ドイツ・マンハイムとチェコ・プラハを結ぶ1,000kmの古城街道には、大小合わせて約70もの古城があります。ツアーでは通常通過するだけのことが多いですが、これらの古城の中には古城ホテルとして宿泊出来るものもあります。中でも今回は、ゲーテの戯曲にも登場することで知られる「ホルンベルク城」をご紹介します。少し寄り道して、中世の時代にタイムスリップしてみませんか?
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ホルンベルク城って?
数ある古城ホテルの中から今回ご紹介するのは、ホルンベルク城。ホルンベルク城は、ゲーテの戯曲「鉄の手のゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」で知られる、ドイツで最も高名な実在した騎士「鉄腕ゲッツ」が晩年を過ごしたことで有名です。
現在は、ゲミンゲン男爵家が所有するホテル&レストランであり、上質なワイナリーとしても有名です。城から見えるネッカー川の眺めも美しく、また美味しい料理とワインを出すレストランとして、地域の人々からも愛されています。
城へのアクセス
ハイデルベルク中央駅から私鉄で約1時間、ネッカーツィンメルン駅下車後、徒歩約30分で到着します。駅からタクシーで行くことも出来ますが、隣町から迎えに来ることが多く、迎車料金込みで約15ユーロとやや高めです。
筆者はハイキングがてら川を眺めつつ歩きました。他の古城も合わせてまわるなら、レンタカーがオススメです。徒歩またはタクシーの場合は列車の本数が少ないので、帰りは列車の時間を調べ、それに合わせて出発することをオススメします。
ホテルにチェックイン
ホテルにチェックインすると、まずフロントでは甲冑がお出迎えしてくれます。部屋にはドイツの通りの名前がそれぞれつけられていて、こぢんまりとしていながらも上品な佇まいの部屋に心が躍ります。バルコニーから見える森の景色も美しく、のんびりと過ごせますよ。
レンタカーでなければ気軽に街に食事に行くことは出来ないので、チェックイン時に夕食の予約をしましょう。ワインショップや城の中の見学用のコインの購入は16時までなので、チェックイン当日の見学をご希望の場合はお早めに。筆者はすでにショップが閉店する20分ほど前の到着だったため、見学は翌日にしました。
ホテルレストランでの食事
古城ホテルでの宿泊の大きな楽しみの一つは、レストランでのお食事ですね。ネッカー川を眺めながらの食事は格別です。ホルンベルク城はワインの醸造でも有名なので、夕食時には是非ワインを頂きましょう。
またホテル代に含まれる朝食もとても豪華です。スモークサーモン、ソーセージ、メロンなどの果物、生ハム、チーズなど思わず朝からワインをオーダーしたくなるメニューが並びます。自家製のパンやジャムもとても美味。
またお皿やナプキンにはお城の紋章も入っていて、優雅な気分に浸れること間違いありません。普段は手軽に朝食を済ませる方も、是非ここではのんびりとした時間を過ごしてくださいね。
ワインショップへ
フロントの隣にはワインショップ兼お土産屋さんがあります。ワインショップでは試飲も出来ますので、お好みの味を伝えて試飲させていただきましょう。ワインのお値段は6ユーロ前後とお手頃なお値段です。
城の内部の見学に必要なコインもここで購入します。残念ながらホテルと売店及び城内部は経営者が違うため、宿泊者であっても城の入場券のコインを購入しなければなりません。城の入場料は未就学児は無料ですが、小学生以上は3ユーロ、大人は4ユーロです。
ワインショップの奥には甲冑や剣などのちょっとした展示があり、無料で見せてもらえますよ。
城内部を見学
ワインショップで購入したコインをゲートに入れるとドアが開き、中に入れます。筆者が訪れた11月はシーズンオフだったため、貸切状態でのんびりと見学出来ました。ところどころ廃墟になったお城の窓から見えるネッカー川の景色がとても綺麗です。
現存する最古の部分は、1084年に建造された高さ33mの主塔ベルクフリートで、その後数百年かけて増築され現在の姿になりました。城内は博物館になっており、中世の戦闘用の城塞の姿や大砲、様々な彫刻、チャペルなどが状態よく保たれています。また城の最上部から眺めるネッカー川の景色は、忘れられないものになるでしょう。
最後に
ドイツには、まだまだ数え切れないほどの素敵な古城があります。列車には自転車も積み込めるので、季節が良ければサイクリングでまわるのもいいですね。ちょっと寄り道して、古城ホテルやレストランを訪れて是非悠久の歴史に想いを馳せてみてください。