アフリカ

西アフリカを訪れるなら【ハマターン】にご注意! 気をつけるべき4つのこと

取材・写真・文:

長野在住
訪問エリア:12ヶ国

2018年9月16日更新

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写真:Adjoa

「ハマターン」をご存知でしょうか?毎年12~2月になると襲ってくる、恐るべきあの貿易風…。本記事では、西アフリカ地域に特有の「ハマターン」についてご紹介します。ガーナやナイジェリア等、西アフリカへのご旅行を考えている方は、航空券をとる前に必読です!

この記事の目次表示

ハマターンとは

「Harmattan(ハマターン/ハルマッタン)」とは、西アフリカ地域に吹く貿易風のこと

毎年12~2月頃、毎日くもりのような、濃霧のような視界の悪い天気が続きます。ところがこれは雲でも霧でもなく、「砂」。視界が悪く、空気がとても乾燥することが特徴です。日本でいう黄砂に匹敵します。

  • 写真:Adjoaガーナの観光地アコソンボダムも、日中でもハマターンでこのとおり真っ白… ※撮影に失敗したわけではありません

ハマターンはサハラ砂漠の砂を大量に巻き上げ、ギニア湾の方角へと運びます。そのため、西アフリカ地域一帯の上空は砂で覆われます。特にひどい日には、日中でも薄暗いほど。さらに砂だけでなく、まるで砂漠の気候までも運んできてしまったかのように、湿度は10%前後まで下がりとても乾燥します。そして、朝晩の寒暖差が大きくなります

ハマターンが観測されるのは、セネガル、ナイジェリア、ガーナ、ブルキナファソ…等の西アフリカの国々。これらの国へご旅行を検討中の方は、できれば12~2月は避けることをお勧めします(国・年によって多少時季は前後します)。特に、年末年始はハマターンの最盛期です。

気をつけるべき4つのこと

ハマターンの時季は視界が悪いことや、乾燥が深刻ということから、あまり観光に適したシーズンとは言えません。ですが、「どうしてもこの時季に西アフリカを訪れたい!」という方は、以下の4つのことにご注意ください。

1. 砂埃にご注意

常時砂埃の多いアフリカですが、この季節は特に深刻です。砂埃に慣れているはずの現地人でさえ、喉を傷める人が続出します。

バス等陸路での移動では、窓が完全には閉まらない乗り物もあります。砂埃を吸い込んで喉を傷めてしまわないように注意が必要です。ちなみに気管支の弱い筆者は、ハマターン真っ最中の1月に、ガーナにてバスでの移動時に知らないうちに大量の砂埃を吸い込んでいたようで、咽頭炎になりました。(そして現地の病院にかかり、1週間寝込みました。)

  • 写真:Adjoaタクシーで未舗装道路を移動中の風景。窓を閉めても砂埃は防ぎきれない。

2. 極度の乾燥にご注意

湿度は10%を切る日もあります。喉はカラカラ、唇や手はガサガサに乾きます。敏感肌の方は要注意です。リップクリームは手放せません。なお、西アフリカはシアの原産地なので、シアバターなら現地でも手に入りやすいです。

  • 写真:Adjoaガーナの道端で売られているナチュラルシアバター

3. 飛行機の欠航にご注意

ハマターンの時季は視界不良のため、空の便は度々欠航になります。地上では晴れているように感じる日でも、上空の砂の状況次第で欠航になることもあります。西アフリカ内を空路で移動することを考えている方は、運航状況にご注意ください。ちなみに、ハマターンによる飛行機欠航の損害総額は毎年100万ドルにも上るそうです。

4. 昼夜の寒暖差にご注意

日中はハマターンのない日と同様に30度前後と暑くなりますが、朝晩は20度前後とかなり冷え込みます。夜間用の衣服には、長袖・長ズボン等、肌を覆うことのできるものがあると安心です。

  • 写真:Adjoa冷え込む朝晩は現地人もこの格好

最後に

毎年12~2月頃に西アフリカ地域を襲う、「ハマターン」。その驚異をご理解いただけましたでしょうか。西アフリカへの旅行を検討しているのなら、気管支が弱い方や敏感肌の方は、ハマターンの時季を避けるほうが無難です。

気管支と肌の強さに自信のある方は、敢えてハマターンの時季に西アフリカを訪れ、晴れでも曇りでもない「砂」という天気を体験してみるのも面白いと思います。ただし、視界が悪いので景色を楽しむ系のレジャーには不向きということはご了承ください。

  • 写真:Adjoa同じ場所からの景色もこんなに違う(左:平時/右:ハマターンの日)

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この記事を書いたトラベルライター

ほぼガーナ人・ときどき信州人
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