山形県の南部に位置する置賜エリアは、その昔英国の旅行家が訪れた際、「東洋のアルカディア」と称した地域です。古からの歴史やロマンにふれる名所旧跡、縁結びのパワースポットでもある熊野大社などを、のんびりとめぐってみませんか?
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山形県置賜(おきたま)地区とは?
山形県の南部に位置し、米沢市、南陽市、高畠町、飯豊町などを含む3市5町で構成された地域です。城下町として発展した米沢市を中心に、地区には史跡も多く、遺跡は縄文、古墳時代にまでさかのぼります。春スキーまで楽しめる天元台高原なども人気です。地域の南側に広がる吾妻(あづま)連峰の大部分は、磐梯朝日国立公園に指定されており、四季折々に楽しめる雄大な自然にも恵まれています。
海外ベストセラー作家も感動
1878年(明治11年)に来日したイギリスの女性旅行作家イザベラ・バードは、日本各地を旅しました。日本での体験は『日本奥地紀行』として、イギリスでベストセラーとなりました。「東洋のアルカディア(理想郷)」という表現が使われたのは、現在の赤湯地区の風景を見た時に、美しい自然と田園風景に感動したようです。
置賜地区は、中心となる米沢市など見どころも多いですが、本記事では米沢市以外の郊外で散策が楽しいスポットをご紹介します。
【1】熊野大社
東北の伊勢とも言われる熊野大社。和歌山県の熊野三山、長野県の熊野皇大神宮とともに日本三熊野の一つに数えられます。山形県内有数のパワースポットで縁結びスポットとしても有名です。参道には樹齢850年の大イチョウがそびえ、大きく枝をひろげています。
参拝した際にぜひご覧になって頂きたいのが、拝殿裏の三羽のうさぎの彫刻。すべて見つけると願いが叶うと言われています。二羽目までは、容易に見つかるのですが、難しい三羽目は、人から聞いたり、場所を教えてしまうことでご利益がなくなってしまうと言われているので、自力で探してみましょう。
境内では、手水舎も季節ごとの花手水、本堂周辺にも夏には風鈴、秋には風車などの飾りもほどこされて、参拝客を和ませてくれます。
- 熊野大社
- 南陽市 / 神社 / パワースポット / 縁結びスポット / インスタ映え / ツーリング
- 住所:山形県南陽市宮内3476-1地図で見る
- 電話:0238-47-7777
- Web:http://kumano-taisha.or.jp/
【2】icho café
参拝後は、境内にあるicho caféでひとやすみ。地元の素材を使ったメニューは、体にやさしく美味しいものばかりです。その名の通り、大きなイチョウの木に包まれているような雰囲気のあるカフェです。
【3】赤湯温泉
- 出典:yamagatakanko.com写真提供:山形県公式観光サイト
開湯930余年と古い歴史を誇る赤湯温泉。1093年(寛治7年)源義家が奥洲統一を担う戦をしていた際、傷ついた兵士が湯に入ったところ、たちどころに傷が治り、血で真っ赤に染まったことが赤湯温泉の由来になったと言われています。その後、米沢藩時代には殿さまが入る箱湯として保護され藩公認の遊興の場所として栄えました。
- 赤湯温泉
- 山形 / 温泉地 / 町・ストリート
- 住所:山形県南陽市赤湯754-2地図で見る
- 電話:0238-43-3114
- Web:https://www.akayu-onsen.com/
【4】旧高畠駅舎
明治時代、高畠では多くの製糸場が操業していました。人々の地場産業振興の意気が高まると共に製品の輸送についての関心が高まり、高畠鉄道が誕生しました。山形交通高畠線のほぼ中間に設置されたのが、高畠駅舎です。
瓜割石庭公園から採掘された高畠石を用いて1934年(昭和9年)に建てられました。この駅には、当時走っていた可愛らしい車両もそのまま展示されています。はちみつ色の趣ある駅舎がフォトスポットして人気です。
- 旧高畠駅舎
- 高畠町(東置賜郡) / フォトスポット
- 住所:山形県東置賜郡高畠町高畠1568地図で見る
- Web:https://yamagatakanko.com/attractions/detail_1951....
【5】まほろば古の里歴史公園
まほろばの里では、遺跡が数多く発掘されており、縄文時代より人々が生活をしていたとされています。縄文時代の生活空間が再現されていることから、縄文時代の景観にふれられる公園として散策が楽しめます。
- まほろば古の里歴史公園
- 高畠町(東置賜郡) / 公園 / 紅葉 / ツーリング
- 住所:山形県高畠町安久津2117 まほろば古の里歴史公園地図で見る
- Web:http://takahata.info/log/?l=70087
【6】安久津八幡神社
860年(貞観2年)、慈覚大師が豪族であった安久津磐三郎の協力で阿弥陀堂を建てたのが始まりとされています。端麗な姿の三重塔、途中に舞楽殿、その奥に本殿があり、すべて県の指定文化財となっています。五穀豊穣、開運などのご利益があるとされています。
- 安久津八幡神社
- 高畠町(東置賜郡) / 神社
- 住所:山形県高畠町大字安久津2011地図で見る
- Web:http://samidare.jp/ichinohe/
【7】道の駅たかはた まほろばステーション
- 出典:takahata.info写真提供:山形県公式観光サイト
町内全域に古墳群が広がり、縄文時代の土器が発掘された洞窟などがあることから「まほろばの里」と呼ばれている高畠町。周辺には、悠久の歴史を感じるスポットが点在しているので、道の駅を拠点に散策が楽しめます。
駅内には観光案内所もあり、レンタサイクルの利用も可能。農産物直売所やお土産コーナーも充実しています。ぶどうの季節には、格別に甘くてお手頃なぶどうが手に入ります。
- 道の駅 たかはた まほろばステーション
- 高畠町(東置賜郡) / 道の駅・サービスエリア / おみやげ屋 / レンタサイクル / 観光案内所・ビジターセンター / ツーリング
- 住所:山形県東置賜郡高畠町大字安久津2072−1地図で見る
- 電話:0238-52-5433
- Web:http://www.rstakahata.com/
【8】瓜割石庭公園
ここは、高畠石と呼ばれる凝灰岩の採石場で、石切り場の清水に瓜を冷やしたところ、瓜が割れるくらい冷たかったことから、この名がついたといわれています。採石跡のトンネルを抜けると高さ約30mの切り立つ岩壁が目の前に現れます。
目の前にそそり立つ岩壁のスケールが大きすぎて、写真でお伝えできないのが残念ですが、古代遺跡を思わせる空間に感動します。
敷地内には簡易な展示スペースがあり、採石の際に使用されていた道具や切り出し用の切込みも見られます。凝灰岩はもともとクリーム色ですが、雨風などで浸食され、濃い茶から薄い茶へとうつろうグラデーションとなり、今では映えスポットとして人気です。
【9】高畠ワイナリー
1990年に創設された高畠ワイナリーは、地元のぶどうにこだわった東北最大規模のワイナリーです。ワインの試飲(有料)は、もちろん広大に広がる自社農園やワインの製造工場、ショップなど気軽に散策できるのも魅力です。