スイスのアルプスを源とする、全長約1,233kmの大河、ライン川。ドイツでは「父なる川」と呼ばれ、古城が立ち並ぶ流域は、世界遺産にも登録されています。そんなドイツの自然と古城が広がる風景を楽しめるのが、ライン川クルーズです。今回は、贅沢なクルーズでの見所をご紹介します。
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ライン川とは
ライン川は、スイスのアルプスを源とし、ドイツ、オランダへ1,233kmに渡って続く、国際運河です。ドイツ国内では、698kmに渡ってライン川が流れており、「父なる川」として国民に親しまれています。なかでもライン川渓谷中流上部には、沿線に古城が集中しており、世界遺産にも登録されています。
ライン川クルーズ観光
ドイツ観光をするなら、一度は参加したいのが、ライン川クルーズ。ドイツの歴史的文化を象徴する、古城の立ち並ぶ風景を大型船に乗りながら堪能できる、贅沢なクルーズです。いくつかの街に停泊しながら進むので、1日チケットを買って、途中下船しながら各街の観光を楽しむこともできます。ライン川ではいくつかのクルーズ船が運行していますが、中でもメジャーなのが「KDクルーズ船」です。
KDクルーズの見所!名所&古城をご紹介!
KDクルーズは、マインツ〜ケルンまで運行しています。全区間を乗船すると、4時間ほどかかります。限られた旅の時間、全ての距離の移動が難しい場合は、代表的な名所や古城を一気に楽しめる距離に乗船するのがおすすめ。
- 写真:SF_logbook
- 出典:www.instagram.com
中でも、リューデスハイム〜ザンクト・ゴアール間がおすすめです。このエリアには、古城がもっとも集中しており、乗船時間も1時間40分程度です。
- リューデスハイム・アム・ライン
- ドイツ / 町・ストリート
- 住所:Rüdesheim am Rhein,GERMANY地図で見る
見所1:ねずみの塔
リューデスハイムを出発すると、まず見えてくるのが「ねずみの塔」です。ここを通行する船から通行税を取り立てる、関所として使われていました。ねずみの塔という名前は、農民に重税を課していた大司教が、大量に発生したネズミに食べられてしまったという伝承に由来します。現在は、外観を見るだけの建物となっています。
見所2:エーレンフェルス城
1211年に築城された古城です。のちにマインツ大司教の居城となり、ネズミの塔と一緒に税の徴収所とされていました。30年戦争の際には強固な城塞として機能しましたが、1689年にフランス軍によって破壊。現在は老朽化が進み、見学することもできない廃墟となっています。
見所3:ラインシュタイン城
ラインシュタイン城は、ライン川の古城群のなかでも、特に外観が美しい城として知られています。かつては裁判所として使われていました。17世紀にフランス軍によって破壊されてしまいましたが、プロイセンのフリードリッヒ王子が、別荘地として再建し蘇りました。礼拝堂もあり、結婚式をあげることもできるロマンティックなお城です。
見所4:ライヒェンシュタイン城
正確な築城年は不明とされていますが、11世紀に築城されたと言われています。13世紀には盗賊の住処となり、攻撃を繰り返されたことで破壊が進んでしまいましたが、修復を繰り返しながら、現在の形まで蘇りました。その後ホテル会社が買収し、現在は、博物館、レストラン、カフェとして使われています。
- ライヒェンシュタイン城
- ドイツ / 城
- 住所:Burgweg 24, 55413 Trechtingshausen地図で見る
見所5:ゾーネック城
11世紀に、先ほど紹介したライヒェンシュタイン城の守護城として築城されました。当時は、難攻不落の城と言われるほど強固な城だったそうです。ライヒェンシュタイン城と同様、盗賊を一掃する際に、神聖ローマ皇帝ルドルフ1世によって焼き払われて落城。破壊が進み、さらにフランス軍の進行により、廃墟となりました。第一次世界大戦以降、国有化され現在は博物館となっています。城内は、ガイドツアーでのみ見学が可能です。
見所6:シェーンブルク城
ザクセン家の皇帝によって、10世紀に建てられたお城です。「シェーンブルク=美しい城」という意味の名前を持つお城で、その名の通りライン川渓流の風景が美しいお城です。15世紀以降は、戦争や相続争いで何度も持ち主が代わり、廃墟となるまで荒れ果ててしまいました。
19世紀になって城の修復が進み、現在はホテルとして生まれ変わりました。24室しかありませんが、中世の雰囲気をそのまま残した、魅力的なホテルです。
- 古城ホテル アウフシェーンブルク
- ドイツ / ホテル
- 住所:Auf Schönburg, 55430 Oberwesel, ドイツ地図で見る
- Web:http://www.hotel-schoenburg.com/
見所7:ローレライ
シェーンブルク城と後から紹介するカッツ城の間にある「ローレライ」もライン川クルーズの見所の一つ。ローレライは、ライン川の水面130mに突き出た岩山です。この周辺の川幅は狭く、流れも急なことから多くの船が事故を起こした、航行の難所でした。この岩山の周辺では、美しい乙女の歌声が聞こえ、その美しい歌声に聞き惚れ、舵を取るのを忘れて船が水没してしまう。というお話が伝承として伝わっています。
見所8:カッツ城(猫の城)
正式名称は、ブルク・ノイカッツェネツンボーゲン、通称「猫の城」と呼ばれています。建設した男爵の名前から、猫の城と呼ばれています。14世紀ごろに建てられました。対岸にあるラインフェルス城の守城として、軍事基地として使用されていました。
フランス革命の際、ナポレオンに破壊され、今も塔の上部は壊れたままです。その後再建され、現在のオーナーは、なんと日本人実業家となっています。個人所有のため、残念ながら見学などはできません。
KDクルーズ船に乗船する際のポイント
(1)遅くても15分前には乗船場所へ行く
席は、自由席となっています。乗船時は並びますので、早めにいくことをおすすめします。
(2)防寒対策とサングラスが必要
風が強いので、外の席は特に寒いです。日差しも強く、とても眩しいので、防寒対策をしっかりして、サングラスを持参することをおすすめします。
この記事を書いたトラベルライターから一言
今回は、ドイツで大人気のライン川クルーズの見所をご紹介いたしました。両側に中世の古城がいくつも点在し、美しくダイナミックな風景を楽しめる贅沢なクルーズです。ホテルとして活用されているお城があるなど、見学が可能なお城があるのも魅力の一つです。お城の中に足を踏み入れれば、異空間を体感することができます。ドイツを訪れた際は、ぜひライン川クルーズに参加してみてはいかがでしょうか。(SF_logbook)