手付かずの自然が広がるモンゴルは、どこへいっても大地の力強さが溢れています。中でも知る人ぞ知るパワースポットが3ヶ所あり、いずれも「ゴビ」と名がつく乾燥地帯に存在しています。今回はそんなモンゴルの3大パワースポットについてまとめました。
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魅力が詰まったモンゴルの大地
モンゴルはどこまでも続く大地が印象的ですが、石炭をはじめ、金・銀・銅・ウラン・レアメタル・レアアースなど地下資源も豊富です。また世界有数の化石の宝庫でもあり、珍しいものも数多く発見されています。モンゴルは地盤が安定しているため破損が少なく、そのままの形で残ることが多いそうです。
そして広大な大地と厳しい気候が創り出す、大自然のアートも各地で見られ、それらはどこもかしこも大地のエネルギーがみなぎるパワースポットのように思えてきます。たどり着くまで大変ですが観光地化されていない穴場も多く、モンゴルはまだまだ知られていない不思議な魅力であふれています。
【1】モンゴル最強のパワースポット「東ゴビ」
ウランバートルから約400km南東に、東ゴビ(ドルノゴビ)というエリアがあります。東ゴビとは県の名前で、中心となる街はサインシャンダ。ウランバートルから列車でおよそ10時間でいくことができます。
東ゴビにはモンゴル最大のパワースポットがあることで知られていますが、長年東ゴビのガイドをされている方のお話しでは、「世界にパワースポットはたくさんあるけど、本物はヒマラヤと東ゴビだけだ」とおっしゃっています。見えないものを比較するのは難しいですが、そう聞くだけでも何だかワクワクしてきますね。
大地のパワーが湧きだす「シャンバラランド」
東ゴビの最大の見どころ「シャンバラランド」は、荒野に現れるエネルギーセンターで、入口にお釈迦さまの目が描かれた建物が建っています。眉間部分にある第3の目をジッと見つめ、それがクルクル回っているように見えればエネルギーがきれいな状態。見えなければ浄化の必要があるそうです。
シャンバラランドではこれまでの罪を紙に書き、それを燃やすと負のエネルギーが浄化されます。そしてきれいになった後に新しいエネルギーを取り込むわけですが、敷地内には地面の色が一部変色している場所があり、そこから大地のエネルギーが湧き出していると考えられています。そのため訪れた人々は仰向けに寝そべり、全身でエネルギーを吸収しています。
男性エネルギーの「黒い山」
シャンバラランドに続く見どころ「黒い山」は、願いを叶えるといわれる神の山です。ここは男性エネルギーの場所であるため、山の頂上に行けるのは男性のみ。女性は中腹まで登ることができます。
黒い山はパワースポットというだけでなく、モンゴルの雄大さが感じられる絶景スポットでもあります。少々大変ですが道はきれいに整備されているため、山の上から美しい景色を楽しんでみるといいでしょう。
女性の乳房をイメージした「おっぱい岩」
こちらはふたつの岩が、女性の乳房を象徴しているおっぱい岩です。おっぱい岩は女性エネルギーの場所になるため、男性は祈ることができません。女性は岩にミルクをかけながら、岩の周囲を3回まわり祈りを捧げます。白いのはミルクが固まり、石のようになっているからです。
東ゴビは秋になるとエネルギーがより強まると言う人がいる一方で、そんな話しは聞いたことがないという意見もあり、現地情報はばらばらです。ですが秋の光はミステリアス感が増すため、パワースポットの雰囲気を楽しむにはいい季節かもしれません。
【2】知る人ぞ知るパワースポット「ドンドゴビ」
ウランバートルからおよそ250km南にドンドゴビという県があります。「ドンド」は「真ん中」という意味であるため「中央ゴビ」と言いたいところですが、世界遺産カラコルムのある「ウブルハンガイ県」が国土の真ん中に位置しており、日本語ではそちらを中央ゴビと説明することが多いです。
そのためここではあえて「ドンドゴビ」と呼びますが、このエリアを取り扱っている旅行会社は少なく、ツーリストが単独で向かうことも不可能です。でも地平線が見えるほどの草原や奇岩郡など、壮大で素晴らしい大地の景色が広がっています。
オンギ川のほとりの「オンギ寺院」
ドンドゴビの中心街「マンダルゴビ」からオフロードを何時間も走ると、「オンギ」という場所にたどり着きます。この周辺にはかつてたくさんの寺院が建ち並び、大規模な仏教活動が行われていましたが、1937〜1938年に行われたソ連の大粛清により、数百人の僧侶の命が奪われていきました。それと同時に寺院も破壊され、現在は崩れた建物が遺跡となって残っています。
現地の方のお話しによると、ここはシャンバラランドに続く強力なパワースポットということですが、東ゴビのような知名度はなく知っている人も少数です。近くにはオンギ川というきれいな川が流れ、ちょっとハイレベルなツーリストキャンプが建つ荒野のオアシスのような場所になっています。
【3】砂漠の中のパワースポット「南ゴビ」
ゴビ砂漠で有名な南ゴビ(ウムヌゴビ)は、モンゴルのもっとも南。中国と国境を接している県になり、大自然を楽しむことができる人気のエリアです。ツーリストはウランバートルから飛行機を使うことが多く、見どころはさらに離れた場所にあるため、旅行するには日数に余裕を持った方がいいかもしれません。
大自然のエネルギーセンター「デムチグ寺院」
3つ目のパワースポットは、南ゴビにたたずむ「デムチグ寺院」です。実は筆者は訪れたことがないのですが、ドンドゴビを旅していたとき、現地の人からこのデムチグ寺院を含めた3つの寺院が、知る人ぞ知るモンゴル3大パワースポットだという情報を得ました。
ここでは磁気のS極とN極が互いの力を打ち消し合い、ゼロ磁場という状態を生み出しているという説や、巨大な自然エネルギーセンターだという説などがあります。
位置は「ハンボグド」という村から10kmくらい離れていて、ドンドゴビのオンギ寺院同様、破壊された建物跡が残されています。有名な観光地ではないようですが、だからこそ訪れることができたら面白いですね。南ゴビの旅を計画する際は、現地旅行会社に相談してみてはいかがでしょうか。