鹿部町は、渡島半島の付け根に当たり、噴火湾や太平洋という海の幸に恵まれた漁業の町です。でも実はそれだけではなく、泉源が30箇所以上もある北海道南地域有数の「温泉のまち」なのです。今回は「温泉のまち」としての存在感を存分に発揮している、鹿部町の道の駅しかべ間歇泉公園にある「間歇泉」について取り上げたいと思います。ちなみに鹿部町の間歇泉は、大正13年の温泉の試掘中に偶然見つかったものなんだそう。これはもう地球からのプレゼント!では早速、道の駅内の施設と合わせて、間歇泉をご紹介いたします。
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道の駅しかべ間歇泉公園
大正13年の温泉試掘中に偶然見つかった間歇泉は、平成11年4月に「しかべ間歇泉公園」としてオープンし、人気の観光スポットとなりました。さらにその後、平成28年3月には、「海の幸」と「温泉」にこだわった体験型観光施設として物産館、研修棟、蒸し処などを増設し、全体を1つの施設として「道の駅しかべ間歇泉公園」としてリニューアルオープンしました。
間歇泉、足湯、蒸し釜などの温泉を活かした施設を備えた、観光客が楽しめるユニークで魅力的な公園です。
只今、活動中!勢いよく吹き上がる間歇泉
物産館の奥にある間歇泉公園
間歇泉のある間歇泉公園は、道の駅内の物産館「鹿部・食とうまいもの館」の中に入口があります。間歇泉の見学は有料ですので、入口で入場料を支払ってから奥にお進みください。
この写真は、間歇泉公園内の2階の高さにある丘から撮ったものです。施設の向こう側に見えるブルーは、海と空の色です。しかべ間歇泉公園は、海沿いに建っているので、眺望が最高です♪
迫力満点!噴出高は約15メートル
ここの間歇泉は、約12分間隔で1回500リットル、約103℃の温泉が約15メートルまで噴き上がります。是非、吹き上がる熱水の勢い、しぶきの様子を動画で確認してみて下さい!
熱水の噴出口をアップで迫ってみました。この口から約12分間隔で勢い良く熱水が飛び出すのです。
風の向きに応じて、お湯?しぶきが宙を舞っています。
しかべ間歇泉の噴出高は約15メートルと、ビルでいうと5階くらいの高さに相当します。海が近いので、もし強風に煽られた場合、噴出した熱水がどの方向に行くか予測がつきません。そのため岩をイメージした壁と噴出を押さえる蓋で安全を確保するという、考えられた設計になっています。
間歇泉の仕組み
さて、この間歇泉は、どのように噴き上がって来るのでしょうか?その仕組みをご説明しましょう。
- 1.地中から上がってくる熱水が、温泉管からゆっくりとあふれている間、温泉管の底では熱水が水圧に抑えられた状態になっています。
- 2.やがて熱水は上昇を始め、水圧の低い場所まで来ると沸騰し始めます。
- 3.沸き出す熱水の量はどんどん増加し、本格的な沸騰を始めた熱水は勢いを増して空高く噴き上げます。
- 4.しかし、しばらく噴き上げると、その勢いに熱水量が追いつかず水位が下がるために噴き出せなくなり、沸騰も終わります。その後、ゆっくりと上ってきた熱水があふれ出し、沸騰・噴き出しが繰り返されるのです。
道の駅内の施設紹介
1.足湯
公園内に噴き出した温泉を利用した足湯があります。神経痛や冷え性等に効能があり、ファミリーやカップルなどからも人気のスポットとなっています。タオルの無料貸出もありますので大変便利です。
ここに座ると正面が丁度、間歇泉が噴き出す絶好の観覧ポイントです。
足湯は、2人分横並びで腰掛けが用意されています。また、鹿部町の温泉に関する逸話や泉質などの紹介もあり、近現代史の勉強にもなります。
2.眺望の館
間歇泉を囲む壁の2階部分である「眺望の館」では、空高く噴き上げる突き上げるような間歇泉を間近に見ることができます。駒ケ岳や噴火湾が望め、さらに天候の良い日は羊蹄山や室蘭市も眺望できます。間歇泉が噴出すると、この通路のところまでしぶきが飛んできます。しぶきを浴びてみたい方には、お勧めの場所ですよ♪
※しぶきは、空気で冷やされ、拍子抜けするくらい冷たいです(笑)
眺望の館では、写真右壁の窓から間歇泉を眺めることができます。