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5. 室町時代に雪舟が修行を積んだ寺院「宝福寺」(総社市)
春には新緑が、秋には紅葉が訪れる人を楽しませてくれる禅寺。一般の参拝客でも座禅体験をすることができます。事前に予約が必要なものから、予約なしで座禅体験をし、お茶菓子などをいただきながらありがたい法話が聞けるものまであります。
詳細はこちらを参照してください。
岡山県で2番目に古い高さおよそ18.5mの三重塔は国指定重要文化財に認定されています。また、梵鐘や寳福寺文書などは県指定重要文化財に認定されています。
宝福寺にはもう一つ有名な見どころがあります。それは室町時代、少年だった雪舟がこの寺で修行を積んだというものです。幼少期より絵心のあった雪舟は絵ばかりを描いていて、修行に身が入っていなかった。そこで和尚は反省を促すべく雪舟を柱に縛り付けた。夕方、様子を見に行った際1匹の鼠がいたので捕まえようとしたが、なんとそれは雪舟が流した涙を使って足の親指で描いた鼠だった、という逸話が残っているのです。以来、和尚は雪舟が絵を描いても叱らなかったそうです。
現在この床は残っていませんが、逸話通り柱に縛り付けられた雪舟と鼠の像を見ることができます。いかに雪舟の絵が見事であったかがわかるエピソードですね。宝福寺の美しい景観を見ていると絵を描きたくなる気持ちがわかるような気がします。
- 宝福寺
- 岡山 / 紅葉 / 寺 / 穴場観光スポット
- 住所:岡山県総社市井尻野1968地図で見る
- 電話:0866-92-0024
- Web:http://iyama-hofukuji.jp/
6. 手入れの行き届いた名庭に酔いしれる「頼久寺」(高梁市)
頼久寺(らいきゅうじ)は、暦応二年(1339年)に足利尊氏が諸国に命じて建立させた安国寺の一つ。「鶴亀の庭」と呼ばれる天下の名庭があり、江戸初期には日本を代表するほどだったそうです。現在でも国指定名勝に選定されており、美しい庭園目当てに多くの人が訪れています。
砂紋が海を、サツキの大刈り込みが大海原の波を表現し、その中に鶴島と亀島が配されています。精緻に作り込まれた庭園が人の手によるものであることを思うと、毎日の行き届いた手入れに感嘆するほどの美しさです。
- 頼久寺
- 岡山 / 寺 / 庭園
- 住所:岡山県高梁市頼久寺町18地図で見る
- 電話:0866-22-3516
- Web:http://raikyuji.com/
7. 天守が現存する貴重な山城「備中松山城」(高梁市)
標高430mの小松山山頂に建つ天守は日本一の高所にあり、山城で天守が現存している日本で唯一のお城です。城内にある天守、二重櫓、土塀の一部などは往時のまま現存しており、国宝(重要文化財)に指定されています。貴重な遺構が多く残る見応えのある城と言えるでしょう。
標高が高いだけあって、時期や条件が合えば兵庫県竹田城のように雲海が発生することもあるそうです。雲海に浮かぶ山城の姿はいかにも幻想的で、ぜひとも撮影したいですよね。雲海が発生しやすい条件は以下のとおりです。
- 9月下旬〜4月上旬、特に10月下旬〜12月上旬の朝と昼の気温差の大きい
- 前日に雨が降るなど湿度が高くなっており、当日は晴天の予報である
- 時間は日の出前から午前8時くらいまで
ぜひ参考にしてみてください。天守まで行くには城見橋公園駐車場(5合目)に駐車した後、登城整理バス(往復400円)へ乗車し、終点のふいご峠(8合目)からは30分程度歩きます。階段や山道を歩くことになりますので、歩きやすい運動靴などがおすすめです。かなりの急坂もあるので、自分のペースで登ってくださいね。頑張って登城した後には、高梁市街を一望することができますよ!
※12〜2月は整理バスが運休のため、車でふいご峠まで行くことができます。
平成30年西日本豪雨の影響により登城道の一部に亀裂が生じているため、2018年10月現在、一部迂回路が設けられています。看板に従って迂回するようにしてください。詳しくはこちらでもご確認いただけます。なお、観光に影響はないとのことです。
- 備中松山城
- 岡山 / 城 / 観光名所 / インスタ映え / 雲海
- 住所:岡山県高梁市内山下1地図で見る
- 電話:0866-22-1487
- Web:http://www.city.takahashi.okayama.jp/soshiki/9/shi...
8. 西の横綱に格付けされた湯原温泉「砂湯」(湯原町)
旭川の川底から湧いている温泉を石で囲っただけの野趣溢れる野天風呂。全国広しと言えどもこれだけの規模を誇るのは湯原温泉だけではないでしょうか。露天風呂番付でも西の横綱に格付けされています。
美人の湯、長寿の湯、子宝の湯と3つの効能の湯船があり、それぞれ混浴です。女性は勇気がいるかもしれませんが、バスタオルを巻くだけでは不安だという方のために各温泉旅館で「はんざきちゃん湯浴み着」を貸し出しています。レンタル料金は実質1,000円(2,000円でレンタルして返却時に1,000円を返金)で、宿泊客は500円で借りられます。
筆者はこの湯浴み着の存在を知らなかったためバスタオルを二重巻きにして意を決して入りましたが、入ってしまえば見知らぬ男性も旅仲間のように楽しく湯浴みすることができました。ただし着替えに時間がかかる服装は避けた方が無難です。
歴史的には豊臣秀吉の五大家臣・宇喜多秀家の母であり、後に羽柴時代の秀吉の側室となった「おふくの方」の湯治場として登場するのがこの湯原温泉です。温泉好きで知られる豊臣秀吉もこの砂湯で戦の疲れを癒やしたのかも知れません。
- 湯原温泉 砂湯
- 岡山 / 日帰り温泉
- 住所:岡山県真庭市湯原温泉地図で見る
- 電話:0867-62-2526
- Web:https://www.okayama-kanko.jp/spot/11390
まとめ
岡山県の侘び寂びが詰まった歴史スポット、いかがでしたか?きらびやかさや華やかさはないかもしれませんが、しっとりとした日本の良さが凝縮しているようで、いずれのスポットも心が洗われるようです。
岡山県ではほかにも、倉敷美観地区や岡山県津山市出身のB'zの稲葉浩志さんゆかりの地なども観光地として人気です。いつもの旅にほんの少し日本の歴史や情緒を組み入れて、岡山県を旅してみてください!