上海から新幹線に乗って、小一時間の距離に位置する杭州。近年、発展著しいですが、湖と山に囲まれた自然豊かな街でもあります。今回は、そんな杭州の必見観光スポットを厳選してご紹介します。
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杭州について
杭州は、浙江省の省都で、北京を起点とする古代の京杭大運河の終点にあたります。上海市内から南に位置し、新幹線に乗って約1時間ほど。地下鉄も発達しており、近年、急速に開発が進み日々発展している都市です。
街中には、世界遺産の西湖と呼ばれる大きな湖があります。その周辺には緑も多く、自然豊かな杭州を代表する観光スポットです。また、龍井茶(ロンジン茶)と呼ばれるお茶の産地としても有名で、飲んで楽しむだけではなく、茶葉を使った名物料理などもあります。
上海市内からの行き方
上海虹橋火車駅と杭州東駅間の159キロを結んでいる高速鉄道に乗れば、上海市内から45分で到着できます。高速鉄道は最高時速350キロにも達し、小一時間で到着するので、上海市内からの日帰り旅行にもおすすめです。なお、乗車券購入と乗車の際には身分証明の提示が必要となるので、パスポートの携帯をお忘れなく。
【1】西湖
杭州のシンボルの西湖は、2011年に文化的景観としてユネスコの世界文化遺産に登録されました。9世紀から詩人や芸術家を魅了し続けてきた西湖には、寺院、楼閣、庭園、アーチ型の橋などがあり、湖に点在する島々にはボートに乗って渡ることができます。
湖畔の一周は、約15kmです。ゆっくり湖畔を一周するのも良いですが、便利なレンタサイクルで一周するという過ごし方もおすすめ。過ごしやすい気候の5月初旬頃からは、例年、西湖のほとりにはハスの花が咲き誇り、古都の時代から続く美しい景観を堪能できます。満開の時期には、ハスの花の甘い香りが周囲に漂い、その香りにきっと魅了されるでしょう。
【2】龍井村
西湖西岸の丘陵にある龍井村は、龍井茶の産地として有名です。村自体の面積は決して大きくはありませんが、美しい段々畑が広がり、お茶の良い香りが漂う人気の観光地になっています。
山頂まで広がる広大な茶畑は、晴れの日には青い空と茶畑の濃い緑のコントラストが鮮やかで、その様子は息を呑む美しさ。なお龍井村には、新鮮なお茶を楽しめる茶楼や、中国茶葉博物館もあります。
また、道端には農家さんが立っていることが多く、歩いていると積極的に話しかけてくるのですが、その農家さんの自宅にお邪魔して直接お茶を試飲、購入することもできます。ぜひ訪ねてみてくださいね。西湖から龍井村入り口までは、タクシーに乗って15分程度で行くことができ、おすすめの観光スポットです。
【3】霊隠寺
霊隠山の崇高な自然の美に心を打たれた高僧慧理によって、東晋の時代、咸和3年(西暦紀元328年)に建てられた霊隠寺。1600余年の歴史があり、杭州で最も古くて有名な寺院です。西湖の西側に位置し、お寺の後方には北高峰を、真正面には飛来峰という山々を望むことができます。
霊隠山とは、「神霊が隠れるところ」という意味です。境内には多くの殿堂や法堂があり、数千人の僧侶が修行をしていたと言われています。現在は、昔に比べると規模は小さくなりましたが、見どころはまだまだたくさん残っています。
特に門前にある飛来峰は、霊隠寺とセットで訪れることがほとんどです。石灰岩でできている飛来峰の岩肌には、五代と宋時代の仏像など300以上の磨崖仏があます。
- 霊隠寺
- 中国 / 寺
- 住所:China, Zhejiang Sheng, Hangzhou Shi, Xihu Qu, 灵隐路法云弄1号地図で見る
- Web:http://www.lingyinsi.org/
おまけ:杭州のおすすめグルメ
龍井蝦仁(ロンジンシャアレン)
この料理は、杭州で獲れる川海老を丁寧に下ごしらえをし、龍井茶の葉と一緒に炒めて、塩や紹興酒を入れて味付けしたものです。ごくシンプルな味付けではありますが、海老を口に入れた途端、口いっぱいにお茶の香りが広がります。
叫化鶏(ジャオファージー)
この料理は、下処理した鶏を蓮の葉で包んだ後、土で全体を覆い、最後に蒸し焼きにしたもの。鶏肉はホロホロと軟らかく、なんの臭みも癖もなく優しいお味です。ちなみにこの料理名の由来は、鶏を盗んだ物乞い(叫化)がきちんとした調理法が分からず、自己流で調理したことが始まりだと言われているそうです。
おわりに
大きな湖と山々に囲まれた自然豊かな杭州は、身も心もリフレッシュできる癒しの街です。ぜひ一度訪れてみてくださいね。