姫路市

日本が誇る世界遺産の城、姫路城で見るべき4つのポイント!

取材・写真・文:

トラベルライター

2021年3月2日更新

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日本に数ある城の中で、2017年2月現在、城単体としては唯一世界遺産に登録されているのが姫路城です。2015年、約5年の歳月をかけ「平成の大修理」と呼ばれた大天守の保存修理を終え、築城当時の美しい姿へと蘇りました。真っ白な大天守はもちろんですが、それ以外にも広大な城郭内には見どころが沢山!今回は、姫路城の魅力を知る上で見て頂きたい4つのポイントを紹介します。

この記事の目次表示

姫路城の歴史

姫路城は、南北朝時代に姫山に砦が築かれたことが始まりとされています。その後、約600年に渡り多くの歴史上人物にゆかりのある重要な城として存在し続けてきました。

豊臣秀吉時代の姫路城

元々、2014年の大河ドラマの主人公「黒田官兵衛」を生んだ黒田家の城でしたが、官兵衛の進言により1580年、中国征伐の拠点として豊臣秀吉が入城します。大阪城を築くまでの3年間、秀吉は姫路城の城主を勤めました。近世城郭の体裁が整い姫路城という名になったのもこの時です。

江戸時代以降の姫路城

関ケ原の合戦後、城主となったのは徳川家康の娘婿にあたる池田輝政。9年もの歳月をかけて城を大改築。現在我々が見る5重7階の大天守に、小天守を結んだ天守群と多くの門や櫓をもつ形式は、この時に築き上げられました。

  • 池田輝政によって完成した連立式天守

その後、250年に渡り本多氏、松平氏、榊原氏、酒井氏が城主を勤めました。

近世になり、1931年に天守閣が国宝に認定。戦時中、姫路の街は2度の空襲を受けますが奇跡的に姫路城は損壊を免れます。

そして、1993年、奈良の法隆寺と共に日本で最初の世界文化遺産に登録されました。

ここ最近では、2009年から2015年にかけて大天守の保存修理が行われ、築城時の真っ白な姿が見事に蘇りました。

【1】守りの堅さを表す21棟の門をくぐれ!

  • 菱の門
  • はの門

姫路城は入城口でチケットを買って、すぐに天守へ・・・という訳にはいきません。城下に東西の交通の要、山陽道を含み重大拠点となっていた姫路城。戦に備えて数々の工夫がなされています。その一つが、大小21棟にもおよぶ門。

これだけの門を敵の攻撃を受けながら突き進むにはどれほど至難の技か!防御面だけではなく、美しさも兼ね備えた門を一つ一つくぐって、天守へ向かいましょう。

  • 写真:トラベルライター十字紋の鬼瓦

「にの門」には、珍しい十字紋瓦が。これは、キリシタンだった黒田官兵衛ゆかりのものと言われています。

【2】築城当時の姿へと蘇った天守を間近で!

別名「白鷲城」という名にふさわしい真っ白な天守。この存在なくして姫路城は語れません。この美しい姿を次世代へ引き継いでいくため、2009年から「平成の修理」と呼ばれる大天守保存修理が行われました。

  • 写真:トラベルライター保存修理中の大天守
  • 写真:トラベルライター保存修理の様子

保存修理では、漆喰壁の塗りかえや屋根瓦の葺き直しなどが行われました。そして2015年3月、保存修理を終えた天守内部の公開が再開されました。外観の美しさもさることながら、現存天守(江戸時代、またはそれ以前に建設され、現在まで保存されている天守)の一つである内部も必見!

特に、「西大柱」「東大柱」の2本の柱。その長さは24.6m。地下から5階までの通柱で全国的にも珍しいそう。長年に渡り天守を支えてきたのかと思うと、思わず触れてしまいたくなります。

【3】個性的な石垣も見落とさないで!

城を支える上で重要な石垣。その中でも特に見どころとなる石垣スポットがあります。

扇の勾配

  • 写真:トラベルライター扇の勾配

「ぬの門」前にあるこちらの石垣。端の石は強度を高める算木積と呼ばれる積み方で、見上げるとまるで扇を広げたような曲線になっていることからこの名がついています。下から眺めた曲線美は、姫路城一です。

鏡石

  • 写真:トラベルライター

こちらも同じく「ぬの門」前にあります。ぱっと見ただけでは素通りしてしまいそうですが、正面に立ってよく見てみてください。石垣が人の顔をしているように見えませんか?

こちらの鏡石、偶然このような形になったのか、呪術的な意味が込められているのか、いまだに謎なんだそうです。

姥が石

  • 写真:トラベルライター姥が石

資材不足であった戦国時代。元々他の用途で使われていた石を石垣として再利用した「転用石」が多く発見されています。その一つが乾小天守の天守台の石垣にある姥が石

この石は、豊臣秀吉の築城時代、石不足に悩んでいたところ一人の貧しい老婆が足しにして欲しいと差し出した石臼。この話が広まり、城に寄付される石が増えたという言い伝えがあります。

【4】波乱の人生、千姫が過ごした西の丸にも足を延ばして!

  • 写真:トラベルライター

「西の丸」と呼ばれるエリアは、池田輝政の次に城主となった本多忠政によって増築されました。その息子、忠刻の妻となったのが、徳川家康の孫の千姫です。

元々千姫は、豊臣秀吉の息子である秀頼の妻でしたが、豊臣家が大阪夏の陣で滅亡。大阪城から助け出された千姫はその後、忠刻と再婚しました。

  • 写真:トラベルライター

その千姫の10万石もの化粧料(嫁入りの持参金)で建てられたのが、西の丸にある長局(百間廊下)化粧櫓です。10万石は現在の貨幣価値に換算すると40~50億とも言われます。想像を絶する額ですね。

長局は、長さ約240mにも及ぶ長さ。化粧櫓は、千姫が休息所として使用していたことからこの名がついたと言われています。

  • 百人一首に興じる千姫

忠刻との再婚後、子供にも恵まれ幸せな生活を送っていた千姫でしたが、長男の幸千代がわずか3歳で死亡。その5年後には忠刻も31歳の若さでこの世を去ります。その後、千姫は10年間過ごした姫路城を出て江戸へ戻ります。

化粧櫓には、百人一首を楽しむ千姫の姿が。波乱万丈の人生の中で、千姫にとってはここ姫路城で過ごした時代が、一番穏やかで幸せな時代だったのではないでしょうか。

さいごに

広大な敷地を持つ姫路城。見どころも沢山あり、一つ一つをじっくり見ていけばあっという間に時間が過ぎてしまいます。

また「100名城」「国宝」「世界遺産」と多くのタイトルを持つ姫路城には観光客が絶えません。時には大天守へ入場するまでに長蛇の列になることも。訪れる際は、時間に余裕を持ってたっぷりと城内を散策してみてください。

混雑状況を確認できる公式サイトもありますので、こちらもぜひ参考に!

姫路城大入実況

姫路城
姫路市 / 観光名所 / 城 / 桜の名所 / ツーリング / 世界遺産
住所:兵庫県姫路市本町68地図で見る
電話:079-285-1146
Web:http://www.city.himeji.lg.jp/guide/castle/

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