日本の裏側、遥か遠いブラジルですが都心から2時間でブラジル気分を味わえる町があります。外国人の割合が人口の約18%を占め、その多くがブラジル人という群馬県大泉町。駅を降りたら、そこはもうブラジルです。
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群馬のブラジリアンタウン
大泉町は群馬県南東部の邑楽郡(おうらぐん)にある小さな町です。町には大手上場企業の工場がいくつもあり、企業は外国人の労働者を受け入れてきました。
ブラジル人が増加したのは、1990年に出入国管理法が改正され、3世までの日系ブラジル人とその家族を無制限に受入れる政策がスタートしたからです。それを機に同町はブラジル人を積極的に誘致してきました。人口4万人の町に外国人の割合が約18%。大泉町は日本で最も外国人居住率の高い自治体といわれています。
都心から2時間の大泉町
都内から大泉町に鉄道で行く場合、東武伊勢崎線の利用が便利です。東武線館林駅で東武小泉線に乗り換えて、終点の西小泉駅で下車します。新宿駅から約2時間。東武小泉線の本数が少ないのでお出かけの際は事前に調べて行かれることをお勧めします。
まるで異国のローカル線
東武線館林駅で東武小泉線に乗り換える頃から周囲は異国の人たちを多く見かけるようになります。旅のテンションは少しずつ上がることでしょう。東武小泉線の車窓はローカル線そのもの。牧歌的な風景のローカル線はまるで異国の田舎を旅する錯覚にとらわれるかもしれません。
終点の西小泉駅に着くと、多くの外国人がホームで電車を待っています。恐らくその多くの人がブラジル人でしょう。いよいよ日本のブラジルに来たと気持ちが昂るはずです。
ブラジルカラーにデザインされた駅舎、西小泉駅
駅で多くのブラジル人と遭遇し、驚くのも束の間、駅舎にもまたびっくり。なんと駅舎が黄色と緑のブラジルカラーにデザインされています。サッカークラブを彷彿とさせるエンブレムに、ブラジルカラーの駅名プレートが映えます。エンブレムに描かれた鳥はトゥカーノ。ブラジルを代表する鳥です。駅舎に隣接されたトイレもとても清潔ですよ。
- 東武線西小泉駅
- 大泉町(邑楽郡) / 駅・空港・ターミナル
- 住所:群馬県邑楽郡大泉町西小泉4-31-10地図で見る
- Web:http://railway.tobu.co.jp/guide/station/info/2707....
駅前のコンビニ的存在、「CANTA GALO」
改札を出て左手を歩き、ふと右側を眺めると目に留まるのが、「CANTA GALO(カンタガーロ)」と大書された看板。ブラジル食品をはじめ、ペルーなどの食品、更には南米の雑貨まで扱うコンビニ的なお店です。「CANTA GALO」とは歌う雄鶏という意で、看板にも鶏のシルエットが描かれています。
また、「CANTA GALO」に対面する店は八百屋さんです。名前も分からない野菜とともに、値札も全てポルトガル語。この駅前の風景だけで、気分はもうブラジルです。
- CANTA GALO
- 大泉町(邑楽郡) / スーパー・コンビニ
- 住所:群馬県邑楽郡大泉町西小泉4丁目24地図で見る
美しい日本の歩きたくなるみち500選に選ばれている「いずみ緑道」
西小泉駅の南にあるのはいずみ緑道です。今でこそ、西小泉駅は東武小泉線の終着駅ですが、戦前は仙石河岸線がその先に延びていました。1976年(昭和51年)に仙石河岸線が廃止され、その跡地にできたのがいずみ緑道です。噴水やオブジェがあちこちに飾られた公園の緑道で町民の憩いの場となっています。
なお、1994年(平成6年)には、読売新聞社選定の「新・日本街路樹100景」に選定、2004年(平成16年)には、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれました。ちなみに、いずみ緑道と併行するハナミズキ通りは「日本の道100選」に指定されています。
活きな世界のグルメ横丁
いずみ緑道では「活きな世界のグルメ横丁」と銘打たれたグルメイベントが毎月開催されています。ブラジル料理だけではなく、ペルーやネパール、ロシア、パラグアイといった世界のエスニック料理(開催月によって変更あり)が一堂に会するイベントです。開催は毎月第4日曜日。毎回サンバステージも催されるなど、「グルメ横丁」と合わせて大泉町を訪れると楽しみも2倍ですよ。