ストックホルムから約70km、電車でわずか40分程度のウプサラ。かつて周辺諸国を制し、「バルト帝国」と呼ばれた風格漂うスウェーデンの首都ストックホルムとは一味違った、小さなかわいい北欧の街です。スウェーデンに来たら、せっかくなので、ストックホルムとは違った魅力のウプサラに足を伸ばしてみてはいかがでしょう。
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ウプサラって?
ウプサラは首都ストックホルムから北へ70kmほどのところに位置する、スウェーデンで4番目に大きな都市です。と言っても人口は15万人ほどで、日本からすると小さい街ですね。
ウプサラは、スカンジナビア(北欧のスウェーデン・ノルウェー・デンマークの3ヶ国)の中で最も古い大学である、ウプサラ大学ができた街。我々が日常使っている温度を表す「℃」のセルシウスは、ウプサラで考案されたものです。
またスカンジナビアで一番大きな聖堂や、折々に歴史の舞台となったウプサラ城もあります。ウプサラはそんな文化的な歴史を感じさせる、こじんまりとした静かで落ち着いた美しい佇まいの街です。
小さな街なので、ほとんどの見どころは歩いて周れますよ。
ウプサラの周り方
ウプサラへは、ほとんどの人がストックホルムから鉄道で訪れると思います。到着は、ウプサラ・セントラルステーションです。
駅出口を出て真っ直ぐ正面に、ツーリストインフォメーションがあります。観光地図なども置いていますし、分からないことなどあったら気軽に立ち寄ってみると良いと思いますよ。
ツーリストインフォメーションから北西に歩いてすぐのところでは、駅前の商業エリアの中心である小さな広場が出迎えてくれます。
ショッピングの中心は郊外のモールに移っているらしいので、昔からの商業エリアであった駅の周りはこじんまりとした感じを残しています。
観光の見どころは駅から西方向にかたまっていますので、この広場から西へ向かって歩きましょう。
フューリソン川
街の中をフューリソン川という小さな河川が流れています。この川を隔てて東側は近代になって発展した機能的なエリアで、西側が歴史ある古いエリアです。
川沿いは遊歩道になっており、途中、公園の一部に組み込まれているところもあります。すぐに周れてしまう小さな街ですので、川沿いをそぞろ歩きしたり座って川を眺めたり、日常を離れゆっくりとした北欧的な時間の流れに身を任せるのも、ウプサラ観光の醍醐味だと思います。
ウプサラ大聖堂
13世紀に建築が始まった長い歴史を持つウプサラの大聖堂は、スカンジナビアで一番の高さを誇り、街のどこからでも見えます。
ウプサラ大聖堂では、中世から17世紀後半まで国王の戴冠式が執り行われました。
- ウプサラ大聖堂
- スウェーデン / 社寺・教会 / 教会
- 住所:Domkyrkoplan 2, 753 10 Uppsala地図で見る
- Web:https://www.svenskakyrkan.se/uppsala/domkyrkan
ウプサラ城
16世紀に建てられたウプサラ城は、スウェーデンの歴史上で様々な決定や発表がなされ、大事な役割を果たしました。
その後、ウプサラ城における政治の重要性が薄れたため、放置され破損が進んだ時期もありましたが、その後修復され、現在ではウプサラ県知事公舎として使用されています。
また、アート作品を少し展示している美術館とカフェも併設されており、歴史を感じる建物でお茶をする事もできますよ。
ウプサラ城は高台にあります。と言っても歩いて難なく登れる程度の高さではありますが、高い建物の少ない街ですので、一帯を一望できます。
なんと、ウプサラ城の斜面には、雑草を整備するために羊が飼われています!
電動の草刈り機を使って人間の手で整備するよりはエコロジー、と言うコンセプトのようですが、羊くんたちの行動範囲はとても狭いようで、きれいなのは羊がいる半径5mほど。あとは、ほとんどのエリアが草がボーボーなのはご愛嬌ですね。
ボタニカルガーデン
ウプサラ城のすぐ真下にある、ウプサラ大学付属の植物園です。
当初は医学や医療の研究ために、ハーブなどの植物を栽培するために作られましたが、その後バロック式の庭園や温室が加えられ、現在のかたちになりました。無料で開放されています。
グスタヴィアヌム
ウプサラ大学の施設のひとつで、17世紀に大学のメインの建物として建設された、現存する大学施設の中で一番古い建物です。現在は大学が収集したヴァイキングやエジプトに関するコレクションや、医学のために使われていた解剖劇場などを展示する小さな博物館となり、一般公開されています。
- 出典:commons.wikimedia.orgGulundin;Creative Commons Attribution-Share Alike 4.0 International license
- グスタヴィアヌム
- スウェーデン / 博物館・美術館
- 住所:Akademigatan 3, 753 10 Uppsala, Sweden地図で見る
- Web:http://www.gustavianum.uu.se/
おまけ:郊外の「ガムラ・ウプサラ」にも足を伸ばしてみよう
現在のウプサラの街から5km離れた郊外にあるガムラ・ウプサラは、3~4世紀から中世の頃まで、このエリアの中心地であった場所です。ガムラ・ウプサラでは、年に一度国中の決まり事を決める総会と宗教行事が行われ、市場も開かれていたそうです。
今ではだだっ広い緑に覆われた丘で、サイクリングや散歩などをする人が訪れるくらいです。
- 出典:commons.wikimedia.orgOlofE;Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unported license
ウプサラ・セントラルステーション駅前から、市バス110番で約15分のアクセスです。
ストックホルムからウプサラへの行き方
SJ
ストックホルムから、早くて便が良いのは、SJと言う鉄道会社です。通常時1時間に1本、ピーク時は30分に1本、ウプサラまで40分で運行しています。料金は発券機でクレジットカードを利用して購入した場合、108クローネ(約1,750円)です。
※SJのWEBサイトはこちら
SL
SLと言う会社も30分に1本、55分かけてストックホルム~ウプサラ間を運行しています。料金は、110クローネ(約1,780円)です。
※SLのウェブサイトはこちら
Swebus
City Terminalenから大型バスも出ていますが、料金は鉄道とほぼ同じくらいなので、鉄道の方が便利かと思います。
※Swebusのウェイブサイトはこちら
※レートは2017年3月現在