新潟・燕三条・弥彦

物づくりの町【新潟・燕三条】お勧め工房&ショップ

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福島在住
訪問エリア:30都道府県

2023年7月31日更新

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写真:Olive

絶景を見ている訳でもないのに、こんなにテンションが上がるのはどうして?そんな不思議な体験が、新潟県・燕三条のファクトリー見学。歴史の重みと洗練された伝統美が見事に調和した、燕三条生まれの逸品たちを探しに行きませんか?

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燕三条(つばめさんじょう)の面白エピソード

その昔、新潟県の中央部に位置する燕市は職人の町、三条市はそれを販売する商人の町でした。隣り合う町同士でライバル関係でもありました。そこに上越新幹線が通ることになり、名前をどうするか等々様々な難題が持ち上がったそうです。

そこで時の総理大臣、田中角栄氏が間に入り、駅を両市の境界地点に設置すること、新幹線の駅名は「燕三条」にし駅長室は三条市に置く代わりに、高速道路のICは燕市におき、IC名も「三条燕」にすることとなったそうです。

  • 写真:Olive

少々、愉快な話に感じてしまいますが、地元の方々にとっては、真剣な攻防だったようです。なにはともあれ、町名は「燕三条」となり、互いに助け合い、高めあい、地元の物づくりに目をむけ、力をそそいできた結果、今「燕三条」は、金属製品の産地として世界的にも注目されるようになっています。

ものづくりの歴史について

  • 写真:Olive

燕三条と金属加工の歴史は、江戸時代までさかのぼります。河川の氾濫で苦しむ農民たちのために、江戸や会津から釘鍛冶(くぎかじ)職人を呼びよせ、和釘の製造法を指導・奨励したのが始まりです。それが、農家の重要な副業となった上に、材料や鍛冶に不可欠な燃料の供給が容易だったことも、金属加工が盛んになるきっかけになったと伝えられています。

  • 写真:Olive鎚起銅器・カボチャ型のやかん

その後、ヤスリ、包丁、キセル、一枚の銅板から叩いてヤカンなどをつくる鎚起銅器(ついきどうき)などの製造が始まります。その技術は、時代の変革とともに洋食器に移行してゆき、燕三条の代表的な特産となりました。

現在では、金属洋食器の全国シェア90%以上を占めるほどになっています。それらは、日本人にはもちろん、海外からも評価が高く、ノーベル平和賞の晩餐会に燕三条のカトラリーが使われていることや、APPLE社の製品に燕三条の技術が生かされたことも有名ですね。

歴史から知りたい方はここから!「燕市産業史料館」

  • 写真:Olive

金属加工産業が発展する歴史を伝える史料館です。江戸時代に作られていた和釘や、名前だけではいったいどんなものか想像もできない鎚起銅器など、実物と共にわかりやすく展示されています。

  • 写真:Olive

製作工程や作業場の復元展示などもあるので、時間がない方はここを抑えるだけでも、産業について理解できると思います。また別棟では、職人技を見学できるほか、チタン製コーヒースプーンの発色(¥800)や純銅タンブラー作り(¥2,500)など、体験工房もありますので、ぜひ立ち寄りたいスポットです。

燕市産業史料館
燕市 / 博物館 / 体験・アクティビティ / 雨の日観光
住所:新潟県燕市大曲4330-1地図で見る
電話:0256-63-7666
Web:http://www.city.tsubame.niigata.jp/shiryou/

いろいろ買いたい方は「道の駅 燕三条地場産センター」

  • 写真:Olive

燕三条駅から徒歩で10分足らずの場所に建つのが、道の駅燕三条地場産センターです。敷地内は本館と別館があり、物産館やレストラン、産業支援施設などを含む多目的な施設として成り立っています。道の駅があるのは、本館(別名:メッセピア)1階となります。

  • 写真:Olive
  • 写真:Olive

館内には、約10,000点もの洋食器や刃物、キッチン用品に工具などが展示&即売されています。見慣れた家庭用から、見慣れぬプロ仕様まで揃っているのですから、見ていて飽きないどころか、楽しくなってしまいます。爪やすりやカトラリーなども、デザインを比較したり、重さや握り具合を確認することも存分にできますし、スタッフの方にアドバイスを頂くことも可能です。

  • 写真:Olive

もちろん、道の駅らしい地酒や地元の銘菓などもそろっているので、とにかく手っ取り早く購入できれば!という方は、こちらに立ち寄るのがお勧め。センターで購入した商品に名入れのサービス(不定期開催)や、包丁とぎの体験教室(事前予約)などもあるので、公式サイトで事前にご確認ください。

道の駅 燕三条地場産センター
三条市 / 道の駅・サービスエリア / おみやげ屋
住所:新潟県三条市須頃1-17地図で見る
電話:0256-32-2311
Web:http://www.tsjiba.or.jp/michi/

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この記事を書いたトラベルライター

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日帰りドライブから、国内、海外を問わずお出かけするのが大好きです。ずっとタウン重視でお買い物に夢中の旅でしたが、10年ほど前にアメリカ・サンフランシスコに在住。国立公園めぐりをしたことをきっかけに、自然も大好きになりました。少し歴史を知ってから出かけると楽しいこと、美味しい食べ物や綺麗な風景に出会えると幸せなこと。小さな情報が、誰かの楽しい!や嬉しい!につながったらいいなと思っています。これからも、いろんなところへ出かけて、たくさんの情報を発信してゆきたいと思っています。少しでも参考になれますように!

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