姫路市

【好古園】姫路城とセットがお得!美しい日本庭園

取材・写真・文:

兵庫在住
訪問エリア:44都道府県

2024年3月7日更新

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姫路城のすぐ隣にある「好古園」は、とても素晴らしい池泉回遊式庭園があるだけではなく、さまざまな庭があり、そこにある四季折々の自然をたっぷり時間かけて楽しめます。しかも姫路城の入場料とセットでとってもお得!

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姫路城のすぐ隣にある 【好古園】 とは

「好古園」と書いて「こうこえん」と読むこの園は、姫路城のすぐ西隣にあり、姫路城とは別の施設です。どのようなところなのか簡単に言えば、姫路城が建てられた頃の江戸の情緒を醸し出す 御屋敷日本庭園 が楽しめます。

これまでも、好古園は、時代劇や大河ドラマのロケ地としても使われているなど、本当に美しい日本庭園なのですが、好古園の魅力はただそれだけではありません。

さまざまな 特徴のある庭 が楽しめたり、原生林 が残ったままの景観や、春夏秋冬も楽しめ、約1万坪もある敷地内は一通り廻るだけでも、とても充実した時間が過ごせます。

そんな好古園の魅力を、わかりやすく、4つのポイントでご紹介します。

1:好古園が造られたワケ
2日本庭園は御屋敷から眺めてもよし、散策してもよし
3:様々な特徴ある庭がたくさん併設されていること
4:最後の4つ目は、姫路城とセットで超お得に入園できること!

1:驚き!好古園が造られたワケ

姫路城もそうですが、見た目の美しさだけではなく、なぜここが造られたのか、歴史的背景も知ると、もっと楽しくなると思うので、少しだけ好古園の歴史のお勉強をしませんか?

と言いつつ、実は、好古園は歴史的建造物とはちょっと違うんです。日本庭園という文化財の保全と活用を兼ねた、新しい文化の場として、市制百周年 を記念して、1992年(平成4年)に建造された、比較的新しい建造物です。

だからと言って、何もないところに、いきなり日本庭園を建てたわけではありません。ここに好古園を造ったのには驚きの発見があったのです。

サブタイトル 「姫路城西御屋敷跡庭園」 の意味

好古園 の公式サブタイトルは、姫路城西御屋敷跡庭園。これは、姫路城西にある御屋敷「跡」庭園ということになります。

そうなのです、「跡」に再建されたのです。どういうことなのでしょう?

日本には、文化財保護法により「特別史跡」に指定された場所がありますが、好古園のあるエリアもその一つ。何度となく、ここの発掘調査が行われており、7回にわたる調査で発掘された 遺構 が、酒井家時代の「姫路侍屋敷図」に記された古地図'' とほぼ合致していることが確認されました!

その遺構は、1618年に 本多忠政(徳川家康の重臣であり、徳川四天王の1人、本多忠勝の長男) が、この場所に造営した西御屋敷や武家屋敷のものです。

「姫路侍屋敷図」にもある遺構を再現

侍屋敷(さむらいやしき)とは、武家に属さない中級・下級武士が住む家のこと。古地図「姫路侍屋敷図」 は、身分によって住地を色分けしていて、すべての住人の名前を記しています。また、この地図は実測図で、土塁や堀、城門なども丁寧に描かれています。(姫路市HPもご参考まで)

その「姫路侍屋敷図」通りの遺構が発掘されたとあれば、それを活かさなければ!ということで、遺構をもとに御屋敷を再現するだけでなく、その地割を活かし、9つの趣が異なった庭園が楽しめる施設を作ろうということで、好古園が建造されたわけです。

2:日本庭園は御屋敷から眺めてもよし、散策してもよし

入場門をくぐると、さっそく目の前には緑豊かな光景が広がります。特に「このルート通りに」というものはなく、自由に散策できるのですが、一番最初に石畳に沿って御屋敷に向かうとスムーズに全体が廻れると思います。

発掘調査をしたということですが、調査時に切り倒されなかったと思われる木々は、とても年季が入っており、相当昔からあると思われます。

御屋敷のある建物に入るとすぐに、「レストラン活水軒」があります。

御屋敷の庭を眺めながら、お食事・喫茶が楽しめるとあって、とても人気があるので、ここで飲食をしたい場合は並ぶ時間も見ておいた方が良いと思います。覚悟が必須です。この日は筆者は14時ごろに行きましたが、それでも待っている方がたくさんいらっしゃいました。

