名護市の住宅街の一角にある「ひがし食堂」は、島ぞうりを履いた近所の人や学生がぶらりとやってくる、そんな光景が一日中途切れることのない老舗の食堂です。着飾らない沖縄の家庭料理だけではなく、ふわっふわのかき氷も人気!
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老舗の沖縄家庭料理店【ひがし食堂】
沖縄本島には「食堂」と名のつくお店がたくさんあります。もちろん、フランチャイズチェーン展開している食堂などではなく、1店舗しかないオリジナル。
どの食堂も基本的には観光客目当てではなく、“地元の人がふらっとやってくる” 雰囲気のお店。メニューも凝ったものはなく、沖縄の家庭料理ばかりです。
でも、一言で「家庭料理」と言っても、そのお店ごとに味は異なります。我が家の炒め物とお隣さんの炒め物は、具材も味付けも違う…という感じですね。それぞれに個性がある、だから同じメニューでも違いが面白いんです。最近ではそのような食堂が観光客の目には新鮮に映り、地元の人だけではなく様々な人が訪れるようになってきました。
その食堂の一つで、名護で人気が高いのが【ひがし食堂】さん。
大通りから少し奥に入った、閑静な住宅街にある一軒家のお店で、創業から40年以上も営業を続けている老舗です。
車で来る場合、専用駐車場はお店の左手にありますが、3台しか停められないので、空いてたらラッキー!休日のお昼は外に行列ができることも多いので、満車の場合は近くのコインパーキングを利用しましょう。
食堂らしい、くつろげる空間
お店の中に入ると、なんとも懐かしいような空間が広がっています。椅子の席と畳の小上がりがあり、どちらも4人掛けのテーブル席が4つ。お店に入ってすぐの所には雑誌や新聞が置かれていて、自由に手にとって席で読みながらくつろげるのも、まさに「食堂」らしいですね。
また、店内の壁には色々なチラシや絵が飾られていて賑やかなのですが、雑多な感じではありません。料理の短冊も良い雰囲気を出しています。もちろん、各テーブルにある卓上メニューにも短冊と同じラインナップが書かれていますが、この短冊が貼ってあるだけで、なんだかホッとしてしまいます。
そんな壁を眺めているだけでも待ち時間潰しができるのですが、その一角には有名人のサイン色紙もいっぱい。古い日付のものからつい最近のものまであります。名護ではとても人気の食堂、と言われるのも納得です。
沖縄独特!「沖縄ちゃんぽん」や「味噌汁」
卓上のメニューを見ると、沖縄らしい「沖縄そば」や「チャンプルー」に混ざってあるのは、どこにでもあるような料理…と思いきや、やっぱりここは沖縄、聞いたことある料理でも実際は異なるものもあります。
その一つが「チャンポン」700円。ちゃんぽんと言ったら「長崎ちゃんぽん」、野菜たっぷりのあんかけ麺を思い浮かべますよね。でも沖縄のちゃんぽんは違うんです。
スプーンが添えられてくる時点で「え?」と思うかもしれませんが、まず上にかけられているのはあんかけではなく、肉野菜炒めの玉子とじ。
そして、スプーンで玉子とじを掻き分けると、出てくるのは麺ではなく お米 なのです! お米は炒めていないのでチャーハンとも違い、つゆだく 。お米に味が染みわたっています。言ってみれば、肉野菜炒めの玉子とじ丼!?これが「沖縄ちゃんぽん」です。
ひがし食堂さんの「チャンポン」は、具材に沖縄ならではの からし菜 や ポークランチョンミート が入っているのも独特ですね。もちろん食堂によって具材は変わってくると思います。
もう一つ、メニューを見ていて違和感あるものがありませんか?
それは「味噌汁定食」。味噌汁で、チャンポンと同じ 700円 ですよ?!
ひがし食堂さんは観光客も多いからか、親切に「定食」とありますが、「味噌汁」とだけしかメニューに書かれていない食堂もいっぱいあります。普通、味噌汁は定食では脇役。上の沖縄ちゃんぽんにも味噌汁が小さなお椀に添えられています。でも、沖縄のお店で「味噌汁」というメニューがあったら、普通の味噌汁とは全く異なるものに。
「味噌汁定食」の味噌汁は、とにもかくにも具材がたっぷり!丼サイズの大きなお椀に入って出てきます。その具材も食堂によって、お肉、魚、豆腐などなど特徴がありますが、野菜はどこもふんだんに入っているよう。これも、昔からある沖縄の家庭料理なんです。
ふわっふわのかき氷
ひがし食堂さんには、食事以外にも名物があります。それは かき氷 。かき氷だけで、その種類の豊富もさることながら、ほとんどの方が食べています。また、かき氷はテイクアウトができるので、それ目当てで来る方も。
壁にも、堂々と人気ベスト5 が貼られています。1位から、ミルクぜんざい、イチゴミルク、ぜんざい、三色みぞれ、宇治ミルク金時。ひがし食堂さんでは ぜんざい になる金時豆にとてもこだわっているんだそう。
こちらは人気No.2の「イチゴミルク」390円。どどーん!と山盛りで出てきます。わかりますでしょうか、このボリューム!驚きなのは 氷がふわっふわ。かなり本格的なかき氷です。
人気No.4の「三色みぞれ」350円 は、いちご、メロン、レモンが一度に味わえます。定食をしっかり食べた後、このかき氷を食べると、お腹がはちきれそうになるに違いありません(笑)。
本格的なふわふわかき氷でボリューム満点なのに、ぜんざい300円に始まり、一番高い三色ミルク金時でも500円と、とっても安いのに驚きです。これぞまさに “食堂価格” 。
最後に・・・
メニューはよく見るものばかりかもしれませんが、味付けだったり、食材だったりと、食べてみると沖縄独特の食文化が垣間見えるのは、旅をしていて楽しい一面でもあります。皆さまも、地元のお客に混じって、「食堂」ならではの肩肘張らない雰囲気でのなかで、まったりしたひと時をお楽しみください。(参考までに、上の写真はオムライス720円。めちゃくちゃボリューム満点です)