戦国の城跡に富士山の絶景スポット！静岡県三島市の山中城跡公園

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• 山中城跡の概要
• 山中城跡の見どころ
•    山中城跡といえばこれ！畝堀（うねぼり）・障子堀（しょうじぼり）
•    自然の地形を計算した設計
•    当時の状況が伺える未完成の工事跡も
•    富士山と駿河湾が一望できるビューポイント
•    復元された箱根旧街道の石畳
• 兵どもが夢の跡　戦死武将達の墓
• 散策に疲れたらほっと一息　郷土食・寒ざらし団子
• 箱根・伊豆旅行で訪ねやすい場所　三島スカイウォークも近い！　

山中城跡の概要

• 写真：トラベルライター入り口の案内看板

山中城は、戦国時代の永禄年間（1558～1570年）に、小田原城を本拠とする北条氏康が築城した城です。北条氏の治める領国内で西の最前線にあたり、東海道を取り込む形で作られた重要な防衛拠点でした。

ですが、氏康の子である氏政、その氏政の子である氏直が当主になった時に、大坂の豊臣秀吉と不仲になり、天正18年（1590年）に秀吉が大軍を率いて小田原へ攻め上ります。これが有名な「小田原合戦」です。西の最前線にあった山中城は、秀吉の攻撃を受けた最初の城となり、わずか1日で陥落してしまいました。

1日で陥落したと聞くと、小さな城を思い浮かべてしまいそうですが、実際に歩いてみるとかなり広大で勾配もあり、雨が降るとぬかるみやすい場所もあります。

できるだけ晴れた日に、歩きやすい靴での散策をおすすめします。全ての城跡をじっくり見るならば数時間はかかるので、ちょっとしたハイキングに行くような気持ちで。もちろん、少ない時間に一部のエリアだけ見ることもできます。

山中城跡の見どころ

山中城跡といえばこれ！畝堀（うねぼり）・障子堀（しょうじぼり）

山中城跡の目玉と言えば、なんと言っても「堀」です。堀と言えば、城の周囲をぐるりと囲って溝を掘り、城への侵入を妨げる仕掛け。

戦国時代には、城の周りだけでなく、城のエリア内をそれぞれ区切った「曲輪」（くるわ。郭とも）の間にも張り巡らせ、もし侵入された時にも城内での移動も妨げるようにした城が多く、山中城もそのような堀が張り巡らされています。

• 西の丸周囲の畝堀

堀の中に入った侵入者が移動しにくくするために、堀の中に壁となる畝を作った堀が、上の写真のような「畝堀」です。

• 写真：トラベルライター障子堀と富士山

また、堀と富士山を一緒に撮影できる贅沢なポイントも。上の写真の堀は畝堀の変形で、北条氏の城によくみられる特徴として代表的な「障子堀」です。名前の通り、障子のような形で壁を作ることで、畝堀と同じように侵入者の移動を妨げる工夫をしています。

現在の堀は遺跡の保護のために芝生が張られていますが、戦国時代当時の堀はロームという粘土質の土がむき出しになっており、堀の中は滑りやすくなっていたそうです。

自然の地形を計算した設計

• 写真：トラベルライター西の丸。傾斜があり、周囲は土塁の壁で囲われています。

広々として気持ちのいい曲輪ですが、ボールを置くと転がりそうな程度の緩い傾斜があります。自然の地形を平らにするのは難しかったのかな～・・・と思いきや。実はこの傾斜で曲輪の水を流し、溜め池に水を落として貯水するという役割があるとのこと。

大事な水を確保するために、自然の地形を取り入れて設計されていたのです。このように、何気ない場所でも、当時の戦国武将達による工夫が随所に見られます。

当時の状況が伺える未完成の工事跡も

• 写真：トラベルライター築城途中で未完成の曲輪跡

上の写真は築城途中の曲輪跡で、開戦の寸前まで工事をしていた様子がうかがえます。大坂から秀吉が攻めて来ることになり、迎え撃つ北条氏は防御を強化するために山中城の改修工事に着手しました。

ですが、岱崎出丸と呼ばれる山中城の最前線にあたるエリアには、写真のように工事途中と見られる跡があるのです。

秀吉が思ったよりも早く到着してしまったのか、それとも工事が予定よりも遅れたのか。未完成の部分を残して戦に臨む兵士はどんな気持ちだったのでしょう。いろいろな想像をしてしまいます。

• 写真：トラベルライター岱崎出丸の堀。かなり深いです。

工事途中の場所もあるとはいえ、岱崎出丸の周囲にも見事な堀が残っています。

富士山と駿河湾が一望できるビューポイント

• 写真：トラベルライター西櫓付近からの眺望

晴れた日には見事な富士山が見られます！写真は、西櫓付近からの眺望です。富士山の左にあるのは愛鷹山、手前の道路は国道1号線、写真には入っていませんが、左には三島市街と駿河湾があります。

富士山の絶景を撮影できるスポットは、西櫓の周辺と岱崎出丸、おすすめの季節は冬と夏です。今回訪ねたのは冬の日でしたが、周囲の木の葉や雑草は枯れて少なく、天気にも恵まれ、冬の澄んだ空気にくっきりとした富士山を見ることができました。

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夏には、青々とした芝生と富士山の景色。初夏にはツツジの花も城跡を彩ります。

復元された箱根旧街道の石畳

• 写真：トラベルライター復元された旧街道石畳

左の階段を行くと岱崎出丸、右は駐車場と案内所。案内板では、箱根旧街道の石畳や復元について解説されています。山中城は、三島から箱根を繋ぐ旧東海道沿いに建てられていました。この付近の旧東海道は、できるだけ江戸時代当時の景観に近づけて石畳が復元されています。

兵どもが夢の跡　戦死武将達の墓

• 写真：トラベルライター山中城戦死者の墓

三の丸外側の国道沿いに、山中城で戦死した武将達の墓が残る「宗閑寺」があります。豊臣と北条、戦った両陣営の戦死者の墓が、同一の寺の敷地内に建てられています。

散策に疲れたらほっと一息　郷土食・寒ざらし団子

• 写真：トラベルライター寒ざらし団子　

城跡の駐車場にある山中城跡観光案内所・売店で、軽食もいただけます。おすすめは地元に伝わる「寒ざらし団子」。上新粉を寒気にさらして作ったことから、この名がついたと言われているそうです。

注文を受けてから油で揚げ焼きされ、熱々のできたてが出てきます。食べると外側がサクッと香ばしく、中は柔らか。餅のような粘りははなく、甘さを控えた素朴な味です。

箱根・伊豆旅行で訪ねやすい場所　三島スカイウォークも近い！　

• 写真：トラベルライター三島スカイウォークは大吊橋だけでなくショップやレストランも充実

山中城跡公園は国道1号線沿いの三島と箱根の間にあるので、箱根と伊豆方面を訪ねる旅行の時には立ち寄りやすい場所です。日本一長い吊り橋で知られる「三島スカイウォーク」も近いので、合わせて訪ねてみてはいかがでしょうか。