「慰霊の日」とは、沖縄県が制定している記念日です。毎年6月23日は沖縄県内の市町村機関が休日となり、沖縄戦で亡くなった方々を追悼し、恒久平和を願います。前夜祭、平和行進、追悼式など、誰もが参加可能なイベントが多く開催されます。本記事では各イベントへの参加方法や注意点などを解説します。
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慰霊の日(いれいのひ)とは?
1945年6月に沖縄戦の組織的戦闘が終結したことにちなんで、アメリカ政権下の琉球政府および沖縄県が定めた記念日です。
これにより沖縄県では毎年6月23日「慰霊の日」に、糸満市に位置する平和祈念公園にて、沖縄全戦没者追悼式と平和行進が開催されています。6月22日には前夜祭もあります。
追悼式には沖縄県知事や内閣総理大臣が参加されたり、沖縄在住の生徒さんが心のこもった平和への想いを朗読するなど、全世界から注目される日となります。恒久平和を願い、県内県外からも多くの方が参列されます。
一連のイベントは誰でも参加可能となっていますので、沖縄の地で平和を祈願したいという方は、ぜひ現地へ訪問してみることをおすすめします。(平和行進については、事前申し込みが必要です。詳細は後述します。)
前夜祭とは?
6月23日「慰霊の日」に先立ち、前日の22日19時から前夜祭が開催されます。開催場所は、平和祈念公園内の「沖縄平和祈念堂」です。ここは、世界の人種や国家、思想や宗教のすべてを超越した世界平和のメッカとして、1978年10月1日に開堂しました。堂内には高さ12メートルの平和シンボル像があります。
前夜祭は誰でも自由に参列可能です。二部構成になっており、一部は式典(献火、献鐘、黙とう、献花など)、二部は琉球古典音楽の献奏と琉球舞踏の献納となっています。
6月22日と23日は、平和祈念公園内がキャンドルナイトで照らされます。特に「平和」と描かれた大きな文字が印象的です。ひとつひとつスタッフさんにより点灯されていきます。
また、毎年「平和の光の柱」が夜空に向かって照らされています。5本のサーチライトは、平和の礎に刻まれた日本、米国、英国、朝鮮半島、台湾の五か国の戦没者を表しているのだとか。
平和行進とは?
6月23日「慰霊の日」に開催される、平和行進をご紹介します。こちらは、沖縄戦で特に激戦区となった南部エリアを歩きながら慰霊するイベントです。
集合&スタート地点は糸満市役所です。受付管理されている方に名前を告げて、「平和慰霊行進」と書かれたゼッケンをお借りします。
ゴール地点は平和祈念公園です。ちょうどゴールする時間帯に追悼式が始まるようなスケジュールとなっていますので、平和行進→追悼式参加の順序になります。ゴールに到着したらゼッケンは返却します。
総歩行距離は9キロ程度で、2時間半程度かかります。6月とはいえ、沖縄はすでに真夏のような暑さです。体調管理には十分気を付けましょう。筆者が行進した際は、朝9時に出発し、11時20分頃の到着となりました。
主催者は沖縄県遺族連合会で、沖縄の地区ごとに分かれて行進していきます。一般参加の場合は、列の一番最後に並ぶよう指示がありますので、そちらに従いましょう。
ありがたいのは、平和行進のコース中に給水所が複数あるところです。お茶を下さったり、バナナを下さったりととても親切な配慮があります。空のペットボトルに直接お茶を注いでくれるような贅沢なサービスもありました。
ちなみにお手洗いはゴールまでほとんどありません。筆者は途中のコンビニで一度立ち寄りましたが、ほとんどないと思って挑戦しましょう。暑いなか長距離を歩くのは大変ですが、平和について想いを馳せるとてもいい機会となります。
沖縄全戦没者追悼式とは?
追悼式とは、毎年6月23日「慰霊の日」に平和祈念公園で開催されている平和式典で、沖縄戦で亡くなられたすべての方に黙とうを捧げ、恒久平和を願うものです。
正午の時報とともに黙とうを捧げるのが習わしとなっています。所要時間は約1時間です。
平和行進された方々が次々とゴールし始める頃、平和祈念公園内でも追悼式開始に向けて、続々と参列者が現れます。平和行進に参加された方は、専用の座席がありますので、一般席とは違った場所が用意されていることを覚えておくと良いかもしれません。
ちなみに平和行進なしで、追悼式のみ参加されたい場合は、お車での訪問は規制がかかるため、難しくなります。沖縄県庁から無料のシャトルバスが出ますので、そちらを利用しましょう。
余談ですが追悼式終了後に、沖縄タイムズより「慰霊の日特別号」と題して、新聞が配られていました。配布者の方にお声がけすれば頂けます。
「平和祈念公園」はどんな場所?
ここまでご紹介してきた、前夜祭と追悼式の開催地「平和祈念公園」についてご紹介しておきます。
「平和祈念公園」は、本島南部の沖縄戦終焉の地である、糸満市摩文仁(まぶに)の丘陵を南に望み、海岸線を眺望できる台地に位置しています。
広さは39.85ヘクタールもあり、広大な敷地です。沖縄戦終結50周年を記念して1995年6月23日に建設されました。
公園内には、沖縄戦の遺品等を展示した「平和祈念資料館」、沖縄戦で亡くなられた方々を刻んだ「平和の礎」、平和祈念像が安置されている「平和祈念堂」、戦没者の遺骨が埋葬された「国立沖縄戦没者墓苑」などがあります。
平和の広場には「平和の火」が灯されています。これは、沖縄戦最初の米軍上陸地である座間味村阿嘉島で採取した火、被爆地広島市「平和の灯」、被爆地長崎市「誓いの火」から分けられた火を合火し1991年から灯し続けた火を、1995年の慰霊の日に移したものだそうです。
- 平和祈念公園
- 糸満市 / 公園 / 一人旅 / 観光名所
- 住所:沖縄県糸満市摩文仁444地図で見る
- 電話:098-997-2765
- Web:http://kouen.heiwa-irei-okinawa.jp/