2018年に起きたキラウエアの大規模な火山活動によって生まれた、新しいビーチ「アイザック・ハレ・ビーチ・パーク」のご紹介です。溶岩に埋もれてしまったアハラヌイ・ビーチ・パークにも触れ、溶岩流の威力をお伝えします。
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消えたアハラヌイ・ビーチ・パーク!!
こちらは、かつてハワイ島東側パホア地区にあった、アハラヌイ・ビーチ・パーク。キラウエアの火山活動に起因する温泉が湧いており、海水と混ざって、さながら温水プールのような施設でした。無料で利用できるうえに、きれいに管理されており、日中はライフガードが常駐しているのでファミリー向けのビーチパークとして、地元の人たちの憩いの場となっていました。
ところが2018年の大規模なキラウエア火山の噴火により、このアハラヌイ・ビーチ・パーク一帯は全て溶岩流に飲まれてしまいました。パークへ続く道は、数キロ手前から広範囲に渡り溶岩流に覆いつくされ、痕跡も跡形もなくなっています。噴火後の写真を撮ることすら叶わず、自然のすさまじさにただただ呆然としてしまうでしょう。
姿を変えたアイザック・ハレ・ビーチ・パーク!!
アハラヌイ・ビーチ・パークがあった場所から2kmほど南下したところには、アイザック・ハレ・ビーチ・パークがあります。ヒロ国際空港から車で約1時間ほどのところです。
ここは、もともとあったビーチにキラウエア火山の噴火後、たった2週間でできた黒砂ビーチが加わったものです。ビーチの全長はとてつもなく長く、自然のすさまじさを感じるはず。溶岩でできた新しいビーチは、ガラスの破片のような鋭利な砂が多い場所もあります。裸足では危険なので、遊ぶ場合はマリンシューズが必要です。
海に続かないボートエントリー!
アイザック・ハレ・ビーチ・パークは、かつてはボートエントリーもできる場所でしたが、エントリーの先はため池になっており、もうここから海に出ることはできません。しかしながら地下で海につながっているようで、潮の満ち引きの影響を受けます。波がないので小さな子たちが遊ぶにはちょうどいいかもしれません。
またこちらのビーチパークにも溶岩流が流れてきたものの、全てが覆いつくされることはなく、ビーチでは迫ってきたであろう溶岩を間近に見ることができます。
こちらは道路を寸断するように溶岩が壁をつくっている様子。噴火当時は900℃~1,100℃という、想像を絶する温度で流れてきていた溶岩です。
その高さは3m以上におよび、ベンチやシャワーを簡単に飲み込んでしまう様子を想像することができます。溶岩の熱や有毒ガスで枯れた木々もあれば、噴火後にどこからともなく運ばれてきた種が新たに芽吹いたようで、パパイヤの木を見ることも。
溶岩の中からカンラン石を探そう!
溶岩をよくよく見ると、緑色に光るカンラン石を確認することができます。より美しい宝石レベルのものはペリドットと呼ばれており、8月の誕生石としても有名です。地核(地球の中心付近)の上部にあるマントル層の主要成分でつくられるこの石を、原石の状態でみることができるのは貴重な体験です。
おわりに
現在(2021年1月)のアイザック・ハレ・ビーチ・パークは遊ぶために行くというより、噴火のすさまじさや、自然の壮大さを体感しに行くのにおススメのスポットとなっています。ほんの数日で広いパークを飲み込んでしまう大自然の破壊力と、噴火から2年足らずで新しい息吹きを見せる再生力を同時に見ることができます。
ハワイでは、キラウエア火山の噴火は火の女神ペレの怒りの現れだという信仰があります。その場から溶岩を持ち去ると不幸に見舞われるという言い伝えもあるので、決して持ち帰ったりしてはいけません。自然に対する敬意をもって訪れたいところです。
- アイザック・ハレ・ビーチパーク
- ハワイ島 / ビーチ
- 住所:アイザック・ハレ・ビーチ・パーク / ポホイキ 12 HI-137 Pāhoa, HI 96778地図で見る