日本人以外にヨーロッパ人にも人気があるという、古き良き宿、芳野旅館。歴史好き、建築好き、恋愛成就したい独身女性、子供を授かりたいご夫婦、温泉好きの方、古き良き日本を楽しみたい方には、ぜひ知っておいてほしい旅館です。
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芳野旅館とは
明治42年創業の純和風旅館です。建物は木造建築で大正ロマン調の造りをしており、当時の珍しい建材を使用しています。その貴重さから、国の有形文化財にも登録されています。
作家の司馬遼太郎先生も宿泊したことがあるという旅館は、歴史好きや建築好きにはたまらないでしょう。
外観:意味のある門構え
芳野旅館の門構えは少々変わっております。写真では伝わりにくいかもしれませんが、建物に対して、玄関部分が正面ではなく斜めを向いているのがお分かりになるでしょうか?
これは、昔、北極星があがる方角に向けて玄関(入口)を設けることで、いい気を取り込むことができると言われていたことに由来するものだそうです。また、その反対側には「気」の出口としての場所も設けられているとのことです。明治42年から今まで繁栄し続けているのは、このような昔からの伝統を大事にされていることに繋がるのかもしれません。
また、こちらの玄関を入って左側には、湯気が立ち上る足湯があります。
内観
囲炉裏あり
玄関の右側に、ストーブと囲炉裏があります。長旅の移動で疲れた体を、ひとまずここで癒すことができます。また、なかなかお目にかかれない囲炉裏が、日本の旅館ならではの雰囲気を演出しています。
色鮮やかな着物が廊下を彩る
館内のいたるところには鮮やかな着物が飾られています。テレビでよく見る時代劇の1シーンのようでもあり、昔のお屋敷を彷彿させることでしょう。
貴重な一枚板が随所にあしらわれたお部屋
ふすまや、トイレのドア等、部屋の随所に一枚板を使用しているのを見ることができます。
一枚板は本当に品質が良いものとそうでないものとに分かれるそうですが、芳野旅館の一枚板は質が良いものだそうで、建築関係の方はその上質さに大変感動されることでしょう。
とろとろな泉質の温泉
地下600メートルから湧き上がる芳野旅館の温泉は、100%源泉かけ流しとなっております。男女それぞれに内湯と露天風呂があり、それとは別に家族風呂もあります。
伝承「美人の湯」
筆者は過去、九州、本州と各地で温泉に入ってきたのですが、こちらの温泉の質には驚かされました。到着した日とその翌朝に温泉につかりましたが、温泉に入った2日後から2日間、全身の肌がすべすべになったのです。
「美人の湯」の伝承があるとのことですが、あなどれないです。女性にはぜひ、ここの温泉につかることを強くお薦めいたします。
伝承「男の子を授かりやすい温泉」
嘘か真か。仲居さんの話によりますと、なかなか子供が出来なかった夫婦が、旅館に泊まった後に男の子を授かったという手紙をもらったこともあるそうです。全員が全員そうなるという保証はありませんが、伝承としては「男の子を授かりやすい温泉」となっているようです。