兵庫県宝塚市にある中山寺は、代々皇室や武家から庶民にまで信仰されてきた、子授けや安産のご利益があるお寺です。境内にエレベーターやエスカレーターが設置してあり、妊婦さんやベビーカーに乗ったお子さんと一緒でも移動がしやすいバリアフリー仕様!2017年に再建されたばかりの真っ青な五重塔をはじめ、境内には極彩色のお堂が並びアーティスティックな印象も与えます。今回は、古い歴史を持つ一方で、現代の参拝者のため変化を続ける中山寺の見どころをご紹介します。
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子授け・安産の寺、中山寺
中山寺の歴史は古く、聖徳太子が創建した日本で最初の観音霊場です。奈良時代には高野山や比叡山に匹敵するほどの大規模な寺院であったと伝えられています。
ご本尊は、インドの国王妃シュリーマーラーが女人救済を願い、自らの姿を彫ったと言われる十一面観世音菩薩。毎月18日に御開扉されその姿を拝むことができます。
そのご本尊は、とりわけ女性の懐胎・分娩の苦を取り除くと言われ、古くから子授け・安産のご利益があると信仰されてきました。豊臣秀吉もここで祈願したことで、息子秀頼を授かることができたとか!
また明治天皇のご生母である中山一位局が、こちらで腹帯「鐘の緒」を受け明治天皇を平産されたことで、一段とその名が広がり全国から参拝者が訪れるようになりました。
エレベーター、エスカレーター設置で妊婦さんも安心!
安産祈願をはじめ、お宮参りや出産後の母子息災祈祷も受付しているため、妊婦さんや、小さなお子さん連れの家族が多く来られる中山寺。
そんな方たちも移動がしやすいよう、境内にはエレベーターやエスカレーターが設置されています。お子さんからお年寄りまでこれなら負担なく参拝できますね。その他、ベビーシートや授乳室、おむつ替え台もあり、お母さんたちにとってありがたい設備が整っています。
まるでアート作品!色とりどりの伽藍
創建は約1,400年以上も前と古いのですが、幾たびの戦火や天災に見舞われ、その度に伽藍が再建されてきました。現在の伽藍の多くは昨今修復・再建されたため、色彩が非常に鮮やか。極彩色に彩られた建造物は、アートとしても楽しめますよ。
山門
寺の入口となる山門は、1648年に徳川家光によって再建されたもの。「望海楼」ともいわれ、昔はこの山門の上から海を見ることができたそうです。またこちらの山門横に初参り(宮参り)の受付所があります。
門の両側の仁王像も、元々は山門と同時期に造られたもの。彩色等の痕跡などを細かく調査し、当時の姿に復元修正されています。
守本尊
生まれ年の干支によって、守本尊と言われるご縁のある仏様がいるのをご存知でしたか?山門から本堂までの参道に、この守本尊が祀られていますので、ぜひご自身の干支と縁のある仏様を参拝しましょう。
本堂
本尊の十一面観世音菩薩が祀られているお堂。約400年前に豊臣秀頼によって再建され、その後数度の修復を経て、現在の姿になっています。
お堂の外側壁面やだけでなく内部も色彩豊かに彩られています。江戸時代中期に施された彩色を再現し、様々な動物や霊獣が描かれています。
五重塔
境内の中で、一際真っ青に輝く建造物がこちらの五重塔。それもそのはず。約400年ぶりに平成29年に再建されたばかり。五重塔としては珍しい青色は、東方を守護する青龍をイメージしています。地下にはネパールから譲り受けた仏舎利(お釈迦様の遺骨)が納められています。
大願塔
大日如来が祀られている多宝塔。平成19年に再建されました。かつて建てられていた塔の図面などが残っていなかったため、和歌山県根来寺の多宝塔を参考に造られたそうです。
閻魔堂
西国三十三所巡礼の第二十四番札所でもある中山寺。この西国巡礼は、長谷寺の徳道上人が病にかかった際、閻魔大王から三十三所の観音霊場を広めるよう命じられたことに始まると言われています。
しかし、当初巡礼は人々に広まることがなく、上人はここ中山寺に閻魔大王から授かった宝印を納め、機が熟するのを待つことにしました。その縁起により、ここに閻魔大王が祀られています。
五百羅漢堂
外観はシンプルですが、中に入ると真っ青な天上とそこに描かれた種字(仏教の諸尊を梵字一文字で表したもの)、そして釈迦如来像を中心に、ずらっと並んだ700体以上もの五百羅漢像。
「親兄弟の 顔が見たくば 中山寺の 五百羅漢の堂にござる」と詠まれた古歌もあるそう。自分や家族に似た羅漢像、ぜひ探してみてください。
- 中山寺
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- 住所:宝塚市中山寺2丁目11-1地図で見る
- Web:http://www.nakayamadera.or.jp/