和歌山県と大阪府の県境にほど近い場所に位置する加太(かだ)は、古い建物や史跡が残る歴史ある港町です。今回は、南海加太線の終着駅である「加太駅」から徒歩で海岸を目指し、お寺巡りやグルメを楽しむ小旅行へご案内します。
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加太ってどういう町?
加太は、和歌山市の北西にある港町。水質のよい紀淡海峡の好漁場に恵まれ、鯛の一本吊りなど、魚釣りのメッカでもあります。加太は古くから水陸交通の要所であったため、役行者の修行の場や、大名の参勤交代の道に利用されるなどして栄えてきました。
また加太から見渡せる紀淡海峡の美しい海岸線は、万葉の時代に詩が詠まれるほど。美肌効果のある天然温泉もあり、女性に人気があります。
可愛らしい南海線の「めでたいでんしゃ」に乗ろう!
和歌山市駅から終点加太駅までは、南海線の"加太さかな線"に乗ります。ここでおすすめなのが、ピンクの車体が可愛らしい「めでたいでんしゃ」です。
車内には加太名物の「タイ」をモチーフにしたデザインが散りばめられており、座席シートやつり革などにも沢山のタイが。その所々に隠れているハートの形を探してみるのも楽しいです。
平日・土日で運行ダイヤが異なるので、事前にダイヤを確認し、是非この「めでたいでんしゃ」に乗ってみてください。
- 加太さかな線 めでたいでんしゃ
- 和歌山市 / 乗り物
- 住所:和歌山県和歌山市~加太地図で見る
- Web:http://www.nankai.co.jp/kada/medetai.html
のどかな雰囲気の南海線加太駅
和歌山県最西端の駅である加太駅の歴史は古く、明治45年の開業当時からほとんどその姿は変わっていないそうです。開業当時、駅の屋根に乗っていた「とんがり」が駅のホームに展示されており、その風合いからも歴史を感じます。
- 南海線 加太駅
- 和歌山市 / 駅・空港・ターミナル
- 住所:和歌山市加太1038番地1地図で見る
- 電話:073-459-0029
- Web:http://www.nankai.co.jp/traffic/station/kada.html
加太駅~港まで、徒歩で巡る観光スポット
淡路島、四国や九州への交通の要所として栄えてきた加太には、昔の建物や史跡などのほか、お寺や神社など歴史ある建物がいくつもあります。人々が盛んに行き交う栄えた港町であった証ですね。港まで散策しながらちょっと寄り道してみましょう。
有形文化財の「旧加太警察署庁舎(中村家住宅主屋)」
現在は登録有形文化財となっている「旧加太警察署庁舎」は、加太駅から徒歩3分の場所にあります。木造2階建てで、大正10年(1921)頃に建てられたものです。
加太の人口増加により警察署が移転になり、その後昭和39年に中村清文氏が建物の所有権を得て、独身寮や民宿を営んだそうです。
淡嶋街道の道しるべ
大和の人々が淡路島や四国へ渡るときに通ったという重要な道「淡嶋街道」には、"道しるべ"が今も残っています。現代ではスマホで地図を見ながら行けますが、昔の人々はこういった道しるべを頼りに旅に出ていたんですね。
神秘的な樹木に出会える「常行寺」
加太駅から徒歩5分ほどの場所にある消防署前の道しるべを右へ行くと、左手に「常行寺」が見えてきます。境内の中からは、柏槙(ビャクシン)というヒノキ科の常緑針葉樹が顔をのぞかせています。
常行寺にあるこのビャクシンは樹齢推定400年で、幹周り4.7m、樹高13mもあり、県指定文化財の天然記念物になっています。この樹形が面白く、幹がくるんくるんとねじれているんです。
台風の被害などで、現在は南側の部分にのみ緑葉を残しているのですが、その緑葉部分の緑色と、枯れてしまった白色の部分のコントラストも魅力的に感じます。
絶景が楽しめる「役行者堂」
