イスタンブールの旧市街、中東最大規模の市場グランド・バザールがあるベヤズット地区。そこの代表的なイスラム寺院であるバヤズィト・モスクは、オスマン帝国第8代目のスルタン、バヤズィト2世によって建てられた歴史あるモスクです。モスクの特徴や見学の際の注意点をご紹介します。
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ベヤズット地区とは?
バヤズィト2世のモスクがあるベヤズット地区は、コンスタンティノープル(現在のイスタンブール旧市街)を征服したメフメト2世が建設を開始したグランド・バザールや、東ローマ帝国のコンスタンティノープル大学に起源を持つイスタンブール大学がある歴史あるエリア。そんなイスタンブールの観光に欠かせないベヤズット地区の広場にある、ひときわ大きなモスクがバヤズィト・モスクです。
バヤズィト2世とは?
ベヤズット地区の顔とも言えるバヤズィト・モスクは、その名の通り、バヤズィト2世が建てたモスクです。彼はオスマン帝国第8代目のスルタンで、父親はコンスタンティノープルを攻略しローマ帝国を滅亡させたメフメト2世。
バヤズィト2世は「聖者」とあだ名されるほど信心深いスルタンでした。帝都に建てたこのモスク以外にも、古都エディルネにはキュッリエというモスクを含む大規模な複合施設を建てたことでも知られています。
スルタンによるイスタンブール最古のモスク
オスマン帝国の帝都イスタンブールには、スルタンが自らの地位や名誉を後世に伝え残すために建てたモスクが多く残されています。バヤズィト・モスクは1506年に完成したバヤズィト2世によるモスクです。
1469年に完成したメフメト2世のファーティフ・モスクがありますが、18世紀の地震のあと全面的な立て直しが行われました。そのため、バヤズィト・モスクはイスタンブールに残るスルタンによって建てられた最古のモスクということになります。
モスク内部の特徴
大きなドームを半円状のドームが支えるようになっている構造は、イスタンブールにあるビザンツ建築の最高傑作ともいわれるアヤソフィアを模倣して造られたものです。異教徒が建てた聖堂でありながら、その圧倒的な存在感に影響を受けて造られたということが分かります。
昼間は直径約17メートルの大ドームに組み入れられた小窓から太陽光が差し込み、祈りのために人々が集まるモスク堂内を明るく照らしています。