街路・大学・公園・広場にその名を冠されています。
国名
ベネズエラ、ボリビアの国名の由来になりました。ベネズエラの正式名称は、「ベネズエラ・ボリバル共和国」です。
国際空港名
ベネズエラの空の玄関である国際空港は「シモン・ボリバル国際空港」です。
街の銅像
南米の多くの街角には解放者ボリバルの銅像が立ち並びます。
広場名
カラカスのボリバル広場とボゴタのボリバル広場は、それぞれ首都の中心に存在します。
カラカス中心部にあるボリバル広場は、ボリバルの活躍した時代に、ここで新憲法が読み上げられるなど、とても重要な広場でした。
- ボリバル広場(カラカス)
- ベネズエラ / 広場
- 住所:Plaza Bolivar caracas地図で見る
公園名
シモン・ボリバルの名前を冠した公園は、カラカスをはじめ世界各地に存在します。
通貨
ベネズエラの通貨単位はボリバルで、一番高価な500ボリバル紙幣の肖像画もボリバルです。南米解放の立役者であるミランダ、スクレも、それぞれベネズエラ・ボリバルの紙幣に描かれています。
- 出典:ja.wikipedia.org500ボリバルーボリバル(Billete de quinientos bolívares anverso enero 2018、photo by Jimmy Olano)
- 出典:ja.wikipedia.org200ボリバルーミランダ(Billete de doscientos bolívares anverso enero 2018、Photo by Jimmy Olano)
- 出典:ja.wikipedia.org50ボリビアースクレ(Billete de cincuenta bolívares anverso enero 2018、photo by Jimmy Olano)
人工衛星まで
中国の協力で打ち上げたベネズエラ初の人工衛星「ヴェネサット-1」は、シモン・ボリバルと名づけられており、ボリバル宇宙活動庁が運用しています。
ベネズエラの行き方
日本からの直行便はありませんので、中米メキシコを経由して行くルートが最も乗り換えが少ないです。
※アメリカからの直行便はありません。
ベネズエラの真と嘘
ベネズエラへ向かう前、筆者は様々なメディア、ブログからカラカスの情報を目にして警戒していました。しかし、幸運なことに実際のカラカスは、インターネットに流れるそれとはかけ離れており拍子抜けしてしまいました。
カラカスの治安は悪いの?
治安が悪化の一途を辿り、殺人事件の発生率も南米一などとする記事もありますが、実際に行ってみると特に他の国と比べて治安が極端に悪いという印象はありません。常識的な範囲で行動していれば問題はないです。
治安の悪さを指摘する記事についてですが、その方たちは実際に現地へ行っておらず、欧米系のメディアが載せた記事をそのまま引用しているか、又聞きしたフェイク情報をいかにも真実のように書いているだけのように思います。
ベネズエラは食料危機?
食糧危機事情を渡航前に知っていた筆者は、ベネズエラに着く前の国で食料を少し購入して入国しました。しかしその心配は杞憂に終わりました。首都カラカスのスーパーに食料品はあり、街にはカフェやレストランも多く、地元の皆さんはハイパーインフレとなっている通貨「ボリバル」ではなく、USドルやクレジットカードを使用して他国と変わらずの生活をしていました。物価も安いです。
ウサギやヤギの配給は本当?
カラカスで知り合った数人にウサギ配給の話を聞いたところ、「そんな話は聞いたことがない」と口を揃えていました。少なくとも首都カラカスでは、ウサギの配給などはなかったようです。
また、カラカス市民の平均体重が10Kg前後も減少し、人口の12%が栄養失調と発表されていましたが、筆者が市内をくまなく歩きまわった限りでは、著しく痩せている人やホームレスは見かけませんでした。もし平均体重の減少が事実なのであれば、そもそもが太り過ぎていたのではないかと思われます。
「百聞は一見に如かず」
フェイクニュースと事実のギャップも、旅の醍醐味ですね。
さいごに
『地球の歩き方』を見ると、ベネズエラ地方の大自然系には十数ページもの誌面が割かれていますが、首都カラカスはわずか2ページ。しかもそのうちの1ページは、飛行機の乗り換え方法と治安について書かれており、観光名所は簡素に1ページのみ。上述したように、カラカスは旧市街だけでも見どころは多く、素通りしてしまうのはもったいない都市です。
ベネズエラの人々は大らかで親切。実際に話すと人懐こい人柄が印象的です。経済的な問題とアメリカとの不仲で、ネガティブなニュースが多く、日本人にはあまり良い印象が持たれていないかもしれませんが、実際に訪ねてみると陽気な人々に癒される、文化的で美しい素敵なお国柄を実感いただけると思います。