大人が歩く民話の世界【岩手】遠野の立ち寄りスポット15選

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• 『遠野物語』とは
• 【1】遠野駅
• 【2】遠野駅前ロータリー
• 【3】旅の蔵 遠野（遠野市観光協会）
• 【4】とおの物語の館
•    柳田國男展示館＆旧柳田國男隠居所
• 【5】鍋倉公園（鍋倉城跡）
• 【6】遠野市立博物館
• 【7】常堅寺（じょうけんじ）
• 【8】カッパ淵
• 【9】かっぱの茶屋
• 【10】伝承園
• 【11】遠野郷八幡宮
• 【12】高清水（たかしみず）展望台
• 【13】道の駅 遠野風の丘
• 【14】五百羅漢（ごひゃくらかん）
• 【15】卯子酉（うねどり）神社
• 持続可能な観光地域として1位入賞
• この記事を書いたライターから一言

『遠野物語』とは

• 写真：Olive

民俗学者の柳田國男が、1910年（明治43年）に刊行した書籍です。岩手県遠野地方に古くから伝わる逸話や伝承などを調査し、まとめた書籍です。カッパや座敷わらしなど全国的に有名なものなど、まさに日本昔ばなしの世界ですが、決して子供だけの世界ではなく、岩手の風土や慣習が育んだものや地域に根差した文化を感じさせてくれます。

【1】遠野駅

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遠野駅は、1914年（大正3年）4月に開業した釜石線の駅で遠野市の中心部にたっています。この駅舎は、国内では珍しい建築様式で硬質コンクリートブロック造りです。2002年（平成14年）には、ヨーロッパの建築様式を取り入れた重厚な石積み風の外観が評価されて東北の駅百選にも選ばれています。

【2】遠野駅前ロータリー

• 写真：Olive
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民話のふるさとらしい趣は、観光客を出迎える遠野駅前から始まります。駅隣の交番は建物全体が大きなカッパの顔にデザインされており、 駅前の信号機の上には座敷わらしの像がちょこんと立っています。駅前には小さな池があり、赤いカッパたちが何やら楽しそうです。

【3】旅の蔵 遠野（遠野市観光協会）

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駅前にたつ観光案内所では、レンタサイクルの貸出しも行っています。館内には、遠野の銘菓や地酒を取り扱っているお土産コーナーもあります。市内に土産店は少なめなので、覚えておくと良いでしょう。

【4】とおの物語の館

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かつての酒蔵を改装した昔話蔵や『遠野物語』の著者・柳田國男展示館などが併設された複合施設です。遠野に伝わる民話や日本の昔話を音と映像を使って体感的に楽しむことができます。

• 写真：Olive

様々な仕掛けがあり、昔話をゲーム感覚で楽しめるので、小さなお子様はもちろん大人も童心に帰って楽しめます。

柳田國男展示館＆旧柳田國男隠居所

• 写真：Olive

展示館となっている建物は、旧高善旅館・柳翁宿（りゅうおうじゅく）で、柳田國男をはじめ、折口信夫などが宿泊し、民俗学調査の拠点になったと言われています。

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現在は、国指定有形文化財に登録されています。隠居所は、東京都世田谷区成城にあった柳田國男が妻と過ごした建物を移築したものです。本棚に詰め込まれた多くの書籍や家具などが、当時を偲ばせます。

【5】鍋倉公園（鍋倉城跡）

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県内屈指の大規模な山城跡で、国の史跡に指定されています。古くは横田城と呼ばれていましたが、後に鍋倉城となりました。寛永4年（1627年）から南部直栄が鍋倉城を本拠地として、250年統治されました。公園がある鍋倉山の中腹には、明治15年から創建された遠野南部家をご祭神とする神社が鎮座しています。

【6】遠野市立博物館

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国内屈指の民俗専門の博物館で『遠野物語』の世界を豊富な映像やジオラマ、実物資料で紹介しています。民話を題材にした映像作品「水木しげるの遠野物語」や「ザシキワラシ」のアニメは、ここでしか見ることのできない貴重な作品で、多くの来館者に人気だそうです。

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『遠野物語』をよく知らなくても、最初にここを訪れることで物語への理解が深まりそうです。

【7】常堅寺（じょうけんじ）

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1490年（延徳2年）に開山した曹洞宗のお寺です。境内には、頭部に円形状のくぼみがあり、そこに水が溜まるとカッパの皿のように見えることから「カッパ狛犬」と呼ばれる狛犬があります。

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その昔、寺が火事になったとき、川に住むカッパが火消しを手伝ってくれたことから祀られるようになったと言い伝えられています。

【8】カッパ淵

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常堅寺の裏手にカッパ淵と呼ばれるスポットがあります。うっそうとした茂みに覆われ、清流の音だけが聞こえる一帯は、いつカッパが現れてもおかしくはない雰囲気です。

