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ネパールの世界遺産!カトマンズの名所パシュパティナートの死の儀式

取材・写真・文:

神奈川在住
訪問エリア:19ヶ国

2017年12月18日更新

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写真:まきまき

ネパールの首都カトマンズは、数々の歴史的建造物が残るとともに、独自の宗教観に触れられる街です。カトマンズ盆地と呼ばれる一帯は世界遺産に登録され、カトマンズの主要な寺院や史跡がいくつか存在しています。そのうちのひとつがパシュパティナートですが、ここでは通常の寺院とは異なる、一風変わった様子が見られます。そんなパシュパティナートで日々行われている、儀式の様子をご紹介します。

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カトマンズの名所パシュパティナートとは

パシュパティナートはネパール最大のヒンズー教寺院であり、カトマンズの代表的な名所のひとつです。寺院の裏側にはバグマティ川が流れており、この川はカトマンズ盆地を通って、やがて母なる大河ガンガー(ガンジス川)に合流するため、ネパールではとても神聖な場所とされています。

そんなパシュパティナートは、単に聖域して扱われているだけでなく、滅多に見ることのない珍しい光景を目にします。それは衝撃的であり、またとても興味深く、命の根源を揺さぶられるようなディープな場面といえるでしょう。

パシュパティナートにいる人々

  • 写真:まきまき

寺院の建物内へはヒンズー教徒しか入ることができないため、私たちツーリストは外観を眺めるだけとなりますが、それ以外の場所であれば敷地内を自由に見て歩くことができます。

パシュパティナート周辺には、サドゥという修行者がたくさんいて、オレンジ色の布をまとっていたり、体や顔を灰で白く塗っています。それから路上占い師の姿も多く見られ、未来の幸せを願う様子はどこの国も同じなようです。

  • 写真:まきまき

パシュパティナートに限りませんが、ネパールでは人の集まるところには、必ずといっていいほど物乞いの姿が見られます。中には手足がない人などもいて、その体でどうやってここまで来たんだろうと、不思議に思うこともしばしばです。

日本人は物乞いを避けて通る傾向がありますが、ネパール人は彼らにお金を与えているのをよく見かけます。どちらがいいかはわかりませんが、ただ彼らは外国人を狙った詐欺師ではないので、必要以上に警戒しなくて大丈夫です。

バグマティ川で行われるセレモニー

  • 写真:まきまき

寺院の横を通り奥へ進むと、橋の上になにやら人だかりができています。橋の上に行ってみると、川沿いに並ぶ四角い台から、煙が立ち上げているのが見えるでしょう。

なんとここは火葬場であり、次々に遺体が運び込まれては、この台の上で焼かれます。火葬場というと日本では参列者以外に公開されるものではありませんが、ここパシュパティナートでは多くの一般人が見物しています。

  • 写真:まきまき

橋の上に人だかりがあるのは、おそらくそのポジションがよく見えるからだと思います。特に立ち入り制限があるわけではないので、邪魔にさえならなければ、橋から降りて焼き台の近くまで行くことも可能です。

パシュパティナートの火葬の様子

  • 写真:まきまき

焼き台は川沿いにたくさん並んでいますが、どの場所も同じというわけではないようです。社会的に位の高い人や経済的に豊かな人ほど上流に近い場所が与えられ、まわりもオレンジの花で豪華に飾られます。

  • 写真:まきまき

足を川につけて清めたりと、ひと通りの流れが終わるといよいよ遺体を焼きはじめるのですが、台は薪を四角く積んだだけのものであり、そこに火をつけるというごくシンプルな仕組みです。そのため強力な炎で白い灰になるというよりは、真っ黒に焦げていく様子が見えるかもしれません。

ネパール人の死生観

  • 写真:まきまき

ネパール人は基本的にお墓を持ちません。火葬したあとの骨は拾うことなく、すべて聖なる川に流すというのが、理想の死のあり方なのだそうです。煙がヒマラヤ山脈をつたって天にのぼるとともに、流した灰はガンジス川を通って魂の故郷へと帰り、その後再び生まれ変わるという概念が強く根付いているようです。

次々と遺体が焼かれる向かい側では、子供達が川に飛び込んで遊んでいます。川幅は決して広くはないため、火葬が行われている目の前といってもいい距離ですが、子供達はただ無邪気に遊び、それを叱る大人の姿もありません。

  • 写真:まきまき

神聖な儀式の横で日常生活が行われるごちゃ混ぜな様子は、完全に私たち日本人と感覚が違うところだと思います。彼らが死をどのように捉えているのかはわかりませんが、どこか特別なものというよりは、自然現象として受け入れているようにも感じます。

パシュパティナートの行き方と入場料

パシュパティナートの入場料は1,000ルピー(約1,100円)。寺院の手前のチケット売り場で購入します。アクセスはトリブバン国際空港からタクシーで約10分。カトマンズの中心地タメル地区からでも20〜30分でいけると思います。

カトマンズには列車がないので、移動はタクシーか路線バスか徒歩のいずれかになります。路線バスはタクシーに比べて低価格で済みますが、ときには車体から人がはみ出るくらいに混雑することもあるため、スリの被害に遭うリスクが高まります。

また車内アナウンスがないため、土地勘のないツーリストには非常に利用しにくいと思います。そのためネパール慣れしていない方、または現地人が同行していない場合は、少々高くついてもタクシー移動をおすすめします。タクシー利用の際には、乗車前に必ず値段交渉をするのを忘れないようにしてください。

パシュパティナート
ネパール / 社寺・教会
住所:Pashupati Nath Road 44621, Kathmandu 44600 ネパール地図で見る

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この記事を書いたトラベルライター

トラベルフォトグラファー
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