南城市

ニライカナイに最も近い島。沖縄県・久高島をめぐる

取材・写真・文:

訪問エリア:43都道府県

2021年4月27日更新

5,233view

お気に入り

写真:やまざき にんふぇあ

沖縄本島の東南にある久高島。安座間港からフェリーで20分ほどのところにある、周囲8キロほどの小さな島です。かつてここに天からアマミキヨという神が降りてきて、のちに琉球王国となる島々を作ったとされます。この島へは琉球の歴代の王も巡礼し、ニライカナイ(異界)に近い場所にあると言われています。今回は、あまり観光地化されておらず、今でも多くの祭祀が行われる琉球王国はじまりの地、久高島を紹介します。

この記事の目次表示

ニライカナイからの船が停泊すると言われるイシキ浜

  • 写真:やまざき にんふぇあ

久高島には公共の交通機関は存在しません。ですが周囲8キロほどの平坦な島なので、フェリーの待合所などで貸し出されているレンタサイクルで簡単に1周できます。

島の東側に沿って北の方へ進んで行くと、砂浜に出られるようになっているところが何か所かあります。

集落の近くにあるピザ浜やイチャジキ浜を通りすぎたところにあるのがイシキ浜です。

ここに五穀の入った壺(伝承によってはひょうたんとも言われています)が流れ着いて琉球王国に五穀が広まったと伝わっています。また、ニライカナイからの船が停泊する場所ともされています。神聖な場所であり、遊泳はもちろん、貝殻や石を持ち帰ることもできませんので注意しましょう。

イシキ浜
南城市 / ビーチ / パワースポット
住所:沖縄県南城市知念久高地図で見る

琉球王国でも最高の聖地であるフボー御嶽

  • 写真:やまざき にんふぇあ

久高島の中央からやや西よりにちょっとした森があります。

ここはフボー御嶽(うたき)と言い、アマミキヨが初めに作った七御嶽(聖域)の1つです。奥には円形の広場があり、そこでノロ(御嶽を管理する神女)が祭祀を行います。かつては女性のみ見学できましたが、今では男女問わず立ち入りが禁じられています。入り口から静かに見学しましょう。

フボー御嶽
南城市 / 自然・景勝地 / パワースポット
住所:沖縄県南城市知念久高434地図で見る

アマミキヨが降りてきたカベール岬

  • 写真:やまざき にんふぇあ

久高島の北東にはカベール岬に続く白い一本道があります。道の両脇の植物群落は沖縄県の天然記念物に指定されています。

  • 写真:やまざき にんふぇあ

白い道を抜けると、カベール岬にたどり着きます。ごつごつとした岩が特徴で、本島が近くにあるとは思えない青い海が広がっています。

アマミキヨが降り立ったのはこの岬だと言われています。

カベール岬
南城市 / 自然・景勝地 / パワースポット / 岬
住所:沖縄県南城市知念久高地図で見る

神女がみそぎをするための井戸、ヤグルガー

  • 写真:やまざき にんふぇあ

島の北東にはヤグルガーという井戸があります。「ガー」は井戸の意味であり、神女が禊(みそぎ)をする際、ここで体を清めます。

ヤグルガーだけでなく、ヤグルガーへ降りるための階段から見える景色にも注目です。

ヤグルガー
南城市 / 自然・景勝地
住所:沖縄県南城市知念久高地図で見る

イラブー汁や海ぶどう丼が味わえる食事処とくじん

  • 写真:やまざき にんふぇあ

島の南、船の待合所のすぐ近くにある、「食事処とくじん」。島では数少ない飲食店の1つです。ここでは海ぶどうとかつお節がのった海ぶどう丼や、イラブー汁が味わえます。

島の南にしか飲食店はないため、島内の探索をする前にここで食事していくと良いでしょう。

食事処とくじん
南城市 / 郷土料理 / ご当地グルメ・名物料理
住所:沖縄県南城市 知念久高238地図で見る
電話:098-948-2889
Web:http://www.kudakajima.jp/tokujin.html

終わりに

  • 写真:やまざき にんふぇあ

久高島は、観光客を対象にしたレストランやレンタサイクルがある以外は、ほぼ観光地化されていません。以下の点に気をつけて、節度を持って、アマミキヨが降臨したと言われる島を訪れてみてくださいね。