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カッパ淵の岸辺には、2体のカッパ像と乳神を祭る祠があり、子供を持つ女性のお乳が出るように願かけすると叶うと言われています。近年、カッパには懸賞金がかけられており、カッパを捕獲して仲良く遠野テレビに行くと、賞金1千万円がもらえるとか。

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ただしカッパを捕獲するためには、「カッパ捕獲許可証」が必要で、許可証は道の駅や観光協会、伝承園等で手に入れることができるようです。カッパを捕獲するための釣り竿も置いてあるので、竿を垂らしてのんびり過ごすのも楽しそうです。

【9】かっぱの茶屋

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カッパ淵と伝承園をつなぐ散歩道にたつ小さなお茶屋さん。座敷わらしの好物だと言う小豆をたっぷり使用した「座敷わらしソフトクリーム」が名物です。

【10】伝承園

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• 出典：iwatetabi.jp公益財団法人 岩手県観光協会

遠野地方に古くから伝わる民話の世界を体感できる施設です。国の重要文化財の曲り家や養蚕の神様であるオシラサマを祀る御蚕神（オシラ）堂などが見学でき、遠野の歴史と信仰を感じられるスポットです。

【11】遠野郷八幡宮

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岩手で、唯一の出雲大社の御分霊をうけた神社であることから、縁結びのパワースポットとして有名です。ご祭神として、大国主神（おおくにぬしのかみ）など5柱を祀り、商売繁盛、病気平癒ほか多くのご利益があるとされています。『遠野物語』に登場するゴンゲサマ（権現様）を祀る神社でもあります。

【関連記事】猫神社に広大な馬場【岩手】遠野郷八幡宮の魅力

【12】高清水（たかしみず）展望台

• 出典：iwatetabi.jp公益財団法人 岩手県観光協会

四方を山に囲まれた標高797.7mの高清水山の展望台からは、その昔、湖だった頃の遠野盆地が見渡せます。雲海は気候、気温等すべての条件がそろわないと眺めることができませんが、10月～11月には雲海の発生確率が高くなります。息を飲むような神秘的な光景が目の前に広がる景色を一度は見てみたいですね。毎年12月上旬～5月上旬は冬季通行止めとなります。

【13】道の駅 遠野風の丘

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遠野ICを降りてすぐの遠野盆地を見下ろす小高い丘の上に立つ道の駅は、遠野観光の拠点となる場所。遠野の銘菓や民芸品に工芸品、地酒や旬の野菜に果物など豊富に揃っています。併設されたレストランでは遠野名物のジンギスカンやひっつみ汁なども頂けます。

【14】五百羅漢（ごひゃくらかん）

• 出典：iwatetabi.jp公益財団法人 岩手県観光協会

1755年（宝暦5年）の洪水に加えて悪疫が蔓延し、以後数年にわたる凶作の被害は、藩全体で餓死と病死者が6万人を超えました。遠野領内でも被害が大きかったようです。1765年（天明3年）大慈寺の義山（ぎざん）和尚が、死者の魂を鎮魂するため、大小500の自然石に阿羅漢像を彫り続けました。自然石に線画で彫られたものは全国的にも珍しく、苔むした五百羅漢はひっそりと山の奥で佇んでいます。

【15】卯子酉（うねどり）神社

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愛宕山の麓に鎮座し、縁結びの神様として知られている卯子酉神社。小さな祠で地元では卯子酉様と呼ばれています。神社前には願い事が書かれた赤い布が多数結ばれているため、荘厳な雰囲気が感じられます。

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かつて境内にあった淵際に片葉の芦が生えており、芦の葉に恋の願いを書いた紙を結びつけておくと恋愛運に恵まれたとの伝説が残ります。そんなことから、境内にある無人売店で赤い布を買い、利き手ではない方で願い事を書き、利き手ではない方の片手だけで結ぶと願い事が叶うと伝えられています。

持続可能な観光地域として1位入賞

遠野市は、2024年にオランダの国際団体グリーン・デスティネーションズが選出した「世界の持続可能な観光地トップ100」で、文化・伝統部門の1位に輝きました。遠野市独自の地域遺産制度「遠野遺産」が優れた事例として認められたそうです。

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遠野市では、2025年3月現在、有形、無形、自然、複合あわせて169の遺産が認定されています。今回ご紹介しているスポットの中で、鍋倉城址、かっぱ淵、伝承園、五百羅漢、卯子酉神社が遠野遺産に登録されています。

この記事を書いたライターから一言

• 写真：Olive

民話のふるさと「遠野」は、自然豊かで、どこか懐かしい風景が広がります。山の神に水の神、座敷わらしやカッパなど、自然への畏敬の念や感謝、信仰や祈りから生まれたのかもしれません。それらの気配のする家には幸福が訪れ、逆にいなくなると没落するとの言い伝えが今も息づいているそうです。家に住んでほしい妖怪など、身近で愛される存在なのだと感じました。不思議で楽しい遠野の旅をぜひ楽しんでいただければと思います。（olive）