加太駅から徒歩10分ほど歩いた高台にある「役行者堂」。修験道の開祖といわれている役行者(えんのぎょうじゃ)という呪術者が修行を積んだ場所だそうです。
ここから望む加太湾の景色は最高なのですが、石段を117段登っていくので結構きついです。途中休憩を入れながらゆっくり登りましょう。
パワーをもらえる淡嶋神社
役行者堂から港の方角へ、風情のある細い道を進んで行くと、正面に海が見えてきて、その左手に「淡嶋神社」の大きく色鮮やかな朱色の鳥居が表れます。
淡嶋神社は、全国にある淡島神社・粟島神社・淡路神社の総本社として、和歌山県内でも歴史の古い神社で、日本を創造したと伝えられている少彦名命(すくなひこなのみこと)と大己貴命(おほなむじのみこと)が、加太の沖合にある友ケ島に祀られたことが始まりだと言われています。
毎年3月3日には、お雛様を船に乗せて加太の海に流す「雛流し」が行われたり、婦人病改善や安産祈願、恋愛成就などのご利益があるとして、女性に人気のパワースポットとなっています。
- 淡嶋神社
- 和歌山市 / 女子旅 / 神社 / パワースポット / 穴場観光スポット / 縁結びスポット / ツーリング
- 住所:和歌山県和歌山市加太118地図で見る
- 電話:073-459-0043
- Web:http://www.kada.jp/awashima/
この他にも加太には光源寺や稱念寺、阿弥陀寺、観音寺、大師堂など、沢山のお寺がありますので、立ち寄って参拝してみてはいかがでしょうか。
美しい海岸線が望める「加太港」
ゆっくり散歩をしながら、加太港に到着です。加太港には沢山の漁船が停泊しており、港の向こう側には紀淡海峡の美しい海岸線が望めます。
加太のおすすめグルメ!
キシモトのあげパン
加太のおすすめグルメを紹介しましょう。加太駅から徒歩7分ほどの2つめの道しるべを左へ曲がると、あげパンが美味しい「キシモト」があります。看板などは特になく、クリーム色の建物が目印です。
お店のおばあちゃまが「11:30頃来たら揚げたてだよ」とおっしゃっていたので、時間を見計らって再度来店。あんこの入った、まあるいパンに砂糖がまぶしてあり、サックサクでとっても美味しいですよ!揚げたての時間帯を狙っていくのがおすすめです。
小嶋商店のよもぎ餅
役行者堂入口の少し手前にある「小嶋商店」のよもぎ餅もおすすめです。
加太の山林から摘んできた天然のよもぎで作っているので、香り豊か。お餅も柔らかく、しっとりしています。甘さ控えめで、何個でもいけちゃいそうです。
加太おさかな創庫
加太の港にある「加太おさかな創庫」では、紀淡海峡でその日獲れた新鮮な魚介類を販売している「昼市」もありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
温泉に入って美人肌になろう!
加太の町には温泉もあります。豊富に含まれる重曹泉の効果で、しっとりスベスベになる泉質が特に女性に人気です。
日帰りプランでも美味しい海の幸を堪能できる
筆者は「加太淡島温泉大阪屋 ひいなの湯」で、昼食付日帰り温泉のプランを利用しました。温泉からの絶景を堪能し、とれたてピチピチのお魚のお造りや、加太名物の鯛のしゃぶしゃぶなどを堪能できます。
- 加太淡嶋温泉大阪屋ひいなの湯
- 和歌山市
- 料金(目安):5,400円〜61,428円
- 宿泊時間:15:00〜10:00
- 住所:和歌山県和歌山市加太142地図で見る
- Web:http://www.hiina.com/
まとめ
加太駅を出発して、加太港までのんびり散策しながら歩いて片道約1時間ほどの小旅行。どこか懐かしいノスタルジックな町並みを歩き、温泉で温まって新鮮な海の幸を味わう。とっても贅沢な一日が過ごせる加太の町は、ほっこりのんびりと旅がしたい時にお勧めの場所です。