  • 島内のもの(砂、石、貝など)は売られているものをのぞき、持ち出し禁止です。
  • イシキ浜を始め、遊泳禁止の砂浜が何か所かあります。注意書きがないか確認し、島の方に訊ねてから泳ぐ方が良いでしょう。フボー御嶽など、島内の立ち入り禁止エリアにも同様に注意が必要です。
  • 普段は立ち入り可能でも、神事の時だけ立ち入りが禁じられたり、観光客が見学のできない神事が行われることもあるので、久高島の船の待合所などで最新の情報を入手しましょう。
  • 飲食店や売店は島の南部に集中しています。自転車で2時間〜3時間あれば回れる規模ですが、北へは準備を整えてから行きましょう。

関連リンク

久高島フェリー

久高島
南城市 / パワースポット / 女子旅 / 島・離島
住所:沖縄県南城市 久高島地図で見る

次のページを読む

南城市の旅行予約はこちら


この記事で紹介されたスポットの地図

関連するキーワード

※記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

あなたにオススメの記事

同じテーマの記事


雨の沖縄観光におすすめ!雨の日でも楽しめる観光スポット28選

入場者数日本一の「沖縄美ら海水族館」や、アメリカの雰囲気が漂うリゾートタウン「美浜アメリカンビレッジ」、昔ながらの沖縄を再現したテーマパーク「琉球村」など、雨の...


沖縄料理のおすすめ20選!沖縄名物の食べ物特集

郷土料理からアメリカの食文化の影響を受けたグルメまで、沖縄には独特の料理・食べ物が豊富です。一度は食べてみたい、おすすめの沖縄料理・食べ物をご紹介します。旅行ツ...

日本三大鍾乳洞【龍泉洞・秋芳洞・龍河洞】&三大鍾乳洞に負けないおすすめ鍾乳洞7選!

日本三大鍾乳洞と称される龍泉洞・秋芳洞・龍河洞。そして国内にはこの三大鍾乳洞にも負けない、見応えある鍾乳洞が他にもまだまだ存在します。この記事では日本三大鍾乳洞...

全国の人気鍾乳洞・洞窟TOP23!旅行者が行っている鍾乳洞・洞窟ランキング

秋芳洞やあぶくま洞、青の洞窟をはじめとする全国の鍾乳洞・洞窟を、トリップノートの8万9千人のトラベラー会員(2023年8月現在)が実際に行っている順に、ランキン...

【沖縄】入場無料のおすすめ観光・おでかけスポット12選!

沖縄美ら海水族館外にあるイルカショーが観られるオキちゃん劇場やウミガメ館、マナティー館に、パワースポット・果報バンタも人気のぬちまーす観光製塩ファクトリーなど、...

この記事を書いたトラベルライター

一人旅好きのブロガー
国内で一人旅ばかりしているブロガーです。メジャーではないけどマニアックすぎない、「もっと評価されるべき」スポットを中心に紹介します。個人ブログやツイッターで今までに訪れた場所について書いたり、ここではない某所でもトラベルライターとして活動したりしているので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
http://85irimusume.doorblog.jp/

寿司に神社に恐竜まで!福井駅周辺の面白スポット4選

東尋坊や永平寺などの観光地が有名な福井県。日本総合研究所が2016年に発表した情報によると、日本で1番幸福度が高い県とされています。そんな意外な実力を隠し持つ福...


城崎温泉から渡し船で行く!柱状節理が広がる不思議な洞窟「玄武洞」

近畿地方を代表する温泉、城崎温泉。そこから車で10分ほどのところに、大量の石柱が建ち並んでいるように見える奇妙な洞窟、玄武洞があります。今回は、城崎温泉から気軽...


3億年かけて作られた神秘の洞窟、山口県・秋芳洞

山口県美称市に広がる日本最大級のカルスト台地、秋吉台。元はサンゴ礁だった石灰岩が、3億年以上もの時をかけて堆積してできた奇跡の風景です。さらに秋吉台の下には、大...

開放的すぎてほぼ丸見え!鳥取県・三朝温泉の【河原風呂】

鳥取県を代表する名湯、三朝温泉(みささおんせん)。世界有数のラドン含有量を誇るラジウム温泉であり、その効能の高さで名が知られています。ですが、三朝温泉の注目すべ...

鯉が泳ぐ城下町。「山陰の小京都」島根県・津和野を歩く

「山陰の小京都」の異名を誇る島根県・津和野。津和野藩亀井氏の治めていた城下町であり、鯉の群れが泳ぐ水路、1,000の鳥居を持つ稲荷神社、畳敷きの教会、西周や森鴎...

トラベルライターインタビュー Vol.3 Emmyさん

【トラベルライターインタビューVol.3】一人旅を応援する記事を多数執筆!Emmyさんならではの人気記事執筆のコツやその原動力に迫ります