重要とされる文化的知識を、世代を超えて共有することを目的としたオーストラリア先住民のダンスコンテスト「ダンス・ライツ」。2019年で開催5回目を迎えるダンス・ライツがどのようなイベントなのか、写真と共に紹介していきます。
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はじめに
オーストラリアの先住民には多数の部族が存在しており、それぞれ独自の言語を話していたとされています。そして、彼らのコミュニケーションツールの1つに、踊り(ダンス)があったものとされています・・・。
現代でも、オーストラリア、トレス海峡諸島などに、先住民たちの子孫たちが生き続けています。そして伝統や文化を受け継ぎながら、今を生き、次の世代にバトンを渡し続けていっているのだと想像します。そのバトンを繋いでいく中で“ダンス”は大きな意味を持ち、重要な位置付けとなっているのでしょう。
今回は、シドニー・オペラハウス前の広場で開催される、先住民のダンスを継承するグループらがオーストラリア各地から集結して披露するイベント「ダンス・ライツ(Dance Rites)」を紹介します。
ダンス・ライツとは
ダンス・ライツは2015年から始まった先住民のダンスコンテストで、2019年で5年目を迎えます。同イベントは2日間開催され、無料で鑑賞することができます。
「コンテスト」であるため、審査員が各グループを評価していくのですが、審査対象として「言葉(言語)」「ダンス」「スキンマーキング(身体に描かれた模様やデザイン)」「楽器」などが設定されます。
これらの審査対象は「国にとって重要とされる文化的知識が、世代を超えて共有されるように」というダンス・ライツのイベント開催目的から決められています。
そのため、それぞれのグループはこれらのポイントを考慮しながらダンスを披露していくことになります。またダンス・ライツでは、先住民のダンスコンテストだけでなく、関連するアーティストらによるライブ音楽ステージや、オペラハウスがアボリジニ・アート柄に覆われるプロジェクションマッピングを見ることもできます(期間限定)。
ダンス・ライツのルール
ダンス・ライツでは、各グループが「ウェルカムダンス(Welcome/Arrival Dance)」「フェアウェルダンス(Farewell Dance)」「ワイルドカードダンス(Wildcard Dance)」の3種類のダンスを用意しなければならず、さらにそれぞれ3分以内に表現することと決められています。
そして、3つのダンスうち必ず1つには「ローカル・ランゲージ(先住民の言語)」を入れたダンスを披露しなければなりません。
ちなみに「ワイルドカードダンス」は、伝統的なダンスであっても現代の要素(音楽など)を組み合わせたダンスであっても良いとされます。
優勝グループには2万ドル(約151万円)、第2位には5,000ドル(約38万円)、ワイルドカード・ダンスの最高得点グループには3,000ドル(約23万円)と賞金が設定されています。
また、2018年からはダンス・ライツの目的に則った「先住民の伝統・文化が世代を超えて共有されること」をうまく表現したグループに、「Rites of Passage Prize」として4,000ドル(約30万円)が贈られる賞も増設されました。
2019年の開催日程
2019年は、11月23日(土)及び24日(日)に開催されることが決定しています。詳しくはオペラハウスのウェブサイトに掲載されているので、ぜひ情報収集してみてください。
おわりに
いかがだったでしょうか。オーストラリアでは先住民のダンスを見る機会が何度かはあるかと思いますが、こうして全国のグループが一堂に集結し、それぞれの伝統・文化を重んじたダンス、さらには今を生きていることにフォーカスして調和をみせるダンスなど、多種多様で迫力ある踊りを目の前で見られる機会は数少ないと思います。
ぜひダンス・ライツの日程に合わせて、シドニーを訪れてみてください。彼らからの驚異的なエネルギーをもらえることでしょう。
- ダンス・ライツ
- シドニー / イベント・祭り
- 住所:Macquarie St Sydney New South Wales 2000地図で見る
- Web:https://www.sydneyoperahouse.com/events/whats-on/f...