レストランを過ぎると、外の渡り廊下に出て、だんだんと良い雰囲気になっていきます。

とても素敵な光景を見ながら渡り廊下を歩くのも、また楽しいです。そうこうしていると、御屋敷内に入っていきます。御屋敷と言っても、とてもオープンな造りです。

一番の見所「潮音斎」

「潮音斎」とは、御屋敷から眺められる、1番の見所です。中秋の名月を愛でるのに最良の方向に向けて建ててあるんだそう。姫路城の周辺にある 姫山原生林 が奥に映え、雄滝と大池の眺めは壮観です。

散策が楽しい「池泉回遊式庭園」

さらに御屋敷を通り抜けると、池泉回遊式庭園 の散策が楽しめます。池泉回遊式庭園とは、簡単にいうと、大きな池や泉を中心に、周囲をぐるっと回遊しながら散策できる庭園です。

ただ散歩道があるのではなく、景観がとにかく大事。 大きな池の中には、小さな島を設えたり、そこへ人が歩ける橋がかけてあったりします。

また、築山(小高い小さな丘のようなところ)や 名石 を置いたり、他の土地にある景勝地をモチーフにした庭造りも。広い庭ですし、ゆったり優雅に庭を眺めることもできるよう、休憩処としての 茶屋東屋 があるのも定番です。もちろん、木々や花々も優雅に設えてあります。

3:9つの特徴ある庭

好古園は、冒頭に紹介した通り、御屋敷の遺構を元に再構築されただけではなく、屋敷割や通路の地割を生かして、9つの庭で構成されています。1つは一番最初にご紹介した「御屋敷の庭」。その他に、8つもの特徴的な庭があります。

全て素晴らしいのですが、その中の4つの庭を写真でご紹介いたします。

苗の庭

御屋敷の庭を出ると、一番最初に目にするのが「苗の庭」です。ここは「庭」というより 栽培所 。とてもたくさんの種類の苗が栽培されています。

流れの平庭

御屋敷の庭のような壮大さはありませんが、穏やかな水の流れと木々や花を楽しめる、明るい庭園です。春は枝垂れ桜、夏はカキツバタや花菖蒲がとても綺麗なのだそう。筆者が訪れた秋には紅葉が綺麗でした。

歩き疲れたり、ゆったり景色を眺めたい方は、流れの岸辺にある東屋の「流翠亭」に座って寛ぐことができます。

松の庭

「松の庭」にある松の樹皮を見ると、どれもこれも、龍の鱗 のように立派です。この庭園は、瀬戸内海地方で美しい風景の アカマツ林 をイメージして造られたんだそう。

ここにも、小川のせせらぎがあり、穏やかな水の流れと松の光景が楽しめます。

竹の庭

日本の中で、これだけたくさんの種類の竹を、一度に見られる場所はなかなか無いのではないでしょうか。その庭が「竹の庭」です。全部で15種類もあるんだとか。ぜひ、15種類ずべて見つけてみてください。

中央にある東屋の「聞竹亭(もんちくてい)」は、八角の和傘をイメージしたデザインだそう。

また、ここは他の庭と少しイメージが違うなと感じるのは、おそらく、周囲が漆喰の屋根付きの壁「築地塀」に囲まれているから。まっすぐ上に伸びる竹と、築地塀の対比が 山水画 を思わせる風景を作り出しています。

その他にも・・・

夏木(落葉樹)いっぱいで新緑から紅葉まで楽しめる「夏木の庭」、江戸時代から親しまれた山野草のある「花の庭」、モミジやクロマツなどが映える典型的な日本庭園の「築山池泉の庭」があります。

また、9つの庭を散策していると、時折、姫路城の大天守が見られる写真スポットもあるので、その辺りも気にしてみるのも良いと思います。

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この記事を書いたトラベルライター

じっとしているのは耐えられない旅行好き&飲兵衛です
日本在住ですがアメリカで生活したこともあり、その時にすっかりアメリカ大陸の自然に魅了されました。それ以来、帰国しても日本の自然の素晴らしい場所をあちこち旅行するのが好きです。1児の母でもありますので、“子連れで行くとどんな旅になる?!”という視点も織り交ぜていろんな場所をご紹介できればと思っています。
http://blog.goo.ne.jp/makiko0213ha

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