マレ地区にほど近い、パリ3区にある狩猟自然博物館。ルーブル美術館やオルセー美術館などの有名な美術館に比べると、ややマイナーで観光客にもあまり知られていない博物館ですが、実は見所たっぷりの魅力溢れる博物館のひとつ。パリに行かれる方には、是非足を運んでもらいたいスポットでもあります。今回はそんな狩猟博物館の、迫力あふれる展示についてご紹介します!
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狩猟自然博物館(Musée de la chasse et de la nature)とは
パリには多くの美術館・博物館がありますが、こちらの狩猟博物館はその名の通り動物に関連した絵画、彫像、剥製その他の美術品を展示しています。現代アーティストのコラボや、趣向を凝らした個性的な展示も魅力的。館内には「こんなところに?」というようなところに動物が隠れていてそれを探すのもまた一興。
ルーブル美術館やルーアン美術館等、様々な団体からの委託や個人コレクターからの寄贈を受けてその所蔵数を増やしてきたこの博物館は、2005年からおよそ2年をかけて博物館の隣邸であったモンジェラス館を買い取り改築、開館当初の二倍となる面積となり現在に至っています。
部屋中に展示された絵画や美術品、そしてパリの他の美術館ではなかなかお目にかかれない膨大な数の剥製。それぞれに表情があって愛くるしささえ感じてしまいます。
展示室は動物の名前!
例えばこちらのお部屋。順路通り進むと、常設展として最初に足を踏み入れることになる部屋です。この部屋の名前は”イノシシの部屋”。そしてその名にふさわしく部屋の入り口にはイノシシの剥製が出迎えてくれます。
このように狩猟博物館ではそれぞれの部屋が動物毎に展示されていて、部屋の名前も展示されている動物を冠しています。
犬の部屋では、ブロンドとダイアンという名の二頭の猟犬を描いた絵画が壁を彩ります。当時使用されていた首輪や犬用の食器などの展示も。中世以降、猟犬を用いた狩猟や鷹狩りが貴族のスポーツとして人気を博していたため展示物もそれに関連するものが多い印象を受けます。
迫力満点の剥製展示!
何と言ってもこの博物館の見所は、各展示室に並ぶ剥製たち。イノシシ、犬、狼、鹿、タカ、ウサギなどその種類は多岐に渡ります。また、それらがガラスや柵に覆われることなく間近に観察することが出来るというのも、日本ではなかなかないので興味深い展示ですよね。
シロクマの剥製。隣に立っている男性と比較してみると、その大きさを実感出来ます。そして、シロクマの剥製が展示されている隣の部屋に、この博物館でもっとも迫力のある展示室が待っています。
部屋を埋め尽くすほどの剥製の数々!博物館や個人コレクターからの寄贈のものもあり、その迫力は圧巻の一言です。剥製の他にも猟銃として使用されていた当時の銃が数多くコレクションされており、形や大きさだけでなくその細かな装飾にも思わず見惚れてしまいます。
遊び心のある展示
狩猟博物館では、館の中でも外でもこんなところに?というところに動物が隠れていたりします。それは壁に描かれたフェイクアートだったり、窓枠からこちらを覗いていたり、見つけると思わずクスッと笑ってしまう遊び心溢れる展示なので、家族連れでも充分に楽しむことが出来ます。
靴にイタズラをしている犬をモチーフに描かれた絵画。こちらは展示されている額にも、作品と同じく黒いパンプスが引っ掛かっていますね。茶目っ気のある展示も可愛らしいです。
エキスポジション
常設展に加えて、様々な現代のアーティストを招いて期間限定のエキスポジションが行われています。2017年10月から2018年2月11日までは、SOPHIE CALLEの作品を展示中。
最後に
2時間程あれば、家族連れでも充分に楽しめる狩猟自然博物館。日本ではなかなか体験出来ない至近距離での剥製の見学や隠された動物を探す楽しさなど、ここでしか味わえない面白さがあります。超有名な美術館というわけではありませんがパリを訪れたら是非足を運んで頂きたいスポットのひとつです。
見学の前後に徒歩圏内のマレ地区でカフェやショッピングを楽しむのもオススメです。
- 狩猟自然博物館
- パリ / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:62 Rue des Archives, 75003 Paris地図で見る
- Web:http://www.chassenature.org/