上海の南西約150kmに位置する浙江省の省都、杭州。歴史は古く、秦の始皇帝の時代にまでさかのぼります。大運河が開通したのを機に江南の交易の要衝として栄え、南宋の首都ともなりました。元代にこの地を訪れた、かのマルコ・ポーロはその繁栄ぶりから「地上の楽園」と称えました。そんな風光明媚な古都には西湖が中心に輝き、麗しい姿で我々を出迎えてくれます。
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西湖の見どころ
曲院風荷
夏になってハスの花が開くようになると、花の香りが漂ったことからこの名が付きました。のどかな雰囲気があり、とても落ち着きます。
花港観魚
色鮮やかな鯉などの魚と花々を観賞できる公園です。その昔、背後にある花家山から流れ出た清流がここに達したため、花港と呼ばれるようになったそうです。清朝時代には多くの皇帝が訪れました。
平湖秋月
ここで観賞する月の美しさが知られて以降、多くの文人が訪れたそうです。
美しい西湖の夕暮れ
思わずため息が出る夕暮れ時の美しい西湖。やはりその景色は古くから多くの詩や絵に表現されただけあって、現代にもその姿を魅せてくれます。
名将の眠る地「岳王廟」
西湖の畔に位置する岳王廟。北方の異民族、金と戦った南宋の武将・岳飛が祀られています。彼は金に奪われた江南の地を奪還しようと活躍しましたが、陰謀に遭い、悲劇の最期を遂げました。岳飛は、中国において国民的英雄として人々の信仰を集めています。
勇ましい岳飛の像。とても立派な作りです。
敷地内には、岳飛を陥れた秦檜とその妻の像が鉄柵の中に跪いた姿で建てられています。世界史の教科書等で目にした方も多いのでないでしょうか。
岳飛の精神をあらわした「精忠報国」という文字が、巨大な白壁の城壁に掲げられています。
西湖周辺のおすすめスポット
西湖周辺には、古都の雰囲気が再現された街並みが広がっています。
南宋の都であった杭州。道路工事の過程で、当時の目抜き通りの遺跡が発見されたそうです。煉瓦で舗装された路面や排水溝などの遺構がそのまま保存され、資料館となっています。当時の様子がわかる貴重な史跡です。
世界遺産「大運河」の遺構
2014年に世界遺産に登録された大運河。8つの直轄市と省にまたがり、杭州でも運河2段、遺跡5カ所が登録されました。こちらは、鳳山水城門遺祉です。当時から水運の要衝であったことがうかがえます。