“ドイツといえばビール” ですが、やっぱり南ドイツのミュンヘンは格別!ドイツビールの大祭典「オクトーバーフェスト」が行われる場所でもあります。たくさんある由緒あるビアホールで飲むもよし、“ミュンヘンの台所”と言われる市場「ヴィクトアリエンマルクト」で飲むもよし!地元の人たちと一緒に飲んで盛り上がっちゃいましょう!
この記事の目次表示
ドイツのビールが美味しいワケは?
日本でも最近少しずつ浸透してきた「クラフトビール = 地ビール」は、大手のサッポロ、ヱビス、キリン、アサヒなどとは違い、地元に根付いた小規模な醸造場で造られています。
ところが!その “地元に根付いた醸造場” が大手並みにデカい!それがドイツです。しかもそれぞれ味の特徴はあるものの、どれを飲んでも旨〜い!でもなぜ?
そのワケはドイツで古くから受け継がれているビール製法にあります。
【ビール純粋令】原料は「大麦・ホップ・水」だけ
ビールは元来、大麦・ホップ・水 だけで造られてきましたが、現代では喉越しやら保存やらと様々な需要に合わせて様々な副原料が混ぜられるようになりました。日本は麦芽以外の副原料が1/3までなら「ビール」として販売できます。例えばアサヒやキリンのビールに見られるコーンスターチ。
でも、ドイツではかつて【ビール純粋令】なるものがあり、ビールの原料として許されるのは 大麦・ホップ・水 のみでした。この法律ができた時期を知ってびっくり!なんと 1516年 。日本ではまだ室町幕府の時代です。(ちなみに日本で初めてお酒に関する法律が制定されたのは昭和初期)
時代とともに「ビール純粋令」は無くなっていきましたが、それでもなお、現代の醸造家は昔からの造り方を守り続けている…だから今でも、余計なものを混ぜない美味しいビールがどこに行っても飲めるのですね。
とは言っても、やっぱりミュンヘンはドイツの中でも格別!
ミュンヘンはなぜビールで有名?!
ビールというと今は大都市「ミュンヘン」が注目されがちですが、もうちょっと広い範囲…ミュンヘンが昔から都市として栄えてきた「バイエルン」という地方全体を見てみましょう。
この地方はかつてはバイエルン公国やバイエルン王国などが栄えた地で、先ほどご紹介した「ビール純粋令」が発令されたのがバイエルン公国なのです。さらに面白いことに「ビール純粋令」が制定される以前から、バイエルンの各都市では「ビールに混ぜ物をして低品質なものを作ってはいけない」という条例があったそう!
ほんっとうにバイエルンのみんなは昔から美味しいビールが大好きだったのですね。
また、バイエルンはビールの原料となる 大麦やホップの一大生産地!美味しいビールを醸造するに欠かせない「美味しい水」も アルプス山脈からの伏流水。これで美味しくないわけがありません!
現代でもバイエルン州はビール醸造場の数はドイツ全体の50%以上、なんとこれはEU全体で見ても40%もあるそうです。まさに大規模な地産地消の “地ビール” ですね。
そしてミュンヘンは、世界一のビールの祭典「オクトーバーフェスト」の開催地としても有名です。日本でも10月近くになると、各都市でオクトーバーフェストが開催されてドイツビールを楽しむことができます♪
では、ミュンヘンのどんなお店でどんなビールが楽しめるのか、ご紹介していきます!
ミュンヘンの台所【ヴィクトアリエンマルクト】
観光をしていれば必ず通るであろうミュンヘンのど真ん中に、とっても賑やかで広〜い広場があります。沢山のテラス席が並んで、それを囲むように売店もずらり。
「何事?!今日はビアガーデンのイベントでもあるの?!」と思うかもしれませんが、これが “ミュンヘンの台所” と言われる、ミュンヘン最古にして最大の市場【ヴィクトアリエンマルクト(Viktualienmarkt )】!
イベントでも何でもなく、1800年ごろからミュンヘン市民の食生活を支えてきた伝統的な市場。日曜祝日以外は毎日OPENしています。お店のほとんどは9時ごろから開いているので、朝から飲んでる人もいっぱい(笑)。
野菜や果物、お肉、チーズ、パン、お土産屋さんなどなど様々なお店があって見ているだけでも楽しいですが、やっぱりココで大人気なのはその場で飲んだり食べられるビールやソーセージ♪
市場には「Imbiss(インビス)」というソーセージなどのお惣菜を出してくれる売店がいっぱいあるので、そこでおつまみがGETできます。ちなみにImbissは、駅や街角のあちこちでも見られますヨ。
ビールもいろんな種類がありますが、青空市場なのにどこもビールがちゃ〜んと専用グラスで渡されるなんて日本じゃ考えられません!もちろんグラスは飲み終わったらそのお店に返却します。
ミュンヘン名物「白ソーセージ」はお昼までに!
おつまみは何を頼んだら良いかわからないという方は、ミュンヘングルメのド定番「Brezel(プレッツェル)」と「Weißwurst(ヴァイスヴルスト)」を頼みましょう!このセットで€5(約650円)くらいです。
ヴァイスヴルスト はバイエルンの伝統的な 白ソーセージ 。皮は食べられないのでナイフとフォークで皮を取るのですが慣れない日本人にはなかなか難しい!コツは、縦にまっすぐ切り込みを入れて、一口ずつ皮から削いで食べる、です。
また、そのままでは淡白な味なので、「Süßer Senf」というちょっと甘いマスタードのようなものをつけて食べるのが定番。これがまたビールに合う〜〜!
白ソーセージは傷みやすいので、早朝に仕込まれ、朝〜昼の間に食べるのが一般的です。ミュンヘン市内のほとんどのレストランでもランチタイムが終わるとメニューに出なくなるので、食べたい方はぜひお昼までに!
なお、筆者がここで飲んだビールは、バイエルン州ランツフートという都市のブリュワリー「Landshuter Brauhaus」、その デュンケル(Dunkel)。デュンケル は 下面発酵 という点ではラガーと同じ造りですが、モルトの香ばしさを感じるダークな色合いのビールです。
- ヴィクトアリエンマルクト
- ドイツ / 市場・朝市
- 住所:Viktualienmarkt 3, 80331 München, ドイツ地図で見る
- Web:http://biergarten-viktualienmarkt.com