日本人にも人気な中国の青島(チンタオ)ビール! 世界100ヵ国以上で愛されている中国を代表するビールで、1903年にドイツの投資家が製造を始めました。そんな青島ビールの歴史を学びつつ、格別な一杯を味わえる青島ビール博物館(青岛啤酒博物馆)をご紹介します!
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中国ビールの代表格「青島ビール」とは?
青島ビールは、1903年に中華民国山東省青島で製造が始まったビールのブランドで、中国で最も古いビールの一つです。青島が1898年よりドイツの租借地となったことから、ドイツのビール醸造技術を用いたビール作りが1903年に始まったのでした。「崂山(ラオシャン)」という青島市内にある道教の聖地が、ビールの水源として適していたこともきっかけです。
第一次世界大戦後から第二次世界大戦終結までは日本の大日本麦酒(アサヒビールやサッポロビールの前身)が買収して経営するなど、日本とのつながりも深いビールです!
青島ビールのラベルには、青島の観光名所である回瀾閣(かいらんかく)という建物が採用されています。また、毎年8月の第2週に青島国際ビール祭(青岛国际啤酒节)が青島で開催されるなど、青島ビールは自他共に認める青島のシンボルとなっています! もちろん、青島土産の定番は青島ビールで、街中でも空港でも様々な種類の青島ビールを購入することができます。
青島ビール博物館で青島ビールの歴史に触れよう
青島ビールを楽しむ方法は、当然飲むだけでもいいのですが、もしも青島に行く機会があるなら「青島ビール博物館」に立ち寄って青島ビールについての理解を深めるのもオススメです! 青島ビール博物館は、青島ビール創業の地にある博物館であり、1903年に建てられた煉瓦造りの工場内で、会社の歴史や生産工程を見学できます。
青島ビールの成り立ちから現在に至るまでの軌跡を様々な写真や当時のポスター、当時の設備や動画などで体感することができます。煎りたての麦の試食もできたりと、文字通り五感で青島ビールに触れることができます!
青島ビール博物館でビールの製造過程を見よう
ビール好きの人も、ビールの製造過程まではあまり知らないかもしれません。いつも飲んでいるビールがどのように作られているか、旅行の際に見てみるのもいいですね!
青島ビール博物館には、昔のビール造りを再現している広いエリアや、実際に使われていた大きな醸造タンクがあったりするほか、現在実際に稼働している設備を見ることができたりもします。博物館と工場が一体となった館内で、思う存分ビールの神秘に触れることができます!
お待ちかね青島ビール「原浆」「純生」試飲
青島以外ではなかなかありつけない「原浆」
見学の後半では、お待ちかねの青島ビール「原浆(yuán jiāng)」の試飲ができます! 原浆とは無濾過のビールのことで、賞味期限が5日ほどと、青島以外ではなかなか味わえないビールだそうです。筆者は普段ビールをあまり飲まないのですが(飲むとしたら自宅で缶ビールではなくビアホール派)、やはり原酒はいいですね。風味が違います(少なくともそんな気がします)。
そして、一緒に提供されるビール豆(啤酒豆)がまた格別。コクのあるしっかりした味は、青島ビールにぴったりです! お土産屋さんにも売っているので、ついついお土産に買ってしまう人も多そうです。
オーソドックスな「純生」
その後、一階のBeer Barでは「純生」の試飲ができます。さっきの原浆がクリアになったような感じで、これはこれで美味しいですが、原浆の方が好みという人が多いかもしれません。
青島ビールは味があっさり目のため、ゴクゴクと飲みやすいのではないかと思います! ベルギーのモンドセレクションで3年連続金賞を受賞した「ミャンマービール」や、インドの代表的なビールである「キングフィッシャー」が好みの人は、青島ビールも気に入るのではないかと思います。
酔った気分を味わえる酔っぱらい小屋
青島ビール博物館の最後の方には「酔っぱらい小屋(醉酒小屋)」というアトラクションがあります。このアトラクションの特徴は、少し床が傾いてること。この小屋に入ると、ビールには酔わなかったとしても、酔っぱらった気分を体感することができます!
青島ビールグッズが豊富なお土産屋さん
青島ビール博物館には広々としたお土産屋さんがあり、青島ビールが誇る様々な種類のビールはもちろん、チョコなどのお菓子から青島ビールグッズや化粧品まで、様々なお土産が並んでいます。見ているだけでも楽しいです! 是非、お気に入りを探してみましょう。
広めなお土産屋さんは博物館の出口付近にあり、その下の階のBeer Bar横には小さめのお土産屋さんがあります。
青島ビール博物館への入場料
青島ビール博物館への入場料は選ぶサービスによって違い、ガイドなど様々なサービスがついている399元(6,384円)のものから、ビール2種類とビール豆がついているスタンダードな50元(800円)のものまで、自分の好みのものを選ぶことができます。ちなみに、140cmまでの子供や70歳以上の人は無料です。
館内の表示は中国語ばかりでよく分からないかもしれませんが、チケット売り場には日本語の説明書きもあるのでご安心ください。チケットの購入には、日本のクレジットカードも使えました。また、日本語のパンフレットもあります!(日本語は若干変ですが・・)
青島ビール博物館へのアクセス
青島ビール博物館へは、タクシーだけでなく地下鉄や公共のバスでも行くことができます。地下鉄は、2号線の「利津路」駅が最寄駅で、そこから歩いて約10分です。バスは、205, 217, 221番を利用して「延安一路」で降りるなど、いくつかのバス路線から徒歩圏内となっています。
青島市内のバスは、現金払いの場合どこまで乗っても2元(32円)だったので、コスパが良かったです。また、頻繁に運行しているので、百度地图(中国版Google Mapみたいなアプリ)を使えば、観光客にもなかなか使い勝手の良い交通手段となります! ただ、坂道の多い地形ということもあり、道中は結構揺れることがあります。
終わりに
青島ビールについて興味が湧いてきましたか? 優れたビール醸造技術を持ったドイツが青島ビールを生み出し、ついでビール好きの日本がそれを継承し、戦後は中国の人々がさらに発展させ、現代へ青島ビールを受け継いできたのだと思うと、青島ビールに刻まれた歴史の深みをさらに感じるのではないでしょうか。青島に行くと、今までより青島ビールが美味しく感じられるでしょう!
※記事内の中国元から日本円への換算は1中国元=16円で計算